恋愛小説の誕生―ロマンス・消費・いき [単行本]
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恋愛小説の誕生―ロマンス・消費・いき [単行本]

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出版社:笠間書院
販売開始日: 2009/04/06
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恋愛小説の誕生―ロマンス・消費・いき [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    日本文学史上初めて登場した女性向け大衆娯楽小説、人情本。この中心にいた為永春水の作品を繙き、評価の低かったこのジャンルを再評価する。現代の恋愛と人情本はどう切り結ぶのか。今までの文学研究の枠を超え、言語学・心理学・社会学等の成果も援用し分析しつくす、刺激的な一冊。
  • 目次

    ●はじめに
     江戸のハーレクインロマンス/小説が娯楽に徹してはいけないのか?/文学へのものさしの変化/人情本を読むことの今日性/恋愛の演技・会話・ルールと女性の生き方----本書の構成/バイアスの相対化----本書の方法

    ●Ⅰ 「ラブ」と「人情」
     江戸から近代へ--変わりゆく恋愛観

    *****
    ◎コラム
    introduction 江戸の恋愛小説=人情本への切り口
    1 商品としての小説を女性が読む意味
    *****

    1 純愛という「病」
     心の一致は可能か/「純愛」によって見えなくなるもの/
    2 クールな江戸の恋人たち
     純愛の対極にあるもの/笑いながら読む濡れ場/「いき」の魅力を殺すもの/
    3 ラブの牢獄からの逃走者
     ラブの餓鬼道/相思相愛を断つ「良心」
    4 精神世界の勝利という倒錯
     理性の勝利か、観念の奴隷か/現実を裁く観念/急速な近代化の負の側面/愛による「救済」と「文明化」
    5 純愛からの視線
     恋愛の演技への抑圧/江戸文学研究の近代的視線/純情か演技か/「建設的」な文学への再評価
    6 演技・教訓への再評価
     演技の身体性への再評価/「いき」の美学の読み替え/ロマン・写実・美学からの人情本評価/露伴----近世と近代を跨ぐ存在/江戸二百七十年の成果

    ●Ⅱ 女が小説を読むということ
     一体感を生む恋愛描写の秘密

    *****
    ◎コラム
    introduction 江戸の恋愛小説=人情本への切り口
    2 レーベルを立ち上げた「作家」
    *****

    1 読書の現場
     ムスメが小説を読むことへの驚き/ムスメの愛読書/続き物となる理由
    2 消費される恋物語
     恋愛心理描写の冴え/危険な恋を安全に味わう/女性読者の意識
    3 擬似恋愛行為としての読書
     男女の奇遇/愛の過剰と嫉妬/恋愛心理の妙
    4 読む人情噺
     笑いを生むテンポ/笑いの後には情感を/芸能的な文章の呼吸
    5 恋と恋物語の魅惑の本質
     恋の行方を知りたがる女/秘密----娯楽小説の原点

    ●Ⅲ 恋愛の演技
     コミュニケーションの形から読み取れること

    *****
    ◎コラム
    introduction 江戸の恋愛小説=人情本への切り口
    3 江戸へのノスタルジーの源泉
    *****

    1 ジャンルの生成
     反転するジャンル/恋愛のマニュアル
    2 なぜ恋愛に演技は必要か
     儀礼と演技/演技と感情のバランス
    3 洒落本の反転
     恋の舞台・恋の楽屋/登場人物の役割の反転
    4 演技の戦略・その1
     演技が生み出す魅力/冷静と情熱の間
    5 演技の戦略・その2
     甘い言葉を卒業したら/嫉妬には嫉妬で
    6 演技の本質
     感情の再現/音楽まで「冷静」に
    7 恋愛の演技の系譜
     「いき」の再解釈へ/恋愛描写の源泉

    ●Ⅳ 会話の妙の秘密
     恋人たちの語らいを生き生きと再現できたわけ

    *****
    ◎コラム
    introduction 江戸の恋愛小説=人情本への切り口
    4 「いき」の解釈をめぐる時代層
    *****

    1 恋の調停・観察
     落語・講談と春水/恋の調停者たちとの近さ/戯作者の生活/心理描写を支えるもの
    2 会話をはずませるもの
     繰り返しの効果/語り直しのモデル/人情本の実例/恋のコーチング
    3 落語的なしぐさと言葉
     見立てのしぐさ/江戸のコミュニケーションの軽やかさ
    4 トリチガエの話法
     せめぎあいのクリカエシ/トリチガエの効果
    5 良質な人情本を支える会話
     演劇的クリカエシ/会話の妙こそ命

