ガスグリルバーベキューの上手な楽しみ方

火力調整が簡単で食材を選ばず使え、ゴミも少ないガスグリルによるバーベキュー。手順さえしっかり覚えておけばどなたでも気軽に楽しむことができます。
ここでは、本場アメリカで長年BBQグリルのトップシェアブランドを担っている「Weber(ウェーバー) 」のガスグリルを用いて、準備から片づけまでの流れを解説します。
weber Q
【ウェーバーQ】庭先からキャンプまであらゆるシーンに対応するポータブルグリル

ウェーバーQは、Weberブランドのグリルの中でも最も人気の高いコンパクトなガスグリルです。女性や子どもでも持ち運べるサイズと重量、ボタンを押すだけで簡単に点火できるなど、どなたでも気軽に屋外でのグリル調理が行えます。



[ウェーバーQのおすすめポイント]
ガスグリルバーベキューには、断然ガスボンベタイプがオススメ!

現在日本で販売されているバーベキュー用コンロは、カセットガスを使用するタイプが主流です。カセットガスは容量が少ないため、長時間のバーベキューには予備が必要となります。また、消費を節約するため、強い火力を出せないものがほとんどです。
大容量のガスボンベなら、時間を気にせず強い火力であらゆるレシピを調理できます。8kg容器の場合、ウェーバーQの最大火力で約32時間も使用することができます。
ボンベはレンタルまたは購入して使用することができ、ガスの充填も、カセットガスを買い増すよりもずっとリーズナブルです。
頑丈な鋼製容器が一般的ですが、軽量で残量の確認もしやすいノルウェー・ラガスコ社のFRP容器の取扱いも広がっています。

プロパン(LP)ガスは、全国LPガス供給加盟店ネットワーク又は、最寄りのプロパン(LP)ガス業者にてお買い求めいただけます。

【バーベキューは安全第一を心掛けて】

家族や仲間と、屋外での食事を楽しむバーベキューは開放的な気分になれるひと時ですが、十分な安全管理を怠ってはいけません。
誰もケガや体調不良にならず、またやりたい!と思えるバーベキューにできるよう、ひとりひとりが気を付けるようしましょう。

火

●やけど

火を取り扱うBBQですから、火傷の危険は常にあります。高温のガスの炎や炭の輻射熱は目に見えないので、気づかないうちに近寄りすぎることも考えられます。
化学繊維の服や肌の露出が多い服を着ている方は特に注意が必要です。素早く対処できるよう、バケツ一杯のきれいな水を用意しておきましょう。

刃物

●ケガ

包丁やナイフ、串など、取扱いを間違えると危険なものが多いのもBBQです。着火剤なども、使用方法を間違えると思わぬケガに繋がります。
また、子どもが箸を咥えたまま走り回ったり危険な場所に近づかないよう、大人はしっかり見守りましょう。

食品

●食中毒

食品の衛生面にも十分な配慮を。食材には手で直接触れずに、箸やトングを使用します。生ものと調理済みのものとで同じ食器やツールを使うことがないように気を付けてください。また、手で細かい作業を行う時は、使い捨てのビニール手袋が便利です。
食材も、クーラーボックスを正しく使用し、直射日光を避けて適切な管理を行いましょう。

日差し

●熱射病

日焼けや熱中症を避けるために、BBQにはタープを持参されることをおすすめします。
万が一体調不良を訴える方が出たときのために、風通しがよく涼しい、横になれるスペースを確保しておくと安心です。

グリルの準備はとてもカンタン!

グリル・テーブルはしっかり安定した場所に置きましょう。続いてガスボンベとグリルをチューブで接続します。ボンベは充分に耐熱性があるので、あまりグリルから離さなくても問題はありませんが、横にして置いてはいけません。
調理中に出た油や炭は、中央の穴から下のトレイに落ちる仕組みになっています。トレイのセッティングを忘れないようにしてください。


ウェーバーQは正面から見て左側に点火スイッチ、右側に火力調節ツマミがあります。
ツマミを最大火力にし、スイッチを押すことで点火できます。一度で点かない場合もあるので、カチカチと点火するまで何度か押します。

また、グリルのフタは点火するまで開けたままにしておきます。
ツマミを開けるとガスがグリル内に充満し、フタをしたまま火を点けると中で小さな爆発が起きてしまうためです。
危険はありませんが、鋳造アルミ製のフタが勢いよく閉まる時はかなり大きな音がします。注意してください。


点火できたかを確認するには、バーナーチューブの中央にあるスリットを見ます。
高温の炎は目に見えにくいのですが、このスリットからは断続的に低温の赤っぽい炎が出ます。
点火ができたら、フタをしてしっかりグリル内を熱します。
その間約15分ほど。乾杯やオードブルを楽しみつつ、気長に待ちましょう。



ピットマスターとなって、バーベキューを盛り上げよう!

