【2025年】三脚の選び方 おすすめ6選をご紹介


最終更新:2025/1/16
写真や動画撮影、または双眼鏡など、本格的な撮影・観察を行うには欠かせない三脚。ブレやすい夜景や望遠撮影、定点でチャンスを狙いたい鉄道など、様々なシーンで活躍します。三脚・雲台の機能や耐荷重など、商品選びの際に重要なポイントを詳しくご紹介します。
三脚の役割は一言で言えば「カメラを固定すること」です。では何のためにカメラを固定するのか、その目的によって三脚に求められる性能が決まります。
三脚を使用するメリット
●構え続ける負担を軽減する
鉄道や野鳥の写真、運動会など、撮影のタイミングが限られている場合に、構えたまま待ち続ける負担から解放されます。
●手ブレを防ぐ
夜景や暗い室内などのシャッタースピードが遅くなるシーンや、わずかなブレで印象が大きく変わるマクロ撮影で、手ブレのリスクを最小限に抑えます。
●構図を維持する
超望遠レンズやマクロレンズでも構図を細かく調整して維持できるので、納得の1枚が撮れるまで同じ構図で撮影できます。
●カメラから離れて撮影する
セルフタイマー撮影など、あらかじめ決めた構図でカメラから離れてシャッターを切ることができます。

三脚はそれぞれ載せられる機材の重さに限りがあります。メーカーによって表記は統一されておらず、強度的な限界を示す「耐荷重」、機能を万全に使える「推奨積載荷重」のように表記されています。耐荷重は機材を載せた上での安定感などは考慮されていないため、実際に載せる機材の重さは耐荷重の1/3程度までに収めることをおすすめします。

三脚本体の重量もチェック
また、三脚本体の重量も大きなポイントです。持ち運びやすさを考えると軽量な三脚が便利ですが、軽すぎると重心が上に寄って不安定になったり、地面からの振動の影響を受けやすくなります。旅行や山登りなどは小型のカメラと軽量な三脚、大きな望遠レンズを使用する場合はがっしりした三脚といったかたちで使い分けるのがおすすめです。
三脚のスペック上では安全に使用できる重さでも、重心によっては安定しないことがあります。その場合は三脚に取り付けられるフックやストーンバッグなどのアクセサリを使用して、三脚側を重くすることでしっかり固定することができます。

三脚は撮影する際に必要な高さや持ち運びのしやすさなどを考慮しながら選ぶ必要があります。全ての脚とエレベーター(センターポール)を最大まで伸ばした状態を「全高」と呼びます。背の大きい三脚は低く調整することもできるため便利ですが、一方で畳んだ時のサイズも大きくなるという問題があります。
小型三脚:130cm程度まで
腰ほどまでの高さで、携帯性を重視した三脚。その分、大型機材に対応する機種は限られています。集合写真など遮蔽物のない場所での撮影に適しています。
中型三脚:180cm程度まで
最もスタンダードなタイプの三脚。目線か少し腰を落としたくらいの高さでセッティングできるので、長時間でも無理のない姿勢で撮影できます。
大型三脚:180cm以上
大人の身長以上の高さと抜群の安定感を持つ三脚。収納時も大きく重いため、スタジオ撮影や頻繁に場所を移動しないシーンでの撮影に適します。
卓上三脚
テーブルや地面に置いて、カメラ・スマホに角度を付けられるようにします。スリムさを活かしてカメラのボトムグリップとして使えるモデルも豊富です。

高さ選びに悩んだら
三脚の高さに悩んだときは、エレベーターを下げた高さが自分の目線より20cm前後低いモデルをおすすめします。機材を載せるとちょうどいい高さになり、エレベーターで微調整すれば快適に使用できます。
脚の段数をチェック
畳んだときのサイズを決めるのが脚を伸縮させる段数です。段数が増えれば、伸ばした高さは同じぐらいでも、畳んだサイズは短くなります。
ただし、一番上のパイプ径が同じなら、段数が多い三脚はそれだけ華奢になってしまいます。コンパクトさを重視するなら段数が多い三脚、がっしりした安定性を求めるなら段数が少ない三脚がおすすめです。

ロック方式をチェック
脚のロック方法には「ナットロック式(回転式・ツイストロック式とも言います)」「レバーロック式」があります。ナットロックは全ての段をまとめて緩めることができ、スピーディーなセッティングが可能です。
レバーロックはワンタッチで締めることができ、ロックされているかひと目で分かるため、握力に自信がなくて不安という方にもおすすめです。

三脚にカメラを取り付ける部分を雲台(ヘッド)と呼びます。雲台には用途の異なるいくつかの種類があり、メーカーによっては脚と雲台の組み合わせで複数のバリエーションから選択できます。載せる機材や被写体に合ったものを選びましょう。また、中級以上の三脚は雲台の交換も可能です。
自由雲台(ボールヘッド)
ノブひとつで固定状態から自由にカメラを動かせる状態に切り替えられるため、動きのある被写体などに素早くカメラを向けて撮影できます。

