医学書のなかの「文学」―江戸の医学と文学が作り上げた世界 [単行本]
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医学書のなかの「文学」―江戸の医学と文学が作り上げた世界 [単行本]

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出版社:笠間書院
販売開始日: 2016/05/02
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医学書のなかの「文学」―江戸の医学と文学が作り上げた世界 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    理系×文系という対立構造のなかでは、読み解けない、面白い江戸の本の世界!読み物としての医学書・本草書を発見する。
  • 目次

    序 章●医学書のなかの「文学」

    第1章●それは「医学書」なのか、「読み物」なのか

    はじめに

    第1節●愉快な書物―「読み物」としての医学書
    近世滑稽文学なのか、医学史資料なのか/読ませて楽しませる、挿絵に「仕掛け」のある医書

    第2節●『医者談義』談義―人文学と自然科学という対立を無化する書物
    『医者談義』は談義本か―教訓書の姿勢/浮世草子も談義の道具になる

    第3節●医学書に擬態する文学作品たち、さまざま
    医書人気にすがるマンネリ談義本―『教訓衆方規矩』/『万病回春』の精神の後継者、医学書『世間万病回春』/ありきたりの教訓書に飽き足りない読者への新趣向/
    1 売らんかなのための医書擬態―『神農花合戦』『加古川本草綱目』
    薬と病の異類合戦『神農花合戦』/発売直前に医学書の扮装をした『加古川本草綱目』
    2 題名のみの擬態―本草綱目物
    忠臣蔵ものの新趣向『加古川本蔵綱目』/「綱目」から「盲目」へ、『垣覗本草盲目』/平賀源内の死を当て込んだ『翻草盲目』/「見立絵本」の系譜にある『本草盲目集』
    3 医家書生の戯作1―『瓢軽雑病論』
    日本の医師批判の洒落本『瓢軽雑病論』は単なるもじりなのか/まずは文章を比較してみる/作者の意識を探る―もじりを逸脱し、当代の医者を揶揄する/もじり、揶揄のその先にある、単純ではない事情/「医家書生の戯作」を読み解くには/医学界のスキャンダルを当て込んだ?/作者が上方のグループと交渉があって、彼らを意識した?/出版を巡る大坂と江戸のいざこざ?
    4 医家書生の戯作2―『本朝色鑑』
    初期の医学書生の正統戯作
    5 本草書に擬態した漢詩文の傑作―柏木如亭『詩本草』
    ブリヤ・サバラン『美味礼讃』と並ぶグルメ詩話/本草書を傍らに置けば読書の愉悦が増える『詩本草』の読み方/「医学書に擬態する文学作品たち」の優品『詩本草』

    第4節●江戸のカルテ、医案の世界―『武道伝来記』にみる西鶴のねらい
    玄芳の「種方付」(処方プラン)/周益の「種方付」(処方プラン)/両者の言い分を整理する/玄芳の見立ては本当にデタラメだったのか/では、周益の見立ては正しかったのか/では何故西鶴は「種方付」の趣向を案出したのか
    1 医道のまじはり、医師のドラマ
    『武道伝来記』と展開が似ている曲直瀬玄朔(二代目道三)『医学天正記』/将軍から庶民まで、曝かれたカルテ集『医学天正記』/他の医師の失敗を記すことが、医案の信頼性を担保するという、江戸期のスタイル/『武道伝来記』の長々とした漢文「種方付」の可笑しさを解く鍵/西鶴が描いてみせた「医道のまじはり」の狙い

    第5節●江戸以前の医学の文芸―御伽草子『不老不死』
    医学知識を披瀝しながら神仙の世界を描こうとする
    1 漢方医学を装わせて描く『不老不死』―耆婆の伝
    『不老不死』の典拠と、逸脱している増補/増補部分に漢方医学と仏教医学が混在する理由―笑いを狙った増補ではないか/都賀庭鐘の『通俗医王耆婆伝』
    2 医学知識は新趣向のスパイス―読者層を考える
    『不老不死』の製作・享受の場には医学に通じた人物が必要だった/確実に読者層の変化と広がりを裏づける『不老不死』/近世初頭の草子屋は医学の世界にも食指を動かしていた

