荒廃のカルテ―少年鑑別番号1589(追跡ルポルタージュ 少年たちの未来〈1〉) [単行本]

荒廃のカルテ―少年鑑別番号1589(追跡ルポルタージュ 少年たちの未来〈1〉) の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  ずっと乳児院で育てられた彼は、親に無条件で抱きしめられ、信頼して甘えるという体験を知らなかった。それどころか、保母からの虐待やいじめを受け続けていた。１９８３年に発生した「女子大生暴行殺人事件」の少年犯の生い立ちを追跡。

• 目次

  まえがき
  第1章 高裁803号法廷
  殺すつもりはなかった/銭湯帰りの女性を狙う/失神させないと……/強い不遇感、抑圧感/女性の絵に強く反応/4年以上だったらお礼する/ノートに綿密な犯行計画/人間関係つくれぬ典型例
  
  第2章 甘えが封殺されて
  母親が服役中に出産/独り寂しく哺乳瓶を/乳児院で罰の刻印が/赤ちゃんに退行した小学生/産むなと言われて
  
  第3章 養護施設の日々
  目立った発達の遅れ/顔以外、全部殴られた/頼りにならない職員たち/むかつくんだよー/他山の石にと緊急連絡/院長代理追放で混乱へ/夜になると奇妙な行動
  
  第4章 不信と孤立のなかで
  親の過剰期待はリンチ/孤立深めて中学卒業/愛される人間に、と母/深夜に出かけ強盗未遂/テレビニュースがヒント/異常な性体験/衝動を我慢できず/感情欠如こそ大きな問題
  
  第5章 1審判決
  証言台に立つ修/心証など無関係に発言/反省心ないと決めつける/自分でもわからないです/感情をいらだたせる裁判官/状況判断できぬ正直さ/検察側の主張を全面採用
  
  第6章 人となる日に
  写真見てると足は施設へ/母親との再会が転機に/父親に連れられて初体験/修はウチの子たちと同じ/閉じた心に体当たりで対決/初めて考えることを教わる/人間回復の芽はあるか/果物だったら食べると修/だれがあんな修にしたの/お粗末な行政側の対応/更生可能の修に裁判の壁
  
  第7章 社会が裁かれるとき
  だれが修を非難できるのか/山の写真が欲しい/親の姿が心の支えに/抱きしめてやりたい/影響大きい育児法/母親を厳しく問う手紙も/共働きと子育て/控訴棄却の判決
  
  あとがき

• 出版社からのコメント

  少年は虐待の被害者だった。

• 内容紹介

  ずっと乳児院で育てられた彼は、親に甘え、無条件に抱きしめられるような依存体験がない。さらには施設でのいじめや虐待を受け続けていた。
  自立への道を断たれた少年が「生きていて何一つ楽しい思いはなかった」と法廷で告白するまで。
  1983年に発生した「女子大生暴行殺人事件」の少年犯の生い立ちを追跡。

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  横川 和夫(ヨコカワ カズオ)
  １９３７年、小樽市生まれ。６０年、共同通信社入社。７２年に文部省（現文科省）を担当して学校教育のあり方に疑問を感じ、教育問題、学校や家庭から疎外された少年少女、さらには家族の問題を中心に、日本社会の矛盾が表出する現場を一貫して追い続けてきた。論説兼編集委員を経て現在はフリー・ジャーナリスト。著書「仮面の家＝先生夫婦はなぜ息子を殺したのか＝」（共同通信社刊）で９３年度日本新聞協会賞を受賞

• 著者について

  横川 和夫 (ヨコカワ カズオ)
  1937年、小樽市生まれ。60年、共同通信社入社。72年に文部省(現文科省)を担当して学校教育のあり方に疑問を感じ、教育問題、学校や家庭から疎外された少年少女、さらには家族の問題を中心に、日本社会の矛盾が表出する現場を一貫して追い続けてきた。論説兼編集委員を経て現在はフリー・ジャーナリスト。著書「仮面の家=先生夫婦はなぜ息子を殺したのか=」(共同通信社刊)で93年度日本新聞協会賞を受賞。

荒廃のカルテ―少年鑑別番号1589(追跡ルポルタージュ 少年たちの未来〈1〉) の商品スペック