水俣の記憶を紡ぐ―響き合うモノと語りの歴史人類学 [単行本]
    • 水俣の記憶を紡ぐ―響き合うモノと語りの歴史人類学 [単行本]

    • ¥5,500165 ゴールドポイント(3%還元)
    • 在庫あり2025年8月14日木曜日までヨドバシエクストリームサービス便(無料)がお届け
100000009002858429

水俣の記憶を紡ぐ―響き合うモノと語りの歴史人類学 [単行本]

価格:¥5,500(税込)
ゴールドポイント:165 ゴールドポイント(3%還元)(¥165相当)
お届け日:在庫あり今すぐのご注文で、2025年8月14日木曜日までヨドバシエクストリームサービス便(無料)がお届けします。届け先変更]詳しくはこちら
出版社:慶応義塾大学出版会
販売開始日: 2017/10/14
お取り扱い: のお取り扱い商品です。
ご確認事項:返品不可
店舗受け取りが可能です
マルチメディアAkibaマルチメディア梅田マルチメディア博多にて24時間営業時間外でもお受け取りいただけるようになりました

水俣の記憶を紡ぐ―響き合うモノと語りの歴史人類学 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    本書では、水俣病の経験を、運動・訴訟や社会的状況のみならず、個々人をとりまく生活世界とも連動しながら、記憶が紡がれてゆくプロセスとして描き出し、チッソが水俣に工場を設立して以降のおよそ二〇年という時間軸のなかに位置づけてゆく。モノや語りに表象される過去の水俣病経験ではなく、モノや語りを媒介としながら、今なお生きられる水俣病経験のダイナミックなありよう、被害/加害の対抗図式を超えて、「当事者」の“顔”を描き出す、気鋭の力作。
  • 目次

    序 章
     第1節 本書の射程――水俣が切りひらく問い 
     第2節 「現在」を解きほぐす――歴史人類学の視点
      1 記憶をいかに捉えるか
      2 「民族誌的現在」
      3 「文化の構築」論のジレンマ
      4 実践される歴史への通時的アプローチ  
     第3節 モノの力――「物質文化研究」の視点
      1 「解釈人類学的なモノ研究」
      2 「物質文化研究」の通時的視点――「モノの再文脈化」論
      3 エージェンシー論の射程
     第4節 「響き合うモノと語りの歴史人類学」へ
     第5節 本書の構成とフィールドワークの概要

    第1章 水俣の歴史的概要
     第1節 水俣市の概要
     第2節 水俣の近代化
      1 不知火の海
      2 チッソ工場設立による工業化の進展(一九〇八~五六年)
      3 水俣病の隠蔽と重層的な差別(一九五六~六八年)
      4 水俣病第一次訴訟と自主交渉闘争(一九六八~七三年)
      5 未認定患者運動の興隆と水俣湾の埋立て(一九七三~九〇年)
      6 地域再生事業の展開とその後(一九九〇年~現在)
     第3節 「水俣研究」の歩み
      1 水俣病が顕在化する以前の水俣研究(一九〇八~五六年)
      2 加害と被害の実態解明(一九五六~七三年)
      3 近代化論の再検討(一九七三~九〇年)
      4 水俣の歴史構築(一九九〇年~現在)

    第2章 水俣湾埋立地の景観形成過程
     第1節 水俣湾埋立地の現景観
     第2節 埋立てをめぐる多様な立場と主張(一九七七~八〇年)
     第3節 埋立地活用をめぐる対話と歩み寄り(一九八〇~九〇年)
     第4節 新たな対立の顕在化(一九九〇~九九年)
     第5節 「本願の会」の活動
      1 「本願の会」について
      2 「本願の会」による石像製作の概要
      3 石彫りの過程にみる「受け手」としての「つくり手」

    第3章 水俣の景観に立つ五二体の石像たち
    ――「本願の会」による石像の形態と空間配置をめぐって
     第1節 はじめに 
     第2節 モノを媒介とした歴史構築の実践
      1 石像の建立と「日月丸」の航海
      2 「本願の会」による石像の形態的特徴
      3 石像の形態と空間配置の経時的変化に関する分析
      4 石像建立による歴史構築の実践
     第3節 石像の「個性」について
      1 多面に配置されるモチーフと記銘
      2 モチーフ間の連鎖的関係
     第4節 おわりに 

