【2025年】プラモデル&ホビー用塗料の選び方 用途別のおすすめ塗料や人気メーカーをご紹介

ホビー用塗料の選び方
ホビー用塗料の選び方

最終更新:2025/1/10

プラモデルやガレージキット、レジンアクセサリーをはじめとしたハンドクラフト、コスプレ小物などの完成度を上げるために塗装は欠かせません。
塗料はラッカー・水性アクリル・エナメルなどに分類され、その種類によって性質や用途が異なります。
ここではプラモデルをメインに、塗料の違いや環境に合わせた使い方、人気メーカーの特徴などをご案内します。

塗装を始める前に知っておきたいこと



奥深いプラモの塗装に挑戦しよう

プラモの塗装はテクニックも必要ですが、塗料の性質を把握しておくことと、使いやすい道具を揃えることが何より大切です。
経験と感覚が武器になるので、最初は上手くいかなくても徐々にコツを掴んでいけます。
パッケージの完成写真を目指すのもよし、自分なりの解釈で仕上げるもよし。
塗装は難しそうというイメージのある方も、実際に手を動かしてみればその面白さに夢中になるはずです。

塗装は同居人やペット、近隣に配慮して

塗料に使われる有機溶剤は人体や環境に有害なものです。そのため、換気や防毒・消臭の準備は万全にしておきましょう。
特にペットは人間の何倍も敏感なので、思わぬ事故の原因になるかもしれません。
自宅で作業用の部屋や十分な換気時間を持てない場合は、レンタル工作室を利用するのがおすすめです。

【注意すべきポイント】
[換気] 塗装中は必ず換気扇を回し、窓を開けて十分な換気を行ってください。
[マスク] 有機溶剤を吸い込まないように、防毒マスクを着用しましょう。
[手袋] 塗料が付着しないよう、使い捨て手袋を着用しましょう。
[作業スペース] 新聞紙などを敷き、汚れてもよい場所で作業を行いましょう。
[廃棄] 使用済みの塗料や溶剤は、自治体の指示に従って適切に処分しましょう。

塗料の選び方



【ポイント1】塗料・溶剤の種類をチェック

カラー塗料

プラモデルの塗装で使用されるのは、主に以下の3種類のカラー塗料です。それぞれ特徴があり、塗り重ねられる順番や適した用途が異なります。瓶入りの塗料はそれぞれ専用の薄め液で希釈したうえで、筆やエアブラシで塗装します。

ラッカー

ラッカー塗料は「有機溶剤系アクリル樹脂塗料」という油性塗料を指します。乾燥が早いため重ね塗りしやすく、発色が良いのが特徴です。また塗膜が強く、こすれやキズにも強い塗料です。
ラッカー塗料は上から水性塗料やエナメル塗料を重ねることができますが、逆にラッカー塗料を他の塗料の上に塗ることは基本的にできません。

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水性アクリル

水性アクリル塗料とは「水溶性アクリル樹脂塗料」という、水性塗料のことです。臭いが少なく安心して使えるのが特徴で、乾燥前は水に溶け、乾燥すると耐水性の塗膜になります。そのため、筆やエアブラシなど塗装用具のお手入れも手軽です。
水性塗料の上からはエナメル塗料を塗ることができます。ラッカー塗料は塗膜を侵すため上塗りできません。

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エナメル

エナメル塗料は3種類の中で最も乾きが遅く、筆塗りのムラが出にくくはみ出しのふき取りもしやすくなっています。一方、最も塗膜が弱く剥がれやすいため、スミ入れなどの補助的な用途に使われるのが一般的です。
エナメルの上からは他の塗料を塗ることはできません。また、プラを侵食しやすく、直接パーツに塗ると割れてしまうことがあるため注意が必要です。

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溶剤

塗料の希釈や塗装用具の清掃に使用する溶剤。塗装には欠かせないものですが、揮発や火気には十分注意しましょう。不安がある場合は、水や危険性の低いうすめ液が使用できる水性塗料での塗装がおすすめです。

うすめ液(シンナー)

瓶入りの塗料を筆塗りやエアブラシ塗装に最適な濃さに調整するために使用します。塗料の種類それぞれに対応するうすめ液があり、また塗装方法などによって適正な濃さが異なるため、試し塗り・試し吹きで感覚を掴むことが必要です。

ツールクリーナー

エアブラシや塗料皿などの塗装用具に付いた塗料を落とすための強力な溶剤です。プラスチックを容易に溶かすほど強いものもあるため、うすめ液の代わりやパーツの塗装を落とす目的では使用できません。

サーフェイサー・プライマー

パーツの材質と塗料の相性や、下地の色が透けやすい色といった問題を解消するために、カラー塗料を塗る前の下地として使用します。下地の色を活かした塗装をする場合などは省かれる場合もあります。

サーフェイサー

塗装下地として元のパーツの色を隠し、塗料の乗りを良くします。また、元のパーツのままでは見えにくいキズや凸凹が見えるようになる効果があり、塗装前の修正にも使用されます。

