【2025年】ペンタブレットの選び方 クリエイターや趣味のイラストにおすすめの4選をご紹介


最終更新:2025/1/30
パソコンやスマホなどのデバイスと接続して、イラストを描いたり3Dモデリングしたりできるペンタブレット。
SNSなどでイラストを公開できる機会が増えたことや、3Dプリンターの普及などで人気が高まっています。
ペンタブレット(板タブ)と液晶タブレットの違いをはじめ、ペンタブを選ぶ際のポイントとおすすめ商品をご紹介します。
ペンタブレットの選び方
ペンタブレット・板タブレット(板タブ)
ディスプレイが搭載されていないオーソドックスなペンタブレットは板タブレットとも呼ばれます。画面がないぶん低価格で、省スペースで作業できる軽量・コンパクトなモデルもラインアップされています。
ポインティングデバイスとしても使用できますが、マウスが現在地を基準にして位置を表す相対座標なのに対し、ペンタブは絶対座標として位置を検出します。また、使用する際にはパソコンの画面を見ながら手を動かすため、スムーズに操作するには慣れが必要です。

液晶タブレット(液タブ)
本体にディスプレイが搭載されている液晶タブレットは、画面に直接書き込む感覚で使用できます。画面が付いていますが、多くの場合、単体では使用できず、パソコンと接続する必要があります。
板タブと比べ価格は高くなりますが、アナログで絵を描いていた方や初心者でも直観的に使えるためおすすめです。PCモニターを見ながらよりも正確な彩色がしやすくなっています。プロ向けのモデルになると、PCモニターと同等の大型のモデルもラインアップされています。

タブレットPC/iPad/2in1PC
タブレットPCは液晶タブレットとよく似ていますが、使用感は大きく変わってきます。
タブレットPCなら単体でアプリを動かせるため、他の機器と繋がず作業が可能です。一方、筆圧・傾き検知といったペンタブレットで重視される機能に対応しているのは専用ペンが使えるものに限られ、ペンも充電が必要になります。
そのため、一般的なタブレットPCでの作業はマウス以上ペンタブレット未満の快適さと考えましょう。

お使いのパソコンやデバイスとペンタブレットが接続できるか確認しましょう。
WindowsパソコンやMacは多くのタブレットが対応していますが、ChromebookやAndroidで使用できるモデルもあります。お使いのデバイスや、使いたいアプリの要件に合わせて選びましょう。
また、接続方法も組み合わせによって異なります。省電力な板タブはシンプルにUSBケーブル1本でパソコンに接続できます。また、Bluetoothでワイヤレス接続可能なモデルもあります。
液タブは少し複雑になります。本来は映像用のHDMI・入力信号用のUSB・電源用のACケーブルと3本のケーブルが必要ですが、ペンタブと接続先がともにDP Altモード(ディスプレイポートオルタネートモード)に対応するUSB Type-C端子を備えていれば、1本で接続することができます。ただし、電源供給が不足する場合には、別途電源コードを繋ぐ必要があります。

筆圧レベル
ペンタブレットの感知できる筆圧の細かさのレベルは数値で示されており、数字が大きいほど細かな筆圧の強弱を読み取ることが可能です。たとえば、筆圧レベルが2048の場合、2048段階の筆圧を感知して線の強弱や濃淡を変えることができます。趣味で使う場合は2048レベルあれば十分ですが、最近では4096レベル、8192レベルといった高い筆圧レベルを搭載した製品が一般的になりつつあります。
傾き検知
ペン先の傾きを検知して書く線に反映でき、より筆のようなアナログに近い強弱がつけられます。搭載されている機種のほとんどは、±60°まで認識できます。イラストで使用する場合にはぜひ押さえておきたい機能ですが、製図や手書きメモなどの用途では特に重要ではありません。また、筆圧・傾きとも性能を発揮するにはアプリ側も対応している必要があります。

読取解像度・分解能
ペン先の動きを検知するための精度です。
「mm」や「LPI」という単位で表記され、「mm」は値が小さいほうが細かく検知でき、「LPI」の場合は値が大きいほうが高性能になります。
とはいえ現在のほとんどのモデルは5080LPI(=0.005mm)となっているため、このスペックを満たしていれば問題ないでしょう。
反応速度・読取速度
ペンの動きを追従する速度、動きの遅延の少なさを指します。
単位は「PPS」「RPS」などが使われ、値が大きいほど反応が良くなります。板タブなら133以上、液タブなら200以上が快適に使用できる目安になります。

画面サイズ
液タブの画面サイズは13インチから20インチを超える大型のものまでさまざまです。画面が大きいほどのびのびとペンを走らせることができますし、細部までしっかり描き込めるようになります。
13インチというとモバイルノートPCと同程度ですが、液タブは画面の周りの縁がパソコンと比べて大きいため、筐体のサイズはひと回り大きくなります。置くためのスペースを考えながらサイズを選択しましょう。