3ウェイ雲台
上下・左右・水平それぞれ独立して固定と調整ができるタイプ。風景撮影や建物の外観・室内など、構図をきっちり決めて撮影したい場合に欠かせません。

ビデオ雲台
動画撮影中も定速かつ滑らかな動きでカメラのアングルを変えることができます。超望遠レンズに対応したモデルも多く、野鳥撮影などでも活躍します。

ジンバル雲台
超望遠レンズの重心位置を調整し、固定していない状態でも前後の水平を維持します。自由雲台以上に素早く被写体の動きを追うことが可能です。

オーソドックスな三脚のほかにも、携帯性をさらに高めたモデルや特定の撮影用途で実力を発揮するモデルなど多彩な三脚があり、使い分けることでより快適な撮影を可能にします。
カーボン三脚
カーボン三脚はアルミ三脚と同等の強度でもさらに軽量なのが特徴。さらに振動に強い、熱が伝わりにくく夏場や寒冷地でも使いやすいといったメリットもあります。軽量な分、重心がカメラ寄りになってしまうモデルもあるため、エンドフックやストーンバッグに重りとなる物を加えてバランスを取ることをおすすめします。

トラベル三脚
脚が反転し雲台が脚の内側に収まるように畳めるため、よりコンパクトに収納できます。中型三脚のスペックを持ちながら小型三脚のようにスーツケースにしまって旅行に行けるなど、幅広いシーンで活躍します。カメラによってはカーボン三脚と同様に上に偏りがちな重心を調整する必要があります。

ビデオ三脚
上下・左右に滑らかなパン動作ができるビデオ雲台を搭載した三脚。固定しなくても水平を保つカウンターバランス搭載モデルや、横に回す際のねじれを防ぐために2本のパイプを組み合わせたダブルシャンクモデルなどもあり、動画撮影だけでなく、超望遠レンズでの野鳥撮影などにもよく使われています。

マルチアングル三脚
センターポールを上下の調整だけでなく水平にしたり、自由に動かしたりできる三脚です。三脚の中心でなく大きくせり出す姿勢でカメラをセットできるため、被写体に肉薄するような接写や真上からの俯瞰撮影といった、三脚とは相性の悪い撮影も無理なくこなせます。

フレキシブル三脚
「ゴリラポッド」などが有名な、脚が自在に曲がる卓上三脚。設置したい場所が平坦でなくてもバランスを取りやすいのが特長です。また、手すりやポールなどに巻き付けることで通常の三脚では不可能なアングルからの撮影も可能になるため、サブとして一本持っておくのもおすすめです。

カメラやレンズに得手不得手があるように、三脚にも個性があります。用途に沿って最適な三脚を使い分けることが、撮影スキル向上にも繋がります。 例えば、撮影対象によって、実際に搭載する機材の重さは変化します。また、運搬が車なのか徒歩なのかによっても、望ましい三脚の大きさ・質量は違ってきます。これらの要素を考慮して、撮影シーンに合った三脚を選択しましょう。
【鉄道写真】

ハイアングルでどんな現場にも対応
高身長三脚がおすすめ
1.障害物がある場所でも上から撮影
フェンスや草木などの障害物、前に人がいる場合も上から撮影が可能です。
2.ローアングルから超ハイアングルまで
開脚角度を変えることができ、ローアングルから超ハイアングルまで対応します。
3.安定力も抜群!どっしり構えて撮影
鉄道撮影には望遠レンズが必要不可欠。大きく重たいレンズもがっちり支えます。
【物撮り】

アームを伸ばして接写できる
マルチアングル三脚がおすすめ
1.アームを伸ばして被写体に近づけられる
机の上の被写体を大きく撮りたいときも、アームを伸ばせば被写体にぐっと近寄れます。
2.俯瞰撮影が可能
書類や平らなものの真上から撮影が可能。遠近感による歪みやボケのないきれいな複写ができます。
3.高身長三脚としても使用可能
アームを垂直に出すことが可能なので、センターポールとしての役割も果たします。
【野鳥撮影】

重たいレンズも自由自在
ビデオ・ジンバル雲台付き三脚がおすすめ
1.素早い野鳥にはジンバル雲台
飛んでいる野鳥を追いかけるのは至難の業。ジンバル雲台を使えば楽に追いかけられます。
2.狙いを定めてじっくり待つならビデオ雲台
狙ったポイントに野鳥が来るのを待ち、位置を微調整する際もビデオ雲台なら安心です。
3.カモフラージュ柄で隠密性UP
脚の塗装にカモフラージュ柄を採用したモデルなら、三脚を自然に溶け込ませることができます。
【星景撮影】

太いパイプで安定力抜群
大型カーボン三脚がおすすめ
1.カーボン素材が振動を吸収
少しのブレにも注意したい星景撮影。カーボンの振動吸収性でブレを確実に抑えます。
2.カーボン素材で冷たくならない
寒い環境ではアルミ素材だと冷たくなってしまいますが、カーボンは熱が伝わりにくく安心です。
3.太いパイプ径で大口径レンズも安心
星景撮影では重たい大口径レンズを使うことも。パイプ径が太い大型三脚なら安定性が違います。
【旅行写真】

