近世スコットランドの王権―ジェイムズ六世と「君主の鑑」(MINERVA西洋史ライブラリー) [全集叢書]

近世スコットランドの王権―ジェイムズ六世と「君主の鑑」(MINERVA西洋史ライブラリー) の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  イギリス内戦の萌芽が看取される専制君主として、否定的に捉えられてきた近世スコットランドのジェイムズ六世。本書では、「君主の鑑」として描く四つの君主像と実践的視点という、近代ヨーロッパの国家形成につながるジェイムズ六世の王権論を体系的に分析する。王権神授説の提唱者という従来の一面的な捉え方から脱し、ルネサンス君主としてジェイムズ六世の思想を明らかにする一冊。

• 目次

  序　章　ジェイムズ六世の王権論　
  　１ ジェイムズ六世と「王権神授説」
  　２ ジェイムズ六世の研究史　
  　３ 近世ヨーロッパの「君主の鑑」
  　　 ――研究手法
  
  第１章　16世紀スコットランドの政治と社会
  　１ スコットランドのメアリ女王
  　２ プロテスタント化とジョン・ノックス
  　３ ジェイムズ六世の誕生　
  
  第２章　ジェイムズ六世の王権神授論
  　　　　――神聖な王　
  　１ 神の代理人　
  　２ 王権神授論の必要性　
  　３ 王の義務
  　４ 神聖な王と「政治的身体」　
  
  第３章　征服による世俗的王権
  　　　　――領主としての王
  　１ スコットランドの建国神話
  　２ イングランドのウィリアム征服王
  　３ 王の権力
  　４ 不可侵の世襲君主制　
  　５ 二つの王権の起源と「政治的身体」
  
  第４章　ルネサンス期の「君主の鑑」と道徳論
  　　　　――有徳な王
  　１ 枢要徳
  　２ 君主の徳　
  　３ 君主の教育　
  　４ 王を支える家臣
  
  第５章　ジェイムズ六世とマキァヴェッリの統治論
  　　　　――統治する王
  　１ 政治の領域　
  　２ 宗教の領域　
  　３ 政治的思慮の適用　
  　４ ジェイムズと政治的思慮　
  
  終　章　近代国家形成につながる政治的リアリズム
  　１ 四つの理想の君主像
  　２ 王権神授論と政治的リアリズム
  　３ 1603年
  　　 ――イングランド王ジェイムズ一世の誕生
  
  あとがき
  参考文献
  人名・事項索引

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  小林 麻衣子(コバヤシ マイコ)
  ２００６年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了、博士（社会学）。現在、立教女学院短期大学現代コミュニケーション学科准教授

• 出版社からのコメント

  ジェイムズ六世が掲げた君主像を分析し、近世イギリス史を読み解く新たな視点を提示

• 著者について

  小林　麻衣子 (コバヤシ マイコ)
  2014年10月現在立教女学院短期大学現代コミュニケーション学科准教授

近世スコットランドの王権―ジェイムズ六世と「君主の鑑」(MINERVA西洋史ライブラリー) の商品スペック