産業遺産の記憶と表象―「軍艦島」をめぐるポリティクス [単行本]
    • 産業遺産の記憶と表象―「軍艦島」をめぐるポリティクス [単行本]

    • ¥3,850116 ゴールドポイント(3%還元)
    • 在庫あり2025年8月2日土曜日までヨドバシエクストリームサービス便(無料)がお届け
100000009002235084

産業遺産の記憶と表象―「軍艦島」をめぐるポリティクス [単行本]

価格:¥3,850(税込)
ゴールドポイント:116 ゴールドポイント(3%還元)(¥116相当)
お届け日:在庫あり今すぐのご注文で、2025年8月2日土曜日までヨドバシエクストリームサービス便(無料)がお届けします。届け先変更]詳しくはこちら
出版社:京都大学学術出版会
販売開始日: 2014/12/17
お取り扱い: のお取り扱い商品です。
ご確認事項:返品不可

カテゴリランキング

店舗受け取りが可能です
マルチメディアAkibaマルチメディア梅田マルチメディア博多にて24時間営業時間外でもお受け取りいただけるようになりました

産業遺産の記憶と表象―「軍艦島」をめぐるポリティクス の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    軍艦島―独特の景観を持つその廃墟は、国家にとって近代化の威信の証しであり、地域にとってはアイデンティティの源泉、時には失われたものへのロマンティシズムの対象として扱われ、そして今や人類的な歴史遺産となろうとしている。産業遺産をめぐる重層的な「表象実践」(意味づけと活用の営み)を世界の炭鉱遺産の比較の中で論じる好著。
  • 目次

    はじめに――軍艦島との出会い
    序章 「遺産」化現象と現代社会
       一 産業遺産/近代化遺産への関心の高まり
       二 文化遺産をめぐる社会的プロセス――本書の視点
         (一)社会科学分野における先行研究
         (二)文化遺産の社会的機能と再帰性の高まり
         (三)専門家システムとしての文化遺産
       三 社会的空間における表象実践――本書のキー概念と構成

    第一部 文化遺産とその表象

    1章 文化遺産とは何か
       一 制度としての遺物――「文化財」と「文化遺産」
         (一)諸価値の複合
         (二)歴史的な変化
         (三)脱文脈化と序列化
       二 国家の装置か住民にとっての環境か?
         (一)「装置」としての文化遺産
         (二)「環境」としての文化遺産
       三 文化遺産をとりまく様々なスケール
         (一)国家の装置――ナショナル・スケールにおける文化遺産
         (二)「資源」としての市場化――グローバル・スケールにおける文化遺産
         (三)多様な「記憶」の物語――ローカル・スケールにおける文化遺産
    2章 廃墟から文化遺産へ
       一 「痕跡」としての文化遺産/廃墟
       二 廃墟の発見
         (一)〈ピクチャレスク〉としての廃墟の美
         (二)風景式庭園における廃墟の囲い込み
         (三)過去への意識の目覚め
       三 文化遺産の誕生
         (一)写真術と帝国主義
         (二)博物館的秩序の創出
         (三)国家のイデオロギー装置としての文化遺産
       四 文化遺産の変容
         (一)現代の文化遺産イデオロギー
         (二)文化遺産イデオロギーのはらむリスク
    3章 労働文化の文化遺産化とその問題
       一 「文化」としての炭鉱への注目
         (一)脱工業化後の西欧社会における文化政策
         (二)「遺産産業批判」をめぐって――言説としての文化遺産
       二 世界遺産と産業遺産
       三 労働文化の遺産化とその実態
         (一)事例1――アイアンブリッジ峡谷
         (二)事例2――ロンダ・ヘリテージパーク
       四 労働文化をめぐる「スケールの政治」

    第二部 炭鉱の記憶と遺構
      
    4章 日本の産炭地の経験をめぐって
       一 地域社会という問題領域
         (一)地域社会の位置づけ
         (二)工業化/脱工業化の最前線としての炭鉱社会
       二 旧産炭地域の空間類型
         (一)産炭地域を規定する自然条件
         (二)日本の炭鉱集落の特性
       三 日本の炭鉱史
         (一)明治以降の炭鉱開発――炭鉱社会の形成
         (二)「追われゆく坑夫たち」――戦中・戦後の石炭政策
         (三)残された「旧産炭地」――企業撤退後の諸問題
         (四)炭鉱における「負の記憶」
       四 国策としての進出と撤退――炭鉱社会研究の立脚点
    5章 炭鉱遺構・遺物の展示と表象――歴史と事例
       一 博物館展示の分析から
       二 海外における石炭産業・炭鉱社会の表象
         (一)イングランド国立炭鉱博物館
         (二)ビッグピット国立石炭博物館
         (三)ドイツ鉱山博物館
       三 国内における石炭産業・炭鉱社会の表象
         (一)国内ミュージアムの事例と概要
         (二)筑豊炭田のミュージアム――「記念館」と「資料館」
         (三)石狩炭田のミュージアム――観光施設としての役割
         (四)三池炭田のミュージアム――「産業遺産」以後のミュージアム
       四 「結果」としてのナショナリズム
    補論 文化遺産保存の場における記憶のダイナミクス――社会学的記憶論の再検討を通じて
       一 社会学的記憶論の再検討
         (一)社会学的記憶論の起源――ベルグソンからアルヴァックスへ
         (二)「記憶」の問題化
         (三)構築主義的記憶モデルの問題点
       二 ベンヤミンの記憶論
         (一)ベンヤミンの記憶論――近代社会における経験の記憶
         (二)社会学的対象としての「記憶痕跡」
       三 「廃墟ブーム」にみる無意志的記憶のあらわれ
       四 現代社会における無意志的記憶――モノが提示する可能性
       五 「痕跡」としての産業遺産

