現代ドイツ管理会計制度論 [単行本]

現代ドイツ管理会計制度論 [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  本書は、現代ドイツにおける「リスク・マネジメント会計制度」の在り方とその意味につき、解明することを試みるものである。

• 目次

  第I部 問題提起と研究視角
  第1章 問題提起と研究視角
  ―リスク・マネジメント会計制度の研究―
  第1節 問題提起
  第2節 研究視角の設定
  第3節 リスク・マネジメント会計制度の研究
  第4節 リスク・マネジメント会計制度研究上の注意点
  第II部 リスク・マネジメント会計制度の基盤
  第2章 リスク・マネジメントをめぐる法律規定
  ―状況報告書に関する規定の変遷を軸として―
  第1節 はじめに
  第2節 1965年株式法における「状況報告書」に関わる規定
  第3節 1985年貸借対照表指令法における「状況報告書」に関わる規定
  第4節 1985年より後の「状況報告書」に関わる規定の変更
  第5節 1998年企業領域における統制および透明性に関する法律の規定
  第6節 2000年無限責任社員法人制資本会社指令法による規定改正
  第7節 2004年貸借対照表法改革法による規定改正
  第8節 2004年貸借対照表統制法および決算監査人監督法における規定
  第9節 おわりに―リスク・マネジメント会計制度の基盤―
  第3章 リスク・マネジメントに関する会計基準の変遷
  ―「ドイツ会計基準第5号 リスク報告」について―
  第1節 はじめに
  第2節 2001年「ドイツ会計基準第5号」
  第3節 2003年「ドイツ会計改定基準第1号」による基準改定
  第4節 2005年「ドイツ会計改定基準第3号草案」による基準改定の予定
  第5節 おわりに―リスク・マネジメント会計制度考察上の注目点―
  第III部 リスク・マネジメント会計制度の諸相
  第4章 企業内部におけるリスク・マネジメント・システム
  第1節 はじめに
  第2節 リスク概念
  第3節 リスク・マネジメント概念
  第4節 チャンス戦略とリスク戦略
  第5節 リスク・マネジメント・プロセス
  第6節 おわりに
  第5章 リスク・マネジメントと状況報告書
  ―ドイツ会計制度におけるリスク報告の意味―
  第1節 問題提起
  第2節 リスク・マネジメント会計制度の基盤とその注目点
  第3節 リスク定量化の論理
  第4節 状況報告書上の記載と確認の付記
  ダイムラー・クライスラー社を例として―
  第5節 ドイツ会計制度におけるリスク報告の意味
  第6章 リスク・マネジメントと引当金
  ―会計制度としてのリスク・マネジメントの一側面
  第1節 はじめに
  第2節 法制度上のリスク・マネジメントに関する規定の範囲
  第3節 引当金の設定に関する論理
  第4節 発生する恐れのある損失に関する引当金をめぐる問題
  第5節 おわりに―法制度上のリスク・マネジメントと会計制度―
  第7章 リスク・マネジメントとバランスト・スコアカード
  ―バランスト・スコアカードの会計的意味―
  第1節 問題提起
  第2節 リスク・マネジメントに関わる監査制度の状況
  第3節 リスク・マネジメント会計制度とバランスト・スコアカード
  第4節 監査制度とバランスト・スコアカード
  第5節 おわりに―バランスト・スコアカードの会計的意味―
  第8章 リスク・マネジメントと監査制度の新展開
  ―貸借対照表統制法・決算監査人監督法の影響を中心に―
  第1節 はじめに
  第2節 エンフォースメントの仕組み―検査所と連邦金融監督庁―
  第3節 経済監査士監督の仕組み
  経済監査士会議所と決算監査人監督審議会―
  第4節 決算監査人選出・排除と監査報酬の開示
  第5節 エンフォースメントと経済監査士監督の関係性
  監査制度の新展開の様相―
  第6節 リスク・マネジメントへの影響
  第7節 新たなドイツ会計制度の枠組みにおけるリスク・マネジメントの意味
  リスク・マネジメント会計制度の新たな側面―
  第9章 リスク・マネジメントとチャンスの記載
  ―貸借対照表法改革法の影響―
  第1節 はじめに
  第2節 従来のリスク報告
  第3節 近代化指令とリスク報告・チャンス報告
  第4節 Fair-Value指令と財務リスクに関する報告
  第5節 附属明細書における金融商品に関する記載事項
  第6節 リスク・マネジメントに関わる法律規定改正の影響
  第7節 チャンスの記載を含むリスク・マネジメント会計制度の意味
  リスク・マネジメント会計制度の新側面―
  第IV部 現代ドイツ「リスク・マネジメント会計制度」の意味
  第10章 リスク・マネジメント会計制度の様相
  第1章 問題提起
  第2節 1998年より前の制度状況
  第3節 1998年から2004年までの制度状況
  第4節 2005年以降の制度状況
  第5節 むすび
  参考文献
  索引