    第4章 モノを媒介とした水俣病経験の語り直し
    ――「本願の会」メンバーのライフヒストリーをめぐる一考察
     第1節 はじめに
     第2節 水俣病顕在化以前の漁村の暮らし
      1 沖集落の成り立ちと漁業の変遷
      2 幼少期のO氏の暮らし
      3 水俣病の発生
     第3節 石像建立に至るまでのO氏の語りの変化
      1 水俣病をめぐる運動への参加(一九七四~八五年)
      2 運動の離脱から石彫りの開始まで(一九八六~九六年)
     第4節 石像の建立と水俣病経験の語り直し
     第5節 「一人の私」に立ち返る
      1 漁師としてのO氏
      2 加害と被害の相対化をめぐって
      3 モノとコト

    第5章 モノが/をかたちづくる水俣の記憶
    ――「本願の会」メンバーによる石像製作と語りの実践を事例に
     第1節 モノと語りの相互作用をめぐる問題
     第2節 石像を介した死者をめぐる想起の変容――J氏の事例
      1 新たな生き方を求めて
      2 水俣での出会いと石像の建立
      3 J氏によるY氏についての語り(二〇〇八年の語り)
      4 石像を介して死者の声を語り直す(二〇〇九年以降の語り)
     第3節 語りえなさに関与する石像――A氏の事例
      1 神が寄りつく渚
      2 「五、六歳」の時間がもつ意味(二〇〇八年の語り)
      3 言語化を促す触媒としての石像(一九九四~二〇〇八年)
      4 語りえない心情を想起させる石像(二〇〇九年の語り)
      5 周囲の景観と複合的に作用する石像(二〇〇九年以降の語り) 
     第4節 石像のマテリアリティ 

    終 章
     第1節 「響き合うモノと語り」の分析
     第2節 「本願の会」が切りひらくもの
      1 「相対あいたい」というキーワード
      2 水俣湾の埋立てと新たな連帯――「もう一つのこの世」
      3 「本願の会」への批判――「闘い」とは何か
      4 重層的な〈つながり〉を生きる
     第3節 「毒」を引き受ける
      1 「のさり」の海
      2 「問い」を喚起する石像
     第4節 Anthropology of object/ thing/ materialから「もの
        (mono)」の歴史人類学へ



    参考文献
    あとがき
    初出一覧
    索引 
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    下田 健太郎(シモダ ケンタロウ)
    1984年東京生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。2015年慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(史学)
  • 出版社からのコメント

    本書は水俣病の経験を生活世界とも連動し、記憶が紡がれてゆくプロセスとして描き、チッソが水俣に工場を設立して以降に位置づける。
  • 内容紹介

    ▼「一人の私」に立ち返る――。

    本書では、水俣病の経験を、運動・訴訟や社会的状況のみならず、
    個々人をとりまく生活世界とも連動しながら、記憶が紡がれてゆくプロセスとして描き出し、
    チッソが水俣に工場を設立して以降のおよそ110年という時間軸のなかに位置づけてゆく。
    モノや語りに表象される過去の水俣病経験ではなく、モノや語りを媒介としながら、
    今なお生きられる水俣病経験のダイナミックなありよう、
    被害/加害の対抗図式を超えて、「当事者」の〈顔〉を描き出す、気鋭の力作。
  • 著者について

    下田 健太郎 (シモダ ケンタロウ)
    下田 健太郎
    1984年東京生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。
    2015年慶應義塾大学文学研究科博士課程単位取得退学。博士(史学)。主な業績に、「モノによる歴史構築の実践――水俣の景観に立つ52体の石像たち」(『文化人類学研究』12巻、2011年)、「モノが/をかたちづくる水俣の記憶――『本願の会』メンバーによる石像製作と語りの実践を事例に」(『次世代人文社会研究』11号、2015年)、“Possible Articulations Between the Practices of Local Inhabitants and Academic Outcomes of Landscape History: Ecotourism on Ishigaki Island”(H. Kayanne ed. Coral Reef Science: Strategy for Ecosystem Symbiosis and Coexistence with Humans under Multiple Stresses

水俣の記憶を紡ぐ―響き合うモノと語りの歴史人類学 の商品スペック

商品仕様
出版社名:慶應義塾大学出版会
著者名:下田 健太郎(著)
発行年月日:2017/10/20
ISBN-10:4766424832
ISBN-13:9784766424836
判型:A5
対象:専門
発行形態:単行本
内容:日本歴史
言語:日本語
ページ数:285ページ ※283,2P
縦:22cm
他の慶応義塾大学出版会の書籍を探す

    慶応義塾大学出版会 水俣の記憶を紡ぐ―響き合うモノと語りの歴史人類学 [単行本] に関するレビューとQ&A

    商品に関するご意見やご感想、購入者への質問をお待ちしています!