海賊たちの黄金時代―アトランティック・ヒストリーの世界(MINERVA歴史・文化ライブラリー〈24〉) [全集叢書]

海賊たちの黄金時代―アトランティック・ヒストリーの世界(MINERVA歴史・文化ライブラリー〈24〉) の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  過酷な労働環境から抜け出すために海賊となり、権力に抵抗した近世大西洋世界の船乗りたち。本書は、不遇の立場に置かれた労働者や奴隷の声に耳を傾け、四大陸の相互連関を考究する「アトランティック・ヒストリー」の観点から、海賊たちの姿を鮮明に描き出す。虐げられてきた人々がいかに団結して苦境に立ち向かっていったのか。彼らの真実の物語を明らかにする歴史家レディカー渾身の書、待望の邦訳。

• 目次

  謝辞／日本語版への序
  
  第１章　二つの恐怖の物語
  　　海賊フライの処刑
  　　全世界への宣戦布告
  　　海賊の黄金時代
  　　処刑場の海賊たち
  　　恐怖には恐怖を　
  　　第三の恐怖
  
  第２章　海賊行為の政治算術　
  　　海賊行為の急増
  　　船乗りを取り巻く世界　
  　　支配者の論理
  　　海賊行為の条件　
  　　海賊たちの活動域　
  　　貿易に迫る危機　
  　　黄金時代の三局面　　
  　　船乗りの知らなかったこと
  
  第３章　海賊となる者　　
  　　海賊ケネディの生涯　　
  　　海賊たちの前身　
  　　海賊への道　　
  　　海賊の社会的出自　　
  　　海賊の地理的出自　　
  　　黒人の海賊　　
  　　「勘定」に出る所以
  
  第４章　船上の新たなる統治　　
  　　逆さまにされた世界　　
  　　バッカニアの伝統　　
  　　船長とクォーターマスター　　
  　　船上の民主主義　　
  　　陽気な海賊暮らし　　
  　　船上の社会秩序　　
  　　海賊文化の継承と伝播　　
  
  第５章　「水夫に公平な扱いを」　　
  　　「まっとうな」商船長の命運　　
  　　海賊の復讐心　　
  　　「正義の分配」　　
  　　海賊の結束　　
  　　海賊の支援者　　
  　　海賊の生きざま
  
  第６章　女海賊ボニーとリード　　
  　　二人の女海賊　　
  　　アン・ボニーとメアリ・リード　　
  　　海の世界と女性　　
  　　戦う女たちの伝統　　
  　　女海賊と文学　
  　　図像のなかの女海賊　　　　
  
  第７章　「奴らを世界から一掃せよ」　　
  　　人類共通の敵　　
  　　海賊をめぐる言説　　
  　　海賊の根絶と奴隷貿易　　
  　　絞首台の恐怖　　
  
  第８章　「死をものともせず」　　
  　　捕虜が語る物語　　
  　　大破壊への衝動　　
  　　海賊たちの死と生　　
  　　海賊の裁判劇　　
  　　海賊のユーモア　　
  　　髑髏の旗の下に　　
  　　死に臨む海賊たち　　
  
  終　章　血と黄金　　
  　　
  解　題――著者マーカス・レディカーと
  　　　　　近世大西洋世界の船乗り（笠井俊和）　　
  
  訳者あとがき（和田光弘）
  
  人名・事項索引

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  レディカー,マーカス(レディカー,マーカス／Rediker,Marcus)
  歴史家・市民運動家。ペンシルヴェニア大学で博士号を取得し、現在、ピッツバーグ大学歴史学科の大西洋史（アトランティック・ヒストリー）特別教授。抑圧された環境に置かれた労働者階級こそが歴史を作り上げてきたとの信念に基づき、社会史研究において「下からの歴史」を実践。近世大西洋世界の船乗り・海賊・奴隷を扱った数々の著作で知られる。市民運動家として、人権や平和のための運動にも積極的に参加している

• 出版社からのコメント

  権力からの抑圧に抵抗するため海賊となった船乗りたちの姿を描き出す、歴史家レディカー渾身の書

• 著者について

  マーカス・レディカー (Marcus Rediker)
  2014年現在　ピッツバーグ大学歴史学科大西洋史特別教授
  
  和田　光弘 (ワダ ミツヒロ)
  ＊2014年4月現在名古屋大学大学院文学研究科教授
  
  小島　崇 (コジマ タカシ)
  2014年7月現在愛知県立大学非常勤講師
  
  森　丈夫 (モリ タケオ)
  2014年7月現在福岡大学人文学部准教授
  
  笠井　俊和 (カサイ トシカズ)
  2014年7月現在名古屋外国語大学・岐阜聖徳学園大学非常勤講師

海賊たちの黄金時代―アトランティック・ヒストリーの世界(MINERVA歴史・文化ライブラリー〈24〉) の商品スペック