    第6節●「医学書」と「読み物」の間にある幻想

    第1章・注

    第2章●江戸期を通じて愛されたヤブ医者、竹斎

    はじめに
    近世小説は誕生した時から「医学書」と切っても切れない関係にあった

    第1節●『竹斎』のモデルは誰か―曲直瀬流医学と関わって
    1 知苦斎と竹斎
    竹斎は何かの名を借りて、そのもじりとして「竹の斎」と命名された/「知苦」を「竹」に転じたうえで道三をもじって、藪医の物語『竹斎』は作られた
    2 東下り、京見物について
    東下りプラス藪治療という組み合わせはどう作られたか/曲直瀬玄朔と豊臣、徳川―裏切りと「おもねり」/玄朔の東下り前の知己との惜別のパロディ
    3 曲直瀬の落ちこぼれとしての竹斎
    曲直瀬流の医学に従った描写/眼に鉄屑が入った鍛冶を磁石で治すトンデモ治療―落ちこぼれとして竹斎を上手に描く/揃えられた医書からわかること/曲直瀬の講釈は医学を超えて文化人の関心を集めていた/大慌てで逃げ去る竹斎―『竹斎』は間に曲直瀬を置けば読み解ける/曲直瀬秘伝の膏薬と竹斎/仮名草子の読者の姿―近世小説はスタートから医学書に通じていればなお面白いという要素を胚胎していた
    4 「道三ばなし」の流行
    真偽を問わず人気を博していた「道三ばなし」/竹斎伝説の母胎となったものは何か―曲直瀬流を標榜する医者たちの失敗談が原動力になる

    第2節●『竹斎』作者・富山道冶の家―仮名草子のふるさと
    1 富山家について
    文化繁栄の地、伊勢射和/西鶴にも描かれた豪奢な富山家/身代を潰してまで芸能に狂うDNAがあった
    2 『竹斎』と富山道冶
    道冶が富山一族であったことを踏まえた『竹斎』論のために/生育環境・連歌との関わり・富山家の蔵書/富山家の財力と文化的豊饒が生んだ『竹斎』
    3 富山家とその後の文芸
    大淀三千風・西鶴・香川景樹/『万葉集』の善本、富山家にあり
    4 現存する富山家屋敷
    『竹斎』を誕生させるに相応しい、仮名草子のふるさと

    第3節●「芸能者」としてのヤブ医者―唄われた竹斎
    なぜ『竹斎』は「舞并草紙」に分類されたのか―「舞の本に近い要素」とは何か/草子群の末尾―「草子読みの功徳」型/草子群の末尾―「語りものの常套表現」型/共通するのは舞・語りものに近似する末尾を持ち、芸能気分に溢れていること
    1 唄われた『竹斎』
    黙読して楽しむものだと断ずるのは早計な『恨の介』/では『竹斎』はどうなのか―声を出し拍子や節をつけて読まれ、時には歌謡に仕立てられたのではないか
    2 『竹斎』亜流作品と芸能
    指摘されていた、竹斎亜流物への新視点/『医者談義』の「糞得斎」と道化人形「ふんとく人形」―道化の面影/ヤブ医の物語に見るべき、滑稽を演じる芸能者の要素

    第4節●『竹斎』と文化圏が重なる『恨の介』―戦国期の医師について
    女性殉死というはかなく美しい物語―これを書き得たのはどのような人物か
    1 木村常陸介の娘
    常陸介の娘は虚構だったのか―医家・竹田家の記録を繙く
    2 医家、竹田家について
    歌い舞う医師、竹田法印/竹田家を概観する/『恨の介』は文芸製作とも無縁ではない竹田家周辺で生まれたか
    3 『恨の介』と芸能
    「語りもの」の枠組みを持つ『恨の介』の冒頭と末尾/『恨の介』作者の芸能に対する並々ならぬ精通ぶりと気配り
    4 『恨の介』の作者が竹田家周辺にいたと想定してみる
    5 読者は『恨の介』に何を見ていたのか
    『恨の介』の作者/曲直瀬と竹田の対抗意識が及んだその先/奇妙な『恨の介』主人公設定の理由/近世初期小説を解明するために必要な資料