小さく持ち運べて便利
トラベル三脚がおすすめ
1.脚を折りたためてコンパクト
旅行鞄とは別に持ち運ぶのは大変。トラベル三脚なら鞄に入れて持ち運べる物もあります。
2.軽くて荷物になりにくい
着替えにお土産にと重くかさばる旅行の荷物。軽量モデルを選べば荷物になりにくく快適です。
3.自由雲台で直観的操作
トラベル三脚はコンパクトな自由雲台がおすすめ。ボールの可動域が広く、直感的に操作できます。
【学校・家族のイベント】

三脚を初めて使うならこちら!
ファミリー三脚がおすすめ
1.スマホもカメラも搭載可能
スマホアダプター付属の商品が多く、スマホとカメラどちらでも撮影が可能です。
2.軽量モデルが多く使いやすい
主要パーツに金属を用いないことで軽量化。移動の際も少ない負担で済みます。
3.ケース付きで持ち運び簡単
持ち運びをする際にはケースが必須。最初からケース付属の三脚なら安心して使えます。
よくあるご質問
- 三脚を使ってもブレてしまうのはなぜ?
- 1.三脚とカメラの組み合わせが適切でなく、安定していない可能性があります。
2.シャッターボタンを押して直接シャッターを切っているようであれば、レリーズを使うか、セルフタイマーで撮影すれば、ブレを抑えることができます。
3.カメラやレンズに内蔵の手ブレ補正は、三脚撮影に対応していない場合があります。手ブレ補正を切るか、三脚対応モードがある機種であれば切り替えて撮影しましょう。 - 三脚を水平に保つコツは?
- 水平かどうか判断するには、三脚についている水準器を利用します。雲台だけで調整しようとすると重量バランスが崩れてしまうため、3本の脚の長さを変えながら、気泡が中心にくるように調整しましょう。
- 狭い場所で安定して立てる方法は?
- 三脚は原則として、全開まで脚を開いて使用します。狭い場所で脚を十分に拡げられないと、安定性が極端に悪くなります。一般にエレベーターパイプと脚パイプが25°程度の角度になるため、それなりに場所が必要です。狭い場所で使用する場合は、自立脚付き一脚をおすすめします。
- 三脚は水辺でも使える?
- 防水対応でない一般的な三脚には防水・防塵加工はされておらず、砂浜や水場での利用を想定していません。油切れやパーツの動作不良の原因になるため、雨や雪の中で撮影した後は水気をしっかりふき取り、レバーなど可動部分に砂が入り込まないようブラシやハケなどで清掃しましょう。
- 長い間使用していない三脚を使用する場合は、どこを確認すればいい?
- 三脚を伸ばしてみて、軽く体重をかけ、脚の部分で滑るところがないか、また、雲台や脚の伸縮がスムーズかどうかも確認してください。固定が十分できなかった場合は、カメラを載せて使用するのは避けてください。
また、動きが鈍くなった三脚には注油は行わないでください。油を注すことによって固定できなくなります。動きがスムーズでなくなる原因は部品の摩耗等の可能性もあり、修理に出すことをおすすめします。
手ごろで初めてでも使いやすいファミリーモデル
スリック GX-S 6400 Video [ファミリービデオ三脚]
家族旅行や学校行事などのイベントにおすすめの扱いやすい軽量ビデオ三脚。クイックシューはスマホホルダーが組み込まれた1台2役の仕様で、活躍の機会が広がります。
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丈夫さとコンパクトさを備えた旅行におすすめのモデル
バンガード VESTA GO 264CB [トラベルカーボン三脚]
軽量なカーボンパイプと、コンパクトに折り畳めるトラベル機構を兼ね備えた携帯性抜群のモデル。撮影旅行や登山など、荷物をできるだけ小さくまとめたい場合に最適です。
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小型カメラやスマホで自由なアングルから撮影できる
グーコン YogaPod [フレキシブル三脚]
高弾力性のゴム素材に加え、1本の脚に7本のアルミワイヤーを内蔵したフレキシブル三脚。しなやかな曲げ伸ばしと高い耐久性を持ち、カメラとスマホの2通りで使用可能です。
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テーブルフォトや草花の接写におすすめ
バンガード ALTA PRO 264ABN [マルチ三脚]
独自のシステムでセンターポールを0°(真下)から180°(標準位置)まで自在に調整することが可能。それにより、マクロ撮影や広角撮影などが簡単に行えます。
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野鳥観察・望遠撮影におすすめ
スリック プルーバーターサス [バードウォッチング三脚]
メーカーと日本野鳥の会のコラボモデル。1ハンドルで上下・左右の動きが自在に調整できるフリーターン雲台を採用し、野鳥の動きをしっかりと捉えることができます。
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鉄道写真やスタジオでの撮影におすすめ
スリック ザ プロフェッショナル4 NS
2m50cmを超える高さでも十分な安定性を誇り、高精度3ウェイ雲台による精密な構図決定が可能です。大人数の集合人物撮影や建築写真、鉄道写真等、高さが必要とされる場面に最適な三脚です。
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