プライマー

メタルパーツなど塗料を弾いてしまう素材や塗膜の弱い塗料を食いつきやすくします。サーフェイサーの中にはプライマー成分を含んでいる製品もあります。

スミ入れ塗料・コート剤

塗装の最後にスミ入れやトップコートを施すことで、グッと印象が引き締まります。本格的な塗装は難しそう……という方も、このひと手間を加えるだけでかなり完成度が上がります。

スミ入れ塗料

スケールモデルなどはパーツのモールドや段差に沿ってスミ入れすることでディテールを強調、全体を引き締まった印象にすることができます。

トップコート

塗装の最後に吹くことで全体の質感を統一し、塗装剥がれを防いでくれます。光沢・半光沢・つや消しといった具合にイメージに合わせて仕上げられます。




【ポイント2】塗装方法をチェック

プラモデルの塗装にはいくつかの方法があります。
限られたスペースで塗装するなら水性塗料の筆塗りが最も手軽ですが、塗装環境を整えられるならエアブラシが最も簡単にきれいな仕上がりが得られます。
実際には一つの方法だけで完結するわけではなく、広い範囲はスプレーやエアブラシ、細かい場所は筆塗りといった具合に段階ごとに使い分けるのが一般的です。

【 筆塗り 】
道具が揃えやすく、周りに迷惑もかけにくいため始めやすいのが筆塗りです。同時に、塗りムラが目立たないようにするにはテクニックと経験が必要になる難易度の高い塗り方でもあります。
瓶塗料はスプレー缶と比べ色数が圧倒的に多いため、イメージに近い色を選ぶことができます。また、塗料を混ぜて調色することも可能です。
筆塗りはどうしても厚塗りになりがちで、乾燥にも時間がかかりますが、根気よく重ね塗りすることできれいに発色します。

【 エアブラシ 】
ハンドピースやコンプレッサー、塗装ブースなど揃える道具と占有スペースの問題で上級者向けと思われがちですが、塗装自体の難易度は最も低いのがエアブラシです。
瓶塗料の豊富なカラーラインアップのほか、自分で塗料を混ぜて調色できます。薄く薄く均一に重ね塗りできるため、乾燥までの待ち時間を短縮でき、また塗料の無駄遣いが少ないためコストパフォーマンスに優れています。

【 缶スプレー 】
他の道具が必要なく、すぐに塗装できるのがメリット。エアブラシと違い強いエアー圧で塗料を飛ばすため、広範囲の塗装に向いています。
戦車や飛行機などは、スプレー缶でさっとベースの色を塗ってから細かい部分を筆塗りするのがお手軽です。
ただし塗料の消費量が多く、コストパフォーマンスは低めです。また、塗料が空気中に広がりやすいため、周りに付着したり目に入ったりしないように注意しましょう。

【 マーカー 】
ガンダムマーカーなどが有名な塗料一体型のペンタイプ。手軽で安全性が高いため、初めて塗装に挑戦する子どもでも感覚的に扱えます。
他の塗料と重ね塗りできないため、部分塗装が主な使い方になります。色分けが優秀なガンプラは少し手を加えるだけでも満足感が違います。
スミ入れ用や汚し塗装用など特殊な用途のタイプもあります。




【ポイント3】塗装するプラモのジャンルをチェック

【 キャラクターモデル 】
ガンプラをはじめキャラクター性の強いプラモデル。近年はパーツの段階でしっかり色分けされているものが増えています。
接着剤不要のスナップフィットが主流で、一旦仮組みをしてプロポーションの調整や塗装のプランを練ることができます。
オリジナルに忠実に作成するだけでなく、独自の改造やカラーリングの変更といった楽しみ方もでき、どのように仕上げたいかによって塗装方法も変わってきます。

【 スケールモデル 】
ミリタリーやカー・バイク、鉄道など、現実にある乗り物などを縮小したプラモデル。塗装には実物に近づけるリアリティが求められます。
造形は緻密ですがパーツの色分けは最低限で、基本的に全塗装となります。
組み立てには接着剤が必要な場合も多く、組み立てる前に順序を考えながら塗装を行う必要があります。




【ポイント4】ご自宅の環境で塗装方法を選ぶ

安全性と始めやすさで選ぶなら水性塗料の筆塗りがおすすめ!
これから塗装に挑戦しようと考えている方は、まず一度水性塗料の筆塗りで感覚を知っておくことをおすすめします。
水性塗料は溶剤の刺激が少なく、筆塗りであれば机の上で手軽に作業できます。
広範囲をムラなく塗るのは難しいですが、あらかじめ色分けがされているプラモデルは成形色を活かしつつ、細かい部分に手を加えることで手軽に完成度を高められます。