    第5節●江戸文芸の発展を映し出す、御伽の医師の「書いた物」
    曲直瀬玄朔と竹田家周辺/御伽の医師の「語り」は「書き物」となり、滑稽、芸能と結び付く「文学書」になる/ヤブ医の物語の行方―滑稽と教訓/貞享年間〈一六八四~八八〉には出来上がっていた『竹斎』が医道教訓だとする捉え方/近世文芸の発展を映し出す、滑稽・教訓・謙辞という三つの展開

    第2章・注

    結 章●近世文学の新領域
    文学とは何か/近世期から指摘されていた、医学書と文学書との接近や境界のゆらぎ

    コラム●医学書のある文学部研究室から―いかなる手順で医学書を操ったか

    ●あとがき
    ●図版一覧/初出一覧
    ●書名索引/人名索引/事項索引
    ●中醫經典被「另類改編」成娛樂刊物!?[陳羿秀]
    ●Breaking boundaries between literature and medicine [ボグダン真理愛]

    本書所収▼医学書メモ一覧
    『本草備要』/『歴代名医伝略』/『黄帝内経素問』/『衆方規矩』/『万病回春』/『傷寒論』/『神農本草経』/『本草綱目』/『金匱要略』/『本朝食鑑』/『大和本草』/『医学正伝』/『医学天正記』/『医案類語』/『啓廸集』
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    福田 安典(フクダ ヤスノリ)
    1962年大阪生。大阪大学文学部卒。同大学院文学研究科後期課程単位取得退学。博士(文学)。専門は日本近世文学。大阪大学助手、愛媛大学教育学部教授を経て、日本女子大学文学部教授
  • 内容紹介

    それは「医学書」なのか、「読み物」なのか。理系×文系という対立構造のなかでは読み解けない、面白い江戸の本の世界!
    江戸時代には医学書や本草書の知識無しには理解できない作品や文化交流が存在していた。それは現代風に医学と文学とにジャンル分けして論じていては、そのありようを把握できるはずもないものである。
    本書は、医学書に通じていなければ読み解けない作品、逆に言えば医学書に通じていれば簡単に読み解くことのできる作品を紹介、また、江戸期を通じて愛されたヤブ医者竹斎(ちくさい)の周辺を詳しくたどりながら、医学と文学が手を携えて作り上げた豊かな世界をつぶさに検証する。本書により、いままでとはまったく違ったもう一つの「江戸時代」が導き出される。

    【……医学書と読み物がそれぞれの必要性から、接近あるいは越境する現象が近世にはあったのである。というよりは、その当たり前の現象を、現代の学問体系から勝手に理系/文系の対立構造を押しつけて、別の領域として存在しているがごとくの共同幻想を抱く側にそもそもの問題があるのかもしれない。医学書と読み物との間には実は何もなく、ただ現代の学問が作り上げた「異領域」という幻想があるだけなのかもしれない。】……第1章第6節より
  • 著者について

    福田 安典 (フクダ ヤスノリ)
    1962年大阪生。大阪大学文学部卒。同大学院文学研究科後期課程単位取得退学。博士(文学)。専門は日本近世文学。
    大阪大学助手、愛媛大学教育学部教授を経て、現在日本女子大学文学部教授。
    著書に『浪速烟花名録』(大阪大学国語学国文学研究室編、和泉書院、1995年)、『都賀庭鐘・伊丹椿園集』(共著・国書刊行会、2001年)、『医説』(三弥井書店、2002年)、『三輪田米山日記を読む』(共著、創風社、2011年)、『平賀源内の研究 大坂篇―源内と上方学界』(ぺりかん社、2013年)などがある。

医学書のなかの「文学」―江戸の医学と文学が作り上げた世界 の商品スペック

商品仕様
出版社名:笠間書院
著者名:福田 安典(著)
発行年月日:2016/05/10
ISBN-10:4305708043
ISBN-13:9784305708045
判型:A5
対象:一般
発行形態:単行本
内容:日本文学評論・随筆
言語:日本語
ページ数:276ページ
縦:21cm
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