• 出版社からのコメント

  現代ドイツにおける「リスク・マネジメント会計制度」の在り方とその意味について解明することを試みる。

• 内容紹介

  　本書は、現代ドイツにおける「リスク・マネジメント会計制度」の在り方とその意味につき、解明することを試みるものである。ここにおいて問題とされるのは、企業内部の管理の仕組みたるリスク・マネジメント・システムにおける、会計情報の利用の場面ではない。むしろ、企業内部の管理たるリスク・マネジメントに関わる情報が、会計制度の枠内に立ち現れる場面が問題とされるのである。
  　このような観点は、ドイツにおいて、リスク・マネジメントに関わる情報が、企業の会計報告の一環として制度的に公表されているという事実に基づき、獲得されたものである。このようなリスク・マネジメントに関わる情報の制度的公表が行われるのは、それによって、一定の社会的機能が発揮されるためであると考えられる。こうした思考から、リスク・マネジメントに関わる情報が社会的に公表されることの意味が問題となる。すなわち、ドイツという一国の社会制度の枠内にリスク・マネジメントを位置づけ、その制度がどのような構造を有し、それによってどのような機能を発揮することが意図されているのか、ということが問題となるのである。
  　また、本書における上記の問題は、たしかにリスク・マネジメントという具体的な一つの対象に関わるものではある。しかし同時に、この問題に取り組むことを契機として、リスク・マネジメントのような企業内部の経営管理に関わる事象と会計との関係性をとらえるに当たり、一つの新たな方向性を有する視点が獲得できるものと考えている。
  　そのような問題に取り組むために、本書は四つの部から構成されている。まず第Ⅰ部では、上記のような問題提起について、より詳しく説明している。つぎに、第Ⅱ部では、リスク・マネジメント会計制度の基盤を形成する部分について検討を加える。そして、第Ⅲ部では、第Ⅱ部において明らかにした注意点・注目点に関わって、リスク・マネジメント会計制度の諸相に関する考察を行う。最後に、第Ⅳ部では、主に第Ⅱ部および第Ⅲ部において明らかにした制度基盤、および制度の諸相がどのように関連しているのかを明確化する。

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  石川 祐二(イシカワ ユウジ)
  １９７４年東京麹町に生る。１９９７年明治大学商学部卒業。２００２年明治大学大学院商学研究科博士後期課程退学。２００２年駒澤大学経済学部講師。２００６年博士（商学）（明治大学）。２００６年駒澤大学経済学部助教授

• 著者について

  石川祐二 (イシカワ ユウジ)
  石川祐二（いしかわゆうじ）
  1974年　東京麹町に生る
  1997年　明治大学商学部卒業
  2002年　明治大学大学院商学研究科博士後期課程退学
  2002年　駒沢大学経済学部講師
  2006年　博士（商学）（明治大学）
  2006年　駒沢大学経済学部助教授

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