塗装ブースが設置できる環境ならエアブラシが快適!
エアブラシは使用できる環境が限られ、使用するたびに洗浄やメンテナンスが必要です。
しかし、乾燥時間が早く誰でもキレイな仕上がりを得られるというメリットと比べれば些細な問題です。また、缶スプレーと比べ圧倒的にコストパフォーマンスも高いです。
慣れれば迷彩やグラデーションも自在に行えるようになり、塗装の自由度が大きく広がります。
有料の模型工作室では、エアブラシの貸し出しと使用方法のレクチャーを行っているところもありますので、もし近くにあれば一度体験してみるのもおすすめです。

よくあるご質問


使用済の薄め液・ツールクリーナーの処分方法は?
使用後の溶剤は紙や布に吸わせて十分に乾燥させるなどしたうえで、自治体の定める方法に従って処分しましょう。シンナーを乾燥させる際は、換気の良い場所で行い、火気を遠ざけることが重要です。くれぐれも排水溝に流したり道路や庭に撒いたりしてはいけません。
ラッカー同士、水性同士など同じ種類の塗料なら混ぜて大丈夫?
大まかな分類が同じでも、使用している色の成分が違うとうまく混ざらない場合があります。これは同じメーカー内であっても起こりうるため、同じシリーズの塗料同士で組み合わせるようにしましょう。

塗料の人気メーカー・塗装に欠かせないアイテムをご紹介



タミヤ

戦車・戦闘機などのミリタリーモデルや自動車、バイクといったスケールモデル、ミニ四駆などのキットを手掛けるタミヤ。塗料もこれらのキットに合うカラーがラインアップされており、説明書のレシピに従って塗装すれば見本通りの塗装ができます。
水性塗料のタミヤカラーをはじめ、ラッカー塗料のタミヤスプレー、エナメル塗料、スミ入れ塗料などひと通りの種類が揃っています。

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GSIクレオス

ラッカー塗料のMr.カラーが有名ですが、水性塗料にもかなり力を入れています。リニューアルされた水性ホビーカラーは安全性と高性能を兼ね備えており、他のメーカーにはない水性のサーフェイサーやトップコートもラインアップされています。
ガンプラをはじめバンダイのプラモデル向けに調整された塗料も多く、機体のイメージ通りに塗装できます。

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ガイアノーツ

ラッカー塗料のカラーラインアップが充実しているガイアカラー。また、サーフェイサーや溶剤の種類も他に例を見ない品揃えで、塗料の特性を最大限活かした塗装ができるようになっています。 ガイアカラーも他社プラモデルのシリーズにマッチした特別カラーを用意しているため、選びやすくなっています。

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グリーンマックス

鉄道模型との相性が抜群に良いのがグリーンマックスの塗料です。メーカーによって同じ色名でも微妙に色の解釈が違う場合がありますが、グリーンマックスは実際の車両の色で選ぶことができます。

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シタデル

世界的に人気のボードゲーム「ウォーハンマー」で使用するミニチュアフィギュア向けの水性塗料。水性塗料としてはかなり隠蔽力や塗膜の強さが優れており、筆塗りの楽しい塗料です。塗り重ねる順序でシリーズ分けされており、小さなフィギュアでも立体的で重厚感のある塗装が可能です。

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塗装に役立つ必須アイテム

防毒マスク

揮発した有機溶剤を吸わないようにするためには防毒マスクが必要です。一般的なマスクや防塵マスクでは防ぐことができません。水性塗料の筆塗り・マーカー塗装以外の場合は最優先で購入してください。

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使い捨て手袋

スプレー・エアブラシ塗装をはじめ、塗料が手に付くのを避けたい場合は手袋をして作業しましょう。薄手で手にぴったりはまり、溶剤への耐性が強いニトリル手袋などがおすすめです。

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調色スティック

瓶タイプの塗料を底から攪拌し、少量取り出すことができます。金属製のスティックはクリーナーなしでも塗料を拭きとることができるため、調色がスムーズに行えます。

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キムワイプ

吸水性が高く、ティッシュや綿棒と違い繊維の毛羽立ちがほとんどないため、塗装用具の掃除や塗料瓶のフチを拭う、パーツの汚れやホコリを取り除くなど多岐に渡って活躍します。

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重量計

小数点以下の計測・表示が可能なスケールがあると便利です。メーカーによっては説明書に塗装見本と使用した塗料を掲載していますが、%単位で色を足して調色している場合もあり、忠実に再現するには正確に測る必要があるためです。

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マスキングテープ

塗装したくない箇所を覆うことで、繊細な塗り分けができる低粘着性のテープ。使いやすい形にあらかじめカットされているものや、細かい装飾に対応する液体タイプもあります。

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超音波洗浄器

整えたパーツを塗装前に洗浄。パーツのミゾなどに入り込んでしまったヤスリのカスやゴミを浮かせて取り除くことができます。また中性洗剤を混ぜて使用することで、塗装を弾く原因となる離型剤や皮脂のヌメリも落とせます。

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