チャコール(炭火)バーベキューの上手な楽しみ方

日本では馴染み深い、炭火で調理するチャコールバーベキュー。準備や火加減が難しいチャコールですが、ちょっとしたコツでもっとおいしくバーベキューを楽しめます。
ここでは、本場アメリカで、長年BBQグリルのトップシェアブランドを担っている「Weber(ウェーバー) 」のチャコールグリルを用いて、準備から片づけまでの流れを解説します。
オリジナルケトル
【ウェーバー オリジナルケトル】炭火の熱を効率的に循環させるWeberのベストセラー

Weberのオリジナルケトルは、フタをかぶせて調理を行うカバードバーベキュー方式。独特の丸いグリルが熱を効率的に循環させて食材を間接的に加熱し、分厚い肉も中までじっくりと火を通すことができます。


ヨドバシカメラで取り扱っているオリジナルケトルの焼き網は、日本の厳しい衛生基準をクリアした安全・安心な国内正規品です。並行輸入品とは仕様が異なります。


[オリジナルケトルのおすすめポイント]

【バーベキューは安全第一を心掛けて】

家族や仲間と、屋外での食事を楽しむバーベキューは開放的な気分になれるひと時ですが、十分な安全管理を怠ってはいけません。
誰もケガや体調不良にならず、またやりたい!と思えるバーベキューにできるよう、ひとりひとりが気を付けるようしましょう。

火

●やけど

火を取り扱うBBQですから、火傷の危険は常にあります。高温のガスの炎や炭の輻射熱は目に見えないので、気づかないうちに近寄りすぎることも考えられます。
化学繊維の服や肌の露出が多い服を着ている方は特に注意が必要です。素早く対処できるよう、バケツ一杯のきれいな水を用意しておきましょう。

刃物

●ケガ

包丁やナイフ、串など、取扱いを間違えると危険なものが多いのもBBQです。着火剤なども、使用方法を間違えると思わぬケガに繋がります。
また、子どもが箸を咥えたまま走り回ったり危険な場所に近づかないよう、大人はしっかり見守りましょう。

食品

●食中毒

食品の衛生面にも十分な配慮を。食材には手で直接触れずに、箸やトングを使用します。生ものと調理済みのものとで同じ食器やツールを使うことがないように気を付けてください。また、手で細かい作業を行う時は、使い捨てのビニール手袋が便利です。
食材も、クーラーボックスを正しく使用し、直射日光を避けて適切な管理を行いましょう。

日差し

●熱射病

日焼けや熱中症を避けるために、BBQにはタープを持参されることをおすすめします。
万が一体調不良を訴える方が出たときのために、風通しがよく涼しい、横になれるスペースを確保しておくと安心です。

グリルの準備

チャコールバーベキューは、炭選びがとても重要!

チャコールバーベキューにありがちな失敗として、炭の選択ミスが挙げられます。炭には燃焼しやすいものと持続性の高いものとがあり、バーベキューを始めるには燃焼しやすい炭を選ぶ必要があります。
時間をかけて備長炭のようなしっかりした炭を熾すより、小ぶりで燃えやすい炭を継ぎ足す方がバーベキュー向きです。
注意すべき点として、炭は湿気を吸いやすいため、長期保管していた炭を使用する時には、予め天日でよく乾かす必要があります。

> 炭・薪はこちら

火おこしの強い味方【ラピッドチムニースターター】

チムニースターターは炭を中に入れ、火種の上に置いておくだけで簡単に炭を燃やすことができます。
Weberのチムニースターターは火種を置く下段だけでなく炭を入れる上段にも吸気口を設けており、燃焼で消費した酸素を取り込んで素早く火が行きわたる仕様になっています。いままで団扇で必死にやっていた作業を、自動で、しかも効率的に行ってくれるわけです。
チムニースターター最上部の炭が全体的に白くなってきたら準備完了。また、燃えにくい炭は燃えやすい炭の上に載せることで燃焼させやすくするすることができます。