画面解像度
画面の精細さ(ドットの細かさ)を表す数値です。数値が大きいモノほど細部までくっきり見えるため、より繊細な表現ができます。ただし、液晶タブレットの画面をモニターに正しく反映させたい場合は、モニターの解像度がタブレット以上である必要があります。
視野角
人によって描きやすい角度や姿勢が異なるため、どこから見ても見やすい広視野角のタイプがおすすめです。LCDタイプが「IPS」であれば、180度近い視野角で快適に使用できます。加えて、照明などの映り込みを防ぐ反射防止(アンチグレア)加工が施されているかもポイントです。反射防止によってペン先に摩擦がかかり、描き味が良くなるとしているモデルもあります。
視差
液タブは読取が行われる液晶パネルの上にガラスが敷かれているため、自分が描いたはずの位置と画面上に反映される位置にズレが出ます。これを視差と呼びます。視差が大きいほど、思いどおりに線を描けずストレスの原因になります。フルラミネーション加工など、ペン先と液晶パネルとの距離が短縮されているモデルなら、視差を最小限に押させられています。

色域(色空間)
液晶モニターが再現できる色彩の領域を色域、色域を数値化したものを色空間と呼びます。液タブは画面に直接描き込んでいくため、色空間がそのまま表現力に繋がります。
色空間には「sRGB」「AdobeRGB」「NTSC」「DCI-P3」といった規格があり、液タブは各規格に対して何パーセントの色を再現できるかをスペックに記載しています。
スペック上では「カバー率」「面積比」と表記が異なる場合がありますが、重要なのは「カバー率」になります。基本的には、sRGBのカバー率が高い物(98%以上)を選ぶとよいでしょう。
また、色空間変換機能を備えているモデルであれば、規格を切り替えて表示できるため、例えば印刷所指定の色域に変換するときも色味がすぐに確認できます。
また、数値の問題のほかにもメーカーごとのクセがあり、PCモニターと色味が微妙に違うといったこともあるため、色合わせ(キャリブレーション)も行えるとより確実です。

ペンタブは入力エリアとモニター上の同じ座標でカーソル位置を検出します。そのため、モニターを見ながら作業する板タブの場合は特に、モニターとペンタブのサイズ差が使い勝手に大きく影響します。
モニターサイズに対して入力エリアが小さいと、少しの動きが大きい描画になり、逆にモニターに対して入力エリアが大きいと手を大きく動かさないといけません。そのため、モニターの表示領域とできるだけ近い大きさの入力範囲の製品を選ぶか、ドライバの設定で作業エリアが調整できるモデルを選びましょう。
また、全面フラットな見た目のモデルも多い板タブですが、全体にペンを走らせられるわけではなく、実際の読取可能範囲は目印で囲われた部分に限られます。選ぶ際には本体の寸法と読取可能範囲のそれぞれをチェックしましょう。
・読取可能範囲の目安(PCモニター:ペンタブレット)
15インチ以下:A6用紙サイズ(105×148mm)
15~24インチ:A5用紙サイズ(148×210mm)
24インチ以上:A4用紙サイズ(210×297mm)

ショートカットキー
ペンタブに対応しているアプリの多くは、キーボード入力による機能の切り替えができます。しかし、ペンタブの占有スペースが大きくキーボードが置けない、押したいキーまで頻繁に手を動かす動作が面倒などといった悩みも発生します。そのため、ペンタブにはキーの機能を割り当てられるボタン(ショートカットキー)が備わっているモデルがあります。
このショートカットキーの配置や数によって作業の効率が変わってくるため、使いやすそうなモデルを選ぶのがおすすめです。また、単体のテンキーやいわゆる左手デバイスと呼ばれる補助デバイスを使用する方法もあります。

スタンド・モニターアーム対応
机の上のノートに描くのと大きなキャンバスに描くのが異なるように、画面に描き込んでいくイメージの液タブも、画面のサイズや描くジャンル、そして人それぞれのスタイルで使いやすい角度が異なります。液タブはベタ置きで長時間使用すると腰や背中にかかる負担も大きいため、ラクな姿勢で描けるということも大きなポイントです。
大きい液タブになると、付属のスタンドだけでなく、モニターアームに取り付けられるモデルもあります。

板タブモード切替
普段は液タブとして、ディスプレイオフ時には板タブとして使える1台2役で、使用するアプリなどに合わせた使い分けが可能です。

ヨドバシ・ドット・コム おすすめモデルのご紹介
HUION Kamvas 13 (Gen 3)[GS1333]
5つのショートカットキーに加え、拡大・縮小やブラシサイズの調整に便利な2つのダイヤルも搭載。また、電源オフ時には板タブとしても使用することができ、初級~中級まで使いやすいモデルです。
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ワコム Wacom Cintiq Pro 16(2021) [DTH167K0D]
アニメーターなどクリエイターに高い支持を得ているミドルクラスモデル。自然な描き味と繊細なタッチを可能にするWacom Pro Pen 2を同梱し、写真編集や3Dアニメ制作など3つのクリエイティブアプリをダウンロードできます。
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ワコム Wacom One ペンタブレット [CTC6110WLW0D]
多彩なチュートリアルやサービスが付いた、初心者にぴったりのモデル。従来モデルと同じ読取範囲で本体サイズはよりコンパクトに。優先でもワイヤレスでも使用できるため、外出先での作業も快適です。
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XP-PEN Magic Drawing Pad [9494G_JP]
ペンタブレットメーカーからリリースされた、お絵描きのためのタブレットPC。通常のタブレットPCの機能を備えつつ、筆圧感度16384レベル、紙に描くような感触のアンチグレアディスプレイなど液タブとしての使用感にも優れています。
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