ミシシッピテストで、温度を確認

ミシシッピテストとは、アメリカで考えられた方法で、温度計の無い場合でも温度を推測できる技術です。
焼き網の上20cm程度の所に手をかざし、「ワンミシシッピ、トゥミシシッピ、スリーミシシッピ・・・」とカウントします。
トゥミシシッピかスリーミシシッピあたりで限界なら、かなりの高温(230℃以上)で、直火で肉を焼くとすぐに焦げてしまう火の強さです。4~5ミシシッピまで数えられるなら中温域(170~200℃)、10以上数えられれば低温域(140℃以下)だと推測できます。
熱の感じ方にはそれほど個人差がなく、網との距離さえ守られていれば、誰でもおおよそ正確に測ることが可能です。
また、ウェーバーQの温度計付きモデルはフタをした状態でのグリル内温度を正確に表示できるため、非常に便利です。

ガスグリルでの調理は、温度と時間の管理が重要!

グリルが充分に温まったら、いよいよ調理開始です。
炭火と比べ火力の弱いガスグリルは、フタを閉めて食材全体から火を通すカバードバーベキューが基本。
ウェーバーQは、熱が循環しやすいカーブを描いたデザインで、ムラなく効率的に焼き上げます。

カバードバーベキューのコツは、食材に合わせて適切な火力と時間を設定して、気長に待つこと。 待ち時間の途中でむやみにふたを開けたりすると、熱対流が妨げられ、ベストな焼き上がりになってくれません。
そこで重要になるのが、「ピットマスター」と呼ばれる料理番。ガスグリルバーベキューでは時間の管理を行い、肉を返すタイミングや焼き上がりを見るのが役割です。

こまめな清掃が、美味しいバーベキューの秘訣!

一度網の上の肉が焼きあがったら、すぐ次に取り掛かろうとしてはいないでしょうか。それでは、前の肉のソースや焦げが、次の肉にもついてしまいます。食材ごとの味をよりおいしく味わうためには、焼く前に網をきれいにすることが大事です。
網の隙間まで掃除できる「グリルブラシ」は、バーベキューに欠かせないツールです。網に残ったソースや油をある程度炭化させたら、このグリルブラシでこそぎ落とします。この行程をまめに行えるのが、できるピットマスターといえます。
次から次にせわしなく焼くのではなく、こういった待ち時間にゆったりお酒や会話を楽しむのが、本当のバーベキューの醍醐味なのです。
しばらくグリルを使わない時は、ガス節約と事故防止のために火を消しておきましょう。炭火のBBQに慣れているとつい忘れがちになりますので、ご注意ください。再点火した後は、改めてグリルが適温になるまでしばしお待ちください。

■おいしく調理する基本テクニックを一部ご紹介


●シーズニングはたっぷりと

分厚い食材ほど、中まで味を染み込ませるのは難しくなります。味付けは少しやりすぎなくらいでも、焼き上がれば丁度よくなります。また、淡泊な鶏肉などはあらかじめオリーブオイルを塗って寝かせておくとより効果的です。

●食材に合わせてツールを使う

例えば、遠火でじっくり火を通すローストのためのラック式の網や、焼き網にこびりつきやすい魚などに使用する細いワイヤーデザインの網といった調理ツールを通常の焼き網と使い分けることで、味も見栄えも一段と良くなります。

●焼いた肉は少し休ませる

ローストや大きめの肉は、焼き上がった切り分ける前にアルミホイルをかぶせて3~5分ほど休ませることで、肉の温度が内部まで浸透し、さらにジューシーな味わいになります。

●肉の中心温度をチェック

大きめの豚や鶏、魚丸ごとなど、しっかり火を通す必要のあるものは料理用温度計が適切な内部温度を示すまで焼きます。内部の温度が上がりすぎてもパサつきの元となるので、調理時間の目安を守ることが重要になります。



【本格的なバーベキュー料理はこちらをチェック!】

▼食材の最適な焼き時間などはこちらから
▼オシャレでおいしいバーベキューレシピをご紹介



■ピットマスター必携バーベキューツール










次回に備えて、後片付けをしっかりと!

ガスグリルなら、消火はツマミを回すだけ

チャコールグリルと違い、面倒な炭の始末も必要ありません。消火したら、ガスボンベの元栓も忘れずに締めましょう。

グリルの清掃と片付けは迅速に

グリルやフタに塩やソースを付着させたままにしておくと、錆びの原因となります。使用後は早めに汚れを落とし、よく乾燥させることが大切です。
網はしばらく熱して、付着したものを炭化させます。その後、グリルブラシですみずみまで掃除します。
グリル下部とフタはある程度熱が取れたら、冷め切る前にブラシとスクレーパーを使い中央の穴から汚れを落とします。
(バーナーチューブは他の部分と比べて温度が高いままになっていることがあります。ご注意ください。)
油汚れが気になる場合は中性洗剤と柔らかいスポンジで落とし、最後にキッチンペーパーなどで水気を拭き取ってください。




≪ マナーを守って、バーベキューを締めくくりましょう ≫
バーベキューで出たゴミは、しっかり分別して、ルールに従って処分しましょう。
「来たときよりも美しく」これがバーベキューの鉄則です。