昭和モダンおんな市場風俗誌 新装版 [単行本]

昭和モダンおんな市場風俗誌 新装版 [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  「昭和の女たち」の吐息がきこえる。昭和初期の性風俗史家による「哀しき人間生活」の迫真のルポ。

• 目次

  ◆女市場小史
  古代人の描いた女市場/ 中世に発達した女の市/ 明治の風俗展望 他
  ◆明治初期の公設市場
  新島原遊廓の開市/ 初期の全国遊廓/ 娼妓解放令 他
  ◆附・市場に躍る人たち
  酒と女と金/ 遊蕩大尽発展記/ 英雄好色時代 他
  ◆私設の市場物語
  料理屋・茶屋・宿屋の内幕/ 吉原市場風景/ 女の意気・張と情 他
  ◆カフェ女給とダンサー
  酒と女とジャズの世界/ 女給身の上話/ ダンス流行の旋風 他
  ◆昭和初期の私娼
  東京移動私娼記-闇に咲く花検挙/ 本牧の夜と女/ 長崎のヨモヤ縮緬 他
  ◆全国の遊廓・芸妓・花街展景
  張見世時代の吉原/ 芸妓の発展時代/ 芸妓稼業の内幕 他
  ◆女優とレヴュー・ガール遊弋記
  商標としての女優時代/ 女案内人/ レヴューの弾圧 他
  ◆当世相とエロ・グロ時代
  スピード時代の世相/ サービス・ガール/ 宣伝時代のエロとグロ 他
  ◆結び
  時代の変遷と市場/ 売笑と取締り

• 内容紹介

  「昭和の女たち」の吐息がきこえる。
  　昭和初期の性風俗史家による「哀しき人間生活」の迫真のルポ！
  
  　昭和５年から１０年にかけてエログロナンセンス的出版の黄金期であった。
  　大正１２年９月１日の関東大震災で東京の町は瓦解したが、そのあとモダンな建築が林立する。これと呼応して文化もモダニズムに席巻された。その代表がエログロナンセンスとよばれた風潮だ。その先陣を切ってエログロナンセンスな本が数多く出版された。面白おかしい出版があふれる一方、真面目に性をとりあげ、娼婦問題を論じた本も多数刊行された。
  
  　本書は、昭和６年に「現代女市場」の書名で刊行された書籍で、古代から明治時代までの「女市場」を解説した上、昭和初期の日本各地売春街を探訪するフィールドワークの産物である。さらにレビューやダンスホールにも筆を伸ばした労作といえる。

• 著者について

  高橋　桂二 (タカハシ　ケイジ)
  　高橋桂二については詳細が不明だ。新聞記者だったらしい。国民新聞にいたという。国民新聞は明治２３年創刊、昭和１７年に都新聞（現在の東京新聞）と合併している。したがって当時の高橋はまだ国民新聞にいたか。この人には「新社交ダンス」という著書もあり、サプタイトルには「全国舞踏場・教授所・ダンサー案内」とあってガイドブック風である。高橋がダンスホールやダンサーの生態にくわしかったことは「現代女市場」にも詳述され、納得がゆく。

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