    第三部 軍艦島――日本の産業遺産と「地元」住民による表象実践

    6章 「軍艦島」への多様なまなざし
       一 端島=軍艦島の概要
       二 軍艦島をめぐるまなざしの政治学
         (一)まなざしの重層性
         (二)まなざしの多様性
         (三)「地元」としての軍艦島
       三 まなざしのヘゲモニーをめぐる葛藤――「装置」と「環境」
    7章 「地元」の創出――軍艦島と地域社会
       一 軍艦島の「地元」――高島町の盛衰
         (一)炭鉱コミュニティの成り立ち
         (二)炭鉱閉山後の高島
         (三)軍艦島の取得と長崎市への合併
       二 軍艦島の活用へ――取り組みの経緯
         (一)検討期(二〇〇一年五月~二〇〇三年二月)
         (二)葛藤期(二〇〇三年二月~二〇〇四年五月)
         (三)準備期(二〇〇四年五月~二〇〇五年一月)
         (四)活用期(二〇〇五年一月~二〇〇七年一二月)
       三 資源利用の正統性――「地元」意識の生成
    8章 地域社会における軍艦島の活用
       一 軍艦島ガイドツアー
         (一)高島における軍艦島活用の試み
         (二)軍艦島上陸解禁後のツアー
         (三)上陸解禁前後におけるツアーの変化
       二 軍艦島を「語る」人々
         (一)X氏の場合
         (二)Y氏の場合
         (三)ガイドの表象戦略と課題
       三 正統性の獲得=語り手の主体形成と物語の洗練
    9章 リスケーリングされる炭鉱の表象
       一 「九州・山口の近代化産業遺産群」が表象するもの
         (一)「遺産群」提案の経緯と概要
         (二)構成資産とその変化
       二 地域ごとの社会的文脈と葛藤
         (一)三池炭田
         (二)崎戸・高島炭田
         (三)筑豊炭田
       三 表象のリスケーリングと地域社会
         (一)シリアルノミネーションの功罪
         (二)リスケーリングされる炭鉱の表象
    終章 産業遺産は社会に何をもたらすのか
       一 文化遺産システムのリスクとその揺らぎ
       二 処方箋としての表象実践
       三 本書の事例が示唆する可能性と課題
         (一)「遺産」化される物語の複数性
         (二)新たな共同性の模索

    参考文献
    軍艦島関連書籍リスト
    初出一覧
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    木村 至聖(キムラ シセイ)
    甲南女子大学人間科学部准教授。1981年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、日本学術振興会特別研究員等を経て、現職。博士(文学)。専門は文化社会学、地域社会学
  • 著者について

    木村 至聖 (キムラ シセイ)
    甲南女子大学人間科学部准教授1981年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学,日本学術振興会特別研究員等を経て,現職。博士(文学)。専門は文化社会学,地域社会学。主要著作に,「産業遺産の表象と地域社会の変容」(『社会学評論』60(3),2009年),「権力と主体形成―M. フーコー『監獄の誕生』(1975)」(井上俊・伊藤公雄編『社会学ベーシックス 第9巻 政治・権力・公共性』世界思想社,2011年),『文化遺産と記憶の社会学―旧産炭地域における産業遺産の保存と活用をめぐって』(京都大学博士学位論文,2011年),など。

産業遺産の記憶と表象―「軍艦島」をめぐるポリティクス の商品スペック

商品仕様
出版社名:京都大学学術出版会 ※出版地:京都
著者名:木村 至聖(著)
発行年月日:2014/12/25
ISBN-10:4876985464
ISBN-13:9784876985463
判型:A5
対象:専門
発行形態:単行本
内容:社会
言語:日本語
ページ数:272ページ
縦:22cm
他の京都大学学術出版会の書籍を探す

    京都大学学術出版会 産業遺産の記憶と表象―「軍艦島」をめぐるポリティクス [単行本] に関するレビューとQ&A

    商品に関するご意見やご感想、購入者への質問をお待ちしています!