ガリレオの迷宮―自然は数学の言語で書かれているか? [単行本]
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ガリレオの迷宮―自然は数学の言語で書かれているか? [単行本]

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出版社:共立出版
販売開始日: 2006/05/25
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ガリレオの迷宮―自然は数学の言語で書かれているか? の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    自然を数学的に解明する際にガリレオは様々な困難に直面した。その研究上の歩みは、迷路の中を彷徨うものであり、ガリレオを長い間捉えていた。これが「第1の迷宮」である。本書はガリレオ運動論の形成過程を歴史的に再構成することで、その迷宮の構造を解明する。また近代科学的な世界理解の基本様式は、現代の我々をも捉えている。その創設者の一人がガリレオであったという意味では、近代科学そのものが「第2の迷宮」となる。
  • 目次

    第1章 ガリレオ運動論の発展段階―分析方法と本書の構成―
      1.1 ガリレオ手稿分析の方法
      1.2 理論発展の五段階
      1.3 補説:ガリレオ手稿72の内容と伝承

    第2章 迷宮への入口―1604年―
      2.1 サルピ宛ての書簡(1604年10月16日)
      2.2 ガリレオの数学的言語:比例論
        2.2.1 比の相等性(および大きな比)の定義
        2.2.2 比の合成
      2.3 探求の転回点と誤謬推理:手稿128rvおよび85vの分析
      2.4 サルピ宛て書簡から得られる歴史的再構成の鍵

    第3章 迷宮の手前で―初期の研究(1590年~1604年)―
      3.0 概  観
      3.1 『運動論』(De Motu)の運動分析
        3.1.1 『運動論』で扱われたトピックス
        3.1.2 『運動論』の注目すべき成果
          A.運動の規則
          B.斜面上の速さの規則
          C.ガリレオの「円慣性」
      3.2 『機械学』の諸概念:特に「モメント」の概念
      3.3 振子の等時性とその証明の試み
        3.3.1 グィドバルド・デル・モンテ宛ての書簡(1602年11月29日)
        3.3.2 「弦の規則」の機械学的証明:手稿151rの分析
      3.4 時間二乗則(S∝T2)の発見をめぐって
        3.4.1 諸説の吟味
        3.4.2 手稿107vの実験の検討

    第4章 迷宮での彷徨1―前期の研究(1604年~1610年)―
      4.0 概  観
      4.1 一時的な難関突破から再び迷宮の深部へ
        4.1.1 手稿163vの検討
        4.1.2 手稿152rの新解釈
      4.2 移行段階:全体速度概念の問題
        4.2.1 機械学的概念による全体速度概念の再考:手稿164vと172vの検討
        4.2.2 全体速度概念の深刻な問題:手稿147rと177vrの検討
        4.2.3 『二大世界系対話』(1632年)からの証言
      4.3 第二の一時的な難関突破:「ガリレオの公準」
        4.3.1 「ガリレオの公準」の出現:手稿179rvの検討
        4.3.2 公準のより深い根拠を求めて:ヴァレリオの書簡(1609年7月18日)
      4.4 解決不可能な謎:手稿116vの実験
      4.5 ガリレオの著述計画:ヴィンタ首相宛ての書簡(1610年5月7日)

    第5章 迷宮での彷徨2―中期の研究(1610年~1625年)―
      5.0 概  観
      5.1 アリゲッティとグィドゥッチ作成の清書原稿
        5.1.1 清書原稿の作成作業
        5.1.2 清書原稿の理論的成果
      5.2 理論的成果の検討
        5.2.1 「時間二乗則の応用」の命題化:手稿178r(=164r1)と49rの分析
        5.2.2 基本三規則の関係
          A.「時間二乗則」と関連手稿:手稿85v,128rvと50r(=147r)の分析
          B.「斜面の長さ・時間の比例則」と関連手稿:手稿60r(=163v2),88vr(=179r)と38rの分析
          C.「弦の規則」と関連手稿:手稿48r(=172r1),47r(=172r2),35rv,151rと160rの分析
        5.2.3 理論的基礎付けの問題:3つの可能性
        5.2.4 「弦の規則」の新しい基礎付け:手稿35rvと189v2の検討
      5.3 新しい可能性の出現:誤った原理の廃棄に向けて

    第6章 迷宮からの脱出―1625年頃―
      6.0 概  観
      6.1 「倍距離則」と関連手稿:手稿181r(=163v1),65rと85rの分析
        6.1.1 古い「倍距離則」:手稿181r(=163v1)と65r
        6.1.2 新しい「倍距離則」:85rの分析
      6.2 誤った原理から正しい原理への移行
        6.2.1 手稿91vと79vにおける正しい原理の吟味
        6.2.2 『二大世界系対話』における正しい原理の出現