チムニースターター1
チムニースターターにこぶし大程度の炭をたっぷり入れます。
チムニースターター2
グリルで火種を燃やし、上にチムニースターターを載せると、外気を取り込みながらあっという間に火が上がります。
チムニースターター3
少し白っぽくなってきました。焦らずに天辺が白くなるまでもう少し待ちます。
チムニースターター4
頃合いになったら炭をグリルの中に空け、並べ始めます。
チムニースターターを使わずに炭を熾すなら

チムニースターターを使わず、従来通り火種や着火剤のみで炭を熾すときは、空気の通り道をしっかり確保することが大切です。大きい炭は使わずこぶし大までの大きさの炭を火種の上に重ねていきます。火に当たる面と隙間ができるだけ多くなるようにします。火種によく使われる新聞紙なども、雑巾を絞るように小さくせず、軽くくしゃくしゃに丸めるぐらいのほうが大きな火にすることができます。
また、ガストーチで強い火力を炭に当てて点火する方法もあります。ガストーチは炙り料理にも使えるので、1本用意しておいてもいいかもしれません。
どちらの方法も一ヵ所に火が点けば終わりではなく、全体に火が行きわたるまで絶え間なく空気を送り続ける必要があります。チムニースターターの最大の利点は、この作業の時間を自由に使えることなのです。

ピットマスターとなって、バーベキューを盛り上げよう!

ミシシッピテストで、温度を確認

ミシシッピテストとは、アメリカで考えられた方法で、温度計の無い場合でも温度を推測できる技術です。
焼き網の上20cm程度の所に手をかざし、「ワンミシシッピ、トゥミシシッピ、スリーミシシッピ・・・」とカウントします。
トゥミシシッピかスリーミシシッピあたりで限界なら、かなりの高温(230℃以上)で、直火で肉を焼くとすぐに焦げてしまう火の強さです。4~5ミシシッピまで数えられるなら中温域(170~200℃)、10以上数えられれば低温域(140℃以下)だと推測できます。
熱の感じ方にはそれほど個人差がなく、網との距離さえ守られていれば、誰でもおおよそ正確に測ることが可能です。
炭火のコンディションは時間と共に変化するため、こまめなチェックが必要です。


こまめな清掃が、美味しいバーベキューの秘訣!

一度網の上の肉が焼きあがったら、すぐ次に取り掛かろうとしてはいないでしょうか。それでは、前の肉のソースや焦げが、次の肉にもついてしまいます。食材ごとの味をよりおいしく味わうためには、焼く前に網をきれいにすることが大事です。
網の隙間まで掃除できる「グリルブラシ」は、バーベキューに欠かせないツールです。網に残ったソースや油をある程度炭化させたら、このグリルブラシでこそぎ落とします。この行程をまめに行えるのが、できるピットマスターといえます。
次から次にせわしなく焼くのではなく、こういった待ち時間にゆったりお酒や会話を楽しむのが、本当のバーベキューの醍醐味なのです。

料理に合わせて火力をコントロール!

バーベキューにおける料理番のことを「ピットマスター」と呼びます。
ピットマスターは調理はもちろん、グリルと炭の管理も一手に担います。チャコールBBQでは食材やレシピに合った火加減で調理することが最も重要だからです。
炭のレイアウトをマスターすれば、これまで頭を悩ませていた生焼けや焼き過ぎといった失敗を防ぐことができます。手の込んだレシピも焼き時間の管理を徹底するだけで、おいしく調理することができるようになります。

▼代表的なチャコールレイアウト

炭を重ねた「強火ゾーン」
肉の表面を焼き固めて肉汁を閉じ込める時に。

炭をフラットに敷く「中火ゾーン」
メインのクッキングゾーンとして使用します。

炭を置かない「弱火ゾーン」
焼きあがった食材の退避や、間接焼きの調理に。



スリーゾーンファイヤー
ツーゾーンファイヤー
スプリットツーゾーンファイヤー
ワンゾーンファイヤー


チャコールレイアウトをより簡単に【チャコールホルダー】

炭を多く安定して入れられるチャコールホルダーなら、配置の変更も簡単に行えます。
また、トングで転がしていると削れて灰になっていってしまう炭を長時間有効に使えるので、一石二鳥です。



バーベキューグリルは断然フタ付きタイプがおすすめ!