    ●Ⅴ 「いき」の行方
     美学からコミュニケーションの世間知へ

    *****
    ◎コラム
    introduction 江戸の恋愛小説=人情本への切り口
    5 三弦の誘惑----恋に言葉はいらない
    *****

    1 恋のサスペンスと予定調和
     恋の行方というサスペンス/妻妾同居のハッピーエンド?
    2 諦めという大人への階段
     丹次郎の不実はなせ容認されたか/恋の修羅場/男の可愛げ/心を成長させるもの/「いき」=大人の内面の美/「関係」としての「いき」
    3 演技の応酬
     女たちの思惑/恋のペースは米八本位に/復讐の濡れ場/演技としての媚態
    4 「媚態」から「意気地」へ
     自他の名誉の保障/「意気地」の原義/器量の大きさ
    5 予定調和の魅力
     小さなプライドを消す「意気地」/「意気地」の浸透/講談的場面構成/大衆的文学の核心
    6 美学から世間知へ
     世間知としての「いき」

    ●Ⅵ 女の涙
     不幸と恋愛の接続によるカタルシス

    1 愛情表現の前近代と近代
     アイ・ラブ・ユーをどう訳すか/愛の名作の台詞/涙を生み出すもの/現代の純愛物語の関係性
    2 人情本における愛の言葉
     七年ぶりの邂逅/「死んでもいい」が意味するもの/愛ゆえの行動を示す言葉
    3 読む快楽としての「涙」
     笑いと涙/女性読者は「涙」がお好き/天保期人情本の明るさ/健康的な「人情」
    4 家族の喪失と回復
     「涙」と通俗的倫理の結婚/家族の謎をめぐるミステリー/不幸・美談・奇縁/謎の答えのパターン
    5 大衆小説の快楽の本質
     秘密の魅惑/ディープな人情本読者/「涙」の本質

    ●Ⅶ 物語の面影、歌心の引用
     人情本の文学的資源

    1 文学における愛への愛
     文学が文学を引用する意味/ロマンの再生産と変奏
    2 『伊勢物語』『源氏物語』の投影
     業平の末裔/追憶の主題/古典愛好者の設定/源氏の面影/追憶を呼び覚ます物語
    3 歌心の引用
     物語と歌の地平/恋心を編集する手際
    4 スノビズムの効用
     スノッブ----表象の擬態/女性の品格というスノッブ

    ●Ⅷ 恋のふるまいと女の願い
     神話・美・道徳・教訓

    1 江戸のピグマリオン
     彫像への愛/昔の恋人の衣裳を着せて/男の独占欲と女への教化
    2 江戸のシンデレラ願望
     恥じらいと笑顔/内面の魅力の呈示/愛される理由/
    3 女子教育機関としての御殿奉公
     身体の内面を規範化する文学/女の階級上昇の可能性/奉公の教育的機能
    4 美と道徳の地平
     女性読者の規範/しぐさの呈示による教化/化粧広告における教化/内面と外面の両立
    5 古典文学の教訓的受容
     「品格」と「情操」/「美」と「道徳」の均衡/レーベルの品格/側室への願望と教訓
    6 女性の宗教生活と人情本
     女たちに信仰された日蓮宗/人情本のなかの法華信仰/迷子の縁----神話的構造

    *****
    ◎エピローグ
    *****

    ●あとがき
  • 出版社からのコメント

    現代の恋愛と人情本はどう切り結ぶのか。日本文学史上初めて登場した女性向け大衆娯楽小説・人情本を、為永春水の作品から再評価。
  • 内容紹介

    ようこそ、クールな、しかし人情味あふれる、
    恋のいとなみの世界へ!

    日本文学史上初めて登場した女性向け大衆娯楽小説、人情本。この中心にいた為永春水の作品を繙き、評価の低かったこのジャンルを再評価する。現代の恋愛と人情本はどう切り結ぶのか。今までの文学研究の枠を超え、言語学・心理学・社会学等の成果も援用し分析しつくす、刺激的な一冊。

    荷風・鴎外・漱石も読んでいた「人情本」がわかる。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    井上 泰至(イノウエ ヤスシ)
    昭和36年(1961)京都市生まれ。上智大学大学院文学研究科国文学専攻単位取得満期退学。日本近世文学専攻。現在、防衛大学校人間文化学科准教授

恋愛小説の誕生―ロマンス・消費・いき [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:笠間書院
著者名:井上 泰至(著)
発行年月日:2009/04/10
ISBN-10:4305704722
ISBN-13:9784305704726
判型:B6
対象:一般
発行形態:単行本
内容:日本文学評論・随筆
言語:日本語
ページ数:293ページ
縦:19cm
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