アイヌの祭具 イナウの研究 [単行本]

アイヌの祭具 イナウの研究 [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  イナウは、カムイへの贈り物である。それはアイヌ民族の祭礼において捧げられる。和人（日本国内の民族的マジョリティ）やヨーロッパ人研究者は、しばしばイナウを「依り代」や鳥の象徴と見なしてきたが、アイヌ自身はそのように考えない。イナウは様々な形でアイヌを助ける「木の人」である。本書では、アイヌ文化において使用されてきたイナウの形と意味について調べ、知見と論考とをまとめた。

• 目次

  はじめに　
  １．総論　
  　１．精神文化と木幣の関わり　
  　２．先行研究・資料の概要　
  　３．課題と研究方法　
  ２．木幣に用いる樹種・用い方
  　１．樹種の選択
  　２．樹木に対する思想
  ３．木幣の製作技術
  　１．アイヌの工具と作業姿勢　
  　２．観察のポイント　
  　３．製作工程の復元
  　４．本州各地の工具と作業姿勢　
  ４．木幣の形状－構成要素の事例
  　１．構成要素
  　２．各地の事例
  ５．sutuinawの分布と歴史的変遷　
  　１．situinawの先行研究　
  　２．各地のsituinaw
  　３．考察
  　４．おわりに
  ６．刻印と人面意匠　
  　はじめに　
  　１．刻印の先行研究
  　２．木幣に見られる刻印　
  　３．刻印・人面に関わる他の事例
  　４．本州の事例　
  ５．考察と課題　
  ７．火神と家屋神・家族神
  　１．はじめに
  ２．家族神・家屋神の事例　
  ３．北海道の事例　
  　４．火神の祭壇の事例　
  　むすび　火神・家屋神・家族神の関係　
  終章　
  図版
  文献抜書き　
  
  

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  北原 次郎太(キタハラ ジロウタ)
  １９７６年東京都生まれ。北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授。千葉大学博士課程修了（学術博士）。２００５年よりアイヌ民族博物館学芸課勤務。２０１０年４月より現職。アイヌの宗教文化と物質文化、とりわけイナウについての研究を専門とするほか、アイヌ語、口承文芸、芸能などの研究に携わる

• 出版社からのコメント

  木幣の所在・記録を踏査し、アイヌ文化内部での地理的な分布から考察するとともに、本州や海外文化とアイヌ文化との連続性を再考

• 内容紹介

  アイヌ民族の祭具であるイナウ（木幣）について多角的に研究した専門書。1900年代～1960年代にかけて製作・収集されたイナウの実物資料・記録類を踏査し、アイヌの宗教文化をモノの面から描き出す。また、本州やサハリン・アムールの北方民族、ボルネオ島の諸民族が持つ削りかけ文化と形状・技術・用途についての比較を行い、アイヌ文化史を再考する。

• 著者について

  北原 次郎太 (キタハラ ジロウタ)
  北原 次郎太
  北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授

アイヌの祭具 イナウの研究 [単行本] の商品スペック