現実的なものの歓待―分析的経験のためのパッサージュ(アカデミア叢書) [単行本]

現実的なものの歓待―分析的経験のためのパッサージュ(アカデミア叢書) の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  主体の限界点に位置するこれらの諸問題、そこに潜む新たな可能性を精神分析家ジャック・ラカンの思想によって浮かびあがらせる。川端、デュラスらの文学作品や臨床事例を通した考察の道行きは、そのまま読者を精神分析的経験へと誘う。

• 目次

  はじめに
  
  第１章　歓待と他者
  　第１節 無条件の歓待と条件つきの歓待
  　第２節 「鶴女房」再考
  　第３節 川端康成の『眠れる美女』における歓待
  
  第２章　女たちの余白に
  　第１節 デュラスの描くふたりの女
  　第２節 ラカンの性別の論理
  　第３節 存在しない「女」の審級：メデアとマダム・ジッド
  　第４節 燃やされた手紙、アンドレ・ジッドの同性愛
  
  第３章　行動の条件としての行為
  　第１節 ハムレットの劇中劇
  　第２節 行動化と行為への移行：フロイトの「女性同性愛の一事例」再考　
  　第３節 行為の時間、事件の時間性
  　第４節 ハムレット、行為へ
  　第５節 ドン・ジュアンの「石の宴」、行為する言語
  
  第４章　固有名と症状
  　第１節 固有名論争に寄せて
  　第２節 名前をめぐる困難：いくつかの事例から
  　第３節 名指しとしての症状
  　第４節 固有名とシミュラクル
  
  註
  文　献
  むすびに
  人名索引
  事項索引

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  春木 奈美子(ハルキ ナミコ)
  ２０１３年、京都大学大学院教育学研究科博士（教育学）取得。２００９年よりパリ第７大学精神分析学研究科で学び、２０１３年帰国。現在、日本学術振興会特別研究員ＰＤ。臨床心理士

• 出版社からのコメント

  「他者」「女」「行為」「症状」という４つの問題を取り上げ、精神分析の新たな出口に到る分析的経験を描き出そうとした意欲作。

• 内容紹介

  著者自らの臨床実践を基に「他者」「女」「行為」「症状」という４つの問題を取り上げ、追究した精神分析的論考。『鶴女房』『眠れる美女』『ハムレット』などの文学作品を読み解きつつ、ラカンら精神分析のほか、哲学・文化人類学・言語学など幅広い文献を辿り、考察を深める。主体の新たなあり方を提示するなど精神分析の出口の可能性を模索、またそこへ到達するまでに通過する「分析的経験」を描き出そうとした気鋭による意欲作。

• 著者について

  春木 奈美子 (ハルキ ナミコ)
  春木奈美子（はるき・なみこ）2013年、京都大学大学院教育学研究科博士（教育学） 取得。2009年よりパリ第７大学精神分析学研究科で学び、2013年帰国。現在、日本学術振興会特別研究員PD。臨床心理士。

現実的なものの歓待―分析的経験のためのパッサージュ(アカデミア叢書) の商品スペック