炭のレイアウトを工夫して火力を調整しても、下方向からしか加熱できないと、ムラなく火を通すのは難しいものです。
フタつきタイプのグリルなら、発生した熱を逃がさず、食材に対して全方向から加熱し、蒸し焼きにすることができます。
また、ステンレスマグなどに水を少量入れて一緒に加熱することで野菜のパサつきを防いだり、スモークチップを焚いてラム肉などのクセのある食材に香りづけしたりと、いつもの食材をよりおいしく食べるための工夫が手間なく行えます。
もちろん、ただ熱をこもらせるだけでなく循環させることで、より効果は高くなります。
Weberはグリルの底とフタの天井部に、開閉できる通気孔がついています。取り込む空気の量によって温度調節がしやすく、空気の循環も考慮された設計です。

■おいしく調理する基本テクニックを一部ご紹介


●シーズニングはたっぷりと

分厚い食材ほど、中まで味を染み込ませるのは難しくなります。味付けは少しやりすぎなくらいでも、焼き上がれば丁度よくなります。また、淡泊な鶏肉などはあらかじめオリーブオイルを塗って寝かせておくとより効果的です。

●食材に合わせてツールを使う

例えば、遠火でじっくり火を通すローストのためのラック式の網や、焼き網にこびりつきやすい魚などに使用する細いワイヤーデザインの網といった調理ツールを通常の焼き網と使い分けることで、味も見栄えも一段と良くなります。

●焼いた肉は少し休ませる

ローストや大きめの肉は、焼き上がった切り分ける前にアルミホイルをかぶせて3~5分ほど休ませることで、肉の温度が内部まで浸透し、さらにジューシーな味わいになります。

●肉の中心温度をチェック

大きめの豚や鶏、魚丸ごとなど、しっかり火を通す必要のあるものは料理用温度計が適切な内部温度を示すまで焼きます。内部の温度が上がりすぎてもパサつきの元となるので、調理時間の目安を守ることが重要になります。



【本格的なバーベキュー料理はこちらをチェック!】

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▼オシャレでおいしいバーベキューレシピをご紹介
■ピットマスター必携バーベキューツール










次回に備えて、後片付けをしっかりと!

網・鉄板の清掃は迅速に、炭とグリルは落ち着いてから

網・鉄板はしばらく熱して、付着したものを炭化させ、グリルブラシですみずみまで掃除します。熱いうちに水をかけると歪んでしまうこともあるので注意してください。
一度熾きた炭は簡単には消ないので、火消し壷に移しフタをします。酸素が遮断されれば自ずと消火されます。
通気口を塞げるフタつきのグリルも、同様に酸素が入らないようにして消火させましょう。
消火が済んだ「消し炭」はリサイクルできます。火の付きが良いので、次回の火おこしにかかる時間を短縮できます。

消火した炭は、大小にかかわらず、決して地面に埋めて帰ってはいけません。炭は微生物に分解されにくく、環境破壊に直結するためです。炭の回収所があるバーベキュー場は所定の場所へ。ない場合は火消し壷に入れるなどして、後で燃えるゴミとして出しましょう。



グリルは自然に冷めるのを待ってから

グリルを冷まそうとして水をかけてしまうと、高温の蒸気や灰が舞うため危険です。ある程度熱が取れるまで、用具の片付けなどをして待ちましょう。
グリルの油汚れは、細かい灰をまぶしてこするときれいに取れます。油や塩分による汚れは錆び・腐食の原因となりますので、グリル本体だけでなくフタもしっかり汚れを落としましょう。




≪ マナーを守って、バーベキューを締めくくりましょう ≫
バーベキューで出たゴミは、しっかり分別して、ルールに従って処分しましょう。
「来たときよりも美しく」これがバーベキューの鉄則です。