地域環境学―トランスディシプリナリー・サイエンスヘの挑戦 [単行本]

地域環境学―トランスディシプリナリー・サイエンスヘの挑戦 の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  地域環境知、レジデント型研究者、知識の双方向トランスレーター、そしてさまざまな地域の人々…複雑な社会生態系システムのふるまいと課題を多様なアクターとともに読み解き、意思決定とアクションを促して、世界中のフィールドで困難な環境問題の解決に取り組む。ローカルとグローバルをつなぎ、持続可能な未来に向かってダイナミックに展開される知の共創のストーリー。

• 目次

  はじめに　佐藤　哲
  
  序章　意思決定とアクションを支える科学――知の共創のしくみ　佐藤 哲
  
  Ｉ　知識を創りだす
  1 伝統農業の知識に学ぶ――トルコ乾燥地帯の地下水資源管理　久米 崇，エルハン・アクチャ
  2 生業から生まれる知識と技術――里海づくりと自伐型林業　家中 茂
  3 地域の知と知床世界遺産――知床漁業者と研究者　松田裕之，牧野光琢，イリニ・イオアナ・ヴラホプル
  4 ステークホルダーと科学者による知の共創――フロリダのホタテガイ再生　マイケル・クロスビー，バーバラ・ラウシュ，ジム・クルター（翻訳：佐藤 哲）
  
  Ⅱ　価値を可視化する
  5 野生復帰が可視化した地域の価値――コウノトリ再生の物語　菊地直樹
  6 シマフクロウがもたらす一次産業のビジョン――西別川の流域再生　北村健二，大橋勝彦
  7 生業から創発するイノベーション――マラウィ湖の自然資源管理　ダイロ・ペムバ，中川千草，佐藤 哲
  
  Ⅲ　プロセスを動かす
  8 順応的なプロセス管理――持続可能な地域社会への取り組み　宮内泰介
  9 協働が駆動する社会的学習――カナダの生物圏保存地域　モーリーン・リード，パイビ・アバーンティ（翻訳：北村健二）
  10 人材が育つ仕組み――里山マイスターがもたらすもの　中村浩二，北村健二
  11 地域を動かすカタリスト――白保のサンゴ礁保全　上村真仁
  
  Ⅳ　つながりを創りだす　
  12 生産者と世界のつながり――地域が使いこなす認証制度　大元鈴子
  13 地域に生かす国際的な仕組み――ユネスコMAB計画　酒井暁子，松田裕之
  14 地域が動かす沿岸資源管理――海洋保護区ネットワーク　鹿熊信一郎，ジョキム・キトレレイ
  15 多様な人々をサケがつなぐ――コロンビア川流域のサーモン・セーフ認証　ケビン・スクリブナー，大元鈴子
  
  Ⅴ　意思決定とアクションを支える　
  16 選択肢の道具箱――漁業管理ツール・ボックス　牧野光琢，但馬英知
  17 協働を支えるバウンダリーオブジェクト――砂漠都市のための意思決定センター　デイブ・ホワイト，ケリー・ラーソン，アンバー・ウティッヒ（翻訳：竹村紫苑，佐藤 哲）
  18 地域の取り組みをつなぐ仕組み――地域環境知シミュレーター　竹村紫苑，三木弘史，時田恵一郎
  19 政策形成を支える知識――アメリカのレジリエンス計画　ジェニファー・ヘルゲソン（翻訳：佐藤 哲）
  20 持続可能な未来ビジョンの共創――北極圏の広域的トランスディシプリナリー研究　イアン・チャバイ（翻訳：佐藤 哲）
  
  終章　複雑で解決困難な課題に立ち向かう科学を求めて――地域環境学のこれから　佐藤 哲
  
  おわりに　佐藤 哲

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  佐藤 哲(サトウ テツ)
  １９５５年北海道に生まれる。１９８５年上智大学大学院理工学研究科博士課程修了。ＷＷＦジャパン・自然保護室長、マラウィ大学・助教授、長野大学・教授などを経て、２０１２‐２０１７年大学共同利用機関法人人間文化研究機構・総合地球環境学研究所「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理（地域環境知プロジェクト）」・プロジェクトリーダー。現在、愛媛大学社会共創学部・教授、総合地球環境学研究所・名誉教授、理学博士。専門、地域環境学
  
  菊地 直樹(キクチ ナオキ)
  １９６９年香川県に生まれる。１９９９年創価大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得退学。兵庫県立大学・講師／兵庫県立コウノトリの郷公園・研究員を経て、２０１３‐２０１７年大学共同利用機関法人人間文化研究機構・総合地球環境学研究所「地域環境知形成による新たなコモンズの創生と持続可能な管理（地域環境知プロジェクト）」・プロジェクト共同リーダー。現在、金沢大学人間社会研究域附属地域政策研究センター・准教授、博士（社会学）。専門、環境社会学

• 内容紹介

  地域社会の環境問題から地球規模の環境問題へ――科学者，生産者，地域住民など，多様なステークホルダーによって生み出された科学知や在来知を統合したさまざまな「地域環境知」に着目し，環境問題の解決と持続可能性の実現をめざして，「地域環境学」として新たに体系化する．

• 著者について

  菊地　直樹 (キクチ ナオキ)
  金沢大学人間社会研究域附属地域政策研究センター准教授

地域環境学―トランスディシプリナリー・サイエンスヘの挑戦 の商品スペック