殺陣師段平 [DVD]

殺陣師段平 [DVD] の 商品概要

• 特典

  映像特典収録

• ■殺陣師段平

  解説

  白刃の雨をくぐって悲願の殺陣に全生涯を賭ける男！／芸道一路！眞剣悲壮の凡夫像！／お春、死ぬなーっ！山田五十鈴のほつれ髪…。／肺腑えぐる段平の鬼気迫る臨終の殺陣！／長谷川幸延の名戯曲を黒澤明が脚色、月形龍之介、市川右太衛門を配して、マキノ雅弘監督が芸と人情の機微を鮮やかに描いた傑作。／新しい時代の芸風を舞台に表現して演劇界に新境地を拓き、今日の新国劇の基礎を築いた澤田正二郎と、時代の波に取り残されながらも芸道一筋に生きる段平との美しい師弟愛を軸に、段平の妻・お春の至純の愛を通じて芸道芸術に生きる人々の真剣な姿を下町情緒の中にたっぷりと描いたマキノ雅弘の珠玉の名篇。長谷川幸延の同名戯曲を黒澤明が脚色。／出演は段平に月形龍之介、お春に山田五十鈴、娘おきくに月丘千秋、澤田正二郎に市川右太衛門という豪華顔合わせ。その他に初音麗子、進藤英太郎、杉狂児、加賀邦男、原健作、加藤嘉ら実力派演技陣が脇を固めている。原作は長谷川幸延、脚色は黒澤明、撮影は三木滋人、監督はマキノ雅弘。艶麗山田五十鈴のほつれ髪、月形龍之介の鬼気迫る演技に肺腑をえぐられる傑作。

  ストーリー

  澤田正二郎の出し物が『国定忠治』を演ることになって、段平はとても嬉しかった。だが立稽古になると澤田は「段平の型にはリアリズムがない。写実がない。私は人生の厳しさを立ち回りの型に求めたいのだ」と厳しく段平に言った。写実の意味もリアリズムの言葉も理解できない段平は写実の意味を解こうと必死に悩むのだった。関谷町にある髪結いのお春の店が段平の家だ。梳き子のおきくが甲斐甲斐しく働いている。いつか段平が連れてきた身寄りのない娘で、生みの母より親身になって世話してきたお春なのだ。髪結いに来る客の間で語られる新国劇の話題に、お春もおきくも我が事のように胸を躍らせていた。澤田正二郎一座は東京で『国定忠治』を上演していて、二の替りに出す『月形半平太』で段平は殺陣をつけるため東京へ上る筈だったが、興行が不評で二の替りを出さずに打ち上げるようにと会社命令が出た。お春やおきくの心尽くしの旅仕度も無駄になって、酒を呷る段平の気持ちは切なかった。その時、澤田から電話がかかってきて、「二の替りを出すまでは死んでも帰らん」と言って段平を東京に呼び寄せた。遂に新国劇は認められ、殺陣師段平の名声も上がった。そんな時、大阪からお春の病気の報せが飛び込んできた。段平は有無も言わず劇団の金八十円を持って飛び出して行った。時が移り、新国劇は京都南座で『国定忠治』を上演していた。しかし無理を重ねた段平は、木屋町の漬物屋の二階で臨終の床にあった。南座から駆けつけた澤田の目の前で、段平は忠治の死に際の立ち回りの型をつけて息絶える。「お父つあんは生みの我が子の手も握らず、刀持って死にました」と啜り泣くおきくの泣き声が京の夕暮れにいつまでも聞こえていた。

殺陣師段平 [DVD] の商品スペック