シェイクスピアの四悲劇 [単行本]

シェイクスピアの四悲劇 [単行本] の 商品概要

• 目次

  注釈者はしがき
  
  Introduction
  
  １.　Romeo and Juliet
  
  ２.　Julius Caesar
  
  ３.　Hamlet
  
  ４.　King Lear
  
  Notes

• 出版社からのコメント

  単に「あらすじ」をたどる従来の物語とは異なり，原作を忠実に追い，ひとつの場面も洩らさずに描いた代表的な４悲劇。

• 内容紹介

  【はしがき】
  
  　ミルワード教授のこの新しい「シェイクスピア物語」には，ラムをはじめ今までの「物語」には見られない新鮮な特徴がいくつもあるが，中でもいちばん大きなのは，単に話の筋の大よそをたどるのではなく，原作の各場面をひとつひとつ，忠実に追って話を進めているということだろう．
  
  　シェイクスピアの戯曲には，よく知られているように，ほとんどみな種本がある．（本書に収められた４作もむろん例外ではない．）だから，シェイクスピアの荒筋をなぞっただけでは，シェイクスピアの苦心の脚色を切り捨てて，もとの種本に逆もどりしているにすぎなくなる．ところが今度のこの「物語」は，シェイクスピアの戯曲の流れを，ひとつの場面も洩らさずに実に細心にたどってある．これなら，シェイクスピアのドラマのダイナミックなリズムが十二分にうかがえる．これはもう，単なる「荒筋」などというものではない．
  
  　そこで注記にあたっても，慣用的な語法とか，表現についての注のほか，内容を理解するうえで参考になるかと思われる点に多少の注意をはらったつもりである．時には劇のテーマに関する問題にまで触れたところもある．適当に取捨して利用していただければ幸いである．
  
  　というのも，この「物語」が原作の流れを実によく伝えているので，ついそんなことまで書いてみる気にならざるをえなかったのである．これを読んで，読者が少しでもシェイクスピアのおもしろみを感じ取り，よし，原作を読んでみよう，という気持になっていただければ，注釈者はもちろん，ミルワード教授にとっても，それがいちばんうれしいことのはずだと思う．ラムの「物語」では，なんだ，シェイクスピアなんてこんな他愛のないものか，という誤解を招きかねないが，このミルワード版なら，かならずや読者を原作に向かわせるにちがいない．
  
  注釈者　安西　徹雄

シェイクスピアの四悲劇 [単行本] の商品スペック