内なる他者のフォークロア [単行本]

内なる他者のフォークロア [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  “内なる他者”をめぐる差別への欲望とは何か。柳田国男以降、差別にまつわるフォークロアが本格的に問われることは稀だった。だが、つねに批判されてきた民俗学的な知の系譜のなかに、ほそぼそとではあれ、差別のフォークロアの萌芽が埋もれている。天皇と被差別民の起源をめぐる問いとは？沖縄、東北の差別とは？先人たちの差別論にかかわる仕事を掘り起こし、あらたな思索を開く。

• 目次

  　はじめに
  
  第一章 差別のフォークロア
  　Ⅰ　柳田国男 漂泊から定住へ
  　　1 差別/ある切断から
  　　2 家筋/漂泊と定住のはざまに
  　　3 穢れ/宗教的な交易として
  　Ⅱ　折口信夫 はじめにマレビトありき
  　　1 沖縄へ/特殊部落がなかった
  　　2 聖痕/はじまりの場所から
  　　3 ホカヒビト/寿詞を携え歩いた人々
  　Ⅲ　赤松啓介 ムラという多様性
  　　1 同郷/柳田民俗学への批判
  　　2 スジ/フォークロアの昏がりへ
  　　3 多様性/破砕帯または中間のムラ
  　Ⅳ　宮本常一 常民の誕生
  　　1 橋の下/ある乞食の肖像から
  　　2 嫁盗み/性的アウトローの誕生
  　　3 百姓/家-ムラ-世間の幻想系
  　Ⅴ　宮田登 文化としての差別
  　　1 常民/一国民俗学を越えて
  　　2 神の血/ケガレを無化するために
  　　3 河原巻物/シラからスジへ
  
  第二章 王とヒジリの物語へ
  　Ⅰ　ヒジリと毛坊主
  　　1 毛坊主の封印をほどく
  　　2 ヒジリとしての天皇
  　　3 ヒジリ零落のはてに
  　Ⅱ　流離する王の物語
  　　1 流され王から貴種流離譚へ
  　　2 貴種流離譚の原像
  　　3 民衆のなかの天皇信仰
  
  第三章 菅江真澄，白太夫の子孫の旅
  　1 真澄/白太夫の子孫として
  　2 東北から/移植された被差別部落
  　3 芸能/万歳・ゑんぶりずり・田植踊り
  　4 遊女/くぐつ・浜のおば・こもかぶり
  　5 巫女/イタコ・口寄せ・オシラ神
  
  第四章 異邦人のまなざしのもとに
  　Ⅰ　美しき未開人の肖像
  　　1 東洋の未開人/西洋の文明人
  　　2 アジア的/ヨーロッパ的
  　　3 洗練された差別/野蛮な差別
  　Ⅱ　異質なるもの，汝の名は
  　　1 穏やかで/深く迷信的な偶像崇拝
  　　2 哀れに/心打つものを前にして
  　　3 神道の信者であるが/なんでもない人
  　　4 なにも宗教思想のない/民族のなかで
  
  終　章 内なる他者をめぐる断章
  
  　あとがき
  　参考文献
  　初　出

• 出版社からのコメント

  知られざる差別の史層を掘る

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  赤坂 憲雄(アカサカ ノリオ)
  １９５３年東京都に生まれる。東京大学文学部卒業。東北芸術工科大学東北文化研究センター所長。福島県立博物館館長。専門は日本思想史・東北文化論。著書に『岡本太郎の見た日本』（岩波書店。第１７回ドゥマゴ文学賞受賞、２００７年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞）など多数

• 著者について

  赤坂 憲雄 (アカサカ ノリオ)
  赤坂 憲雄 (あかさか のりお)
  1953年東京都に生まれる．東京大学文学部卒業．東北芸術工科大学東北文化研究センター所長．福島県立博物館館長．専門は日本思想史・東北文化論．
  著書に『異人論序説』『排除の現象学』『王と天皇』(ちくま学芸文庫)，『境界の発生』『子守り唄の誕生』『結社と王権』(講談社学術文庫)，『山の精神史』『漂泊の精神史』『海の精神史』(小学館)，『東北学へ』1～3(作品社)，『東西/南北考』(岩波新書)，『岡本太郎の見た日本』(岩波書店．第17回ドゥマゴ文学賞受賞，2007年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞)，『いくつもの日本』全7巻(編著，岩波書店)など多数．

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