    第7章 迷宮を後にして―後期の研究(1625年~1638年)―
      7.0 概  観
      7.1 『二大世界系対話』(1632)の運動論
        7.1.1 「ガリレオの相対性原理」
        7.1.2 「速さの合成則」と自由落下
        7.1.3 コペルニクス地動説に利するガリレオの「正しくない」運動論議
      7.2 『新科学論議』(1638)における運動論の全体的構成
      7.3 変装した「倍距離則」:第2部命題1の出現
        7.3.1 第2部命題1の吟味
        7.3.2 「マートン規則」との無関係性
        7.3.3 「位置運動論」第1部:均等運動論
      7.4 『新科学論議』の諸命題とガリレオ手稿72
      7.5 「位置運動論」第3部:投射体運動論
        7.5.1 投射体のパラボラ軌道
          A.第3部命題1の検討
          B.アントニオ・デ・メディチ宛ての書簡(1609年2月11日)
        7.5.2 投射体運動論の展開
          A.投射体運動論の基礎的諸概念と命題
          B.理論的成果:最大射程距離の決定と射程表の作成

    第8章 残された問い―晩期の研究(1638年~1642年)―
      8.0 概  観
      8.1 残された問い
        8.1.1 「ガリレオの公準」の根拠付け
        8.1.2 パラボラ軌道の分析方法について
        8.1.3 衝撃力について
      8.2 ガリレオ運動論への反響と応答
        8.2.1 原理的な批判:メルセンヌ宛てのデカルト書簡(1638年10月11日)
        8.2.2 方法論的な批判に対して:カルカヴィ宛ての書簡(1637年6月5日)とバリアーニ宛ての書簡(1639年1月7日)

    第9章 ガリレオ運動論の方法―その歴史的意義と問題性―
      9.0 概  観
      9.1 数学的自然学の基本的構図
        9.1.1 ステップ(1):理想化あるいは抽象化
        9.1.2 ステップ(2):数学的方法
        9.1.3 ステップ(3):実験的方法
      9.2 アルキメデス主義者・ガリレオ
      9.3 近代科学の世界把握:もう一つの迷宮
        9.3.1 機械論的自然観の形成に向かって
        9.3.2 ダイダロスとミノタウロス

    あとがき
    参考文献
    索  引
  • 出版社からのコメント

    ガリレオ手稿の解読が開く科学史の新地平
  • 内容紹介

     本書は、ガリレオ手稿72(『ガリレオ全集』に未収録の写本を含む)を、まったく新たな視点から徹底的に分析し、ガリレオの運動論形成過程について通説を覆す新説を提出した。
     今日、「数理物理学」において自明視されている自然観や科学方法論がガリレオにおいてはじめて立ち現れてくる場面を詳しく分析した。「自然は数学の言語で書かれている」とのガリレオの名言の背後には「数学」と「自然学」の二つの学問を統合するという理念上の困難が隠れている。その困難を克服する歩みは、迷宮での彷徨になぞらえられる。

    ◆第60回毎日出版文化賞受賞(自然科学部門)◆
    《選評》 村上陽一郎氏(第60回選考委員:国際基督教大学教授)
    (2006年11月3日 毎日新聞朝刊より引用)

    ◇手探りの過程 丹念に
     ガリレオは近代科学者として理解されることが多い。確かに彼の提唱したアイデアのいくつかは、後の物理学の考え方に連なる。しかし彼の頭脳が先人と全く異なる近代科学的なそれに切り替わっていたわけではなく、手探りの迷路を歩むが如き試行錯誤のなかで、時に科学的に見ての正解に辿りつき、時に過ちに陥ったりしていた事情を、丹念な文献の分析から明らかにした労作が本書である。
     文献と一言で書いてしまったが、一応定本とされる「全集」がイタリアで編まれた際に、位置づけが不詳だったために、収録されなかったり、不完全な形でしか取り込まれなかったりした手稿がかなり残ってきた。それらに先鞭を付けた研究者も勿論すでにいるが、著者はそうした先行研究を批判的に継承しながら、独自の解釈を本書で打ち立てる。その意味で、本書の成果は文字通り国際的な性格のものである。こうした篤実な研究が生まれたことを、心から喜ぶと同時に、この困難な出版事情下にあって、本書のような書物に刊行の機会を与えられた書肆にも拍手を送りたい。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    高橋 憲一(タカハシ ケンイチ)
    1946年生まれ。1979年東京大学大学院理学系研究科修了。九州大学大学院比較社会文化研究院教授、理学博士。専門、科学史

ガリレオの迷宮―自然は数学の言語で書かれているか? の商品スペック

商品仕様
出版社名:共立出版
著者名:高橋 憲一(著)
発行年月日:2006/05/25
ISBN-10:4320005694
ISBN-13:9784320005693
判型:A5
対象:専門
発行形態:単行本
内容:自然科学総記
言語:日本語
ページ数:542ページ
縦:22cm
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