もう一人の彼女―李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ [単行本]

もう一人の彼女―李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  伝説の女優・李香蘭と山口淑子、終戦を挟んで何が断絶し、何がつながっているのか。彼女が多く残した自伝で語らなかったことはあったのか。新資料を基に、神話を乗り越え、全く新しい李香蘭像を描く。

• 目次

  はじめに
  
  
  第１章　｢李香蘭」誕生と「父」たち
  　１　語る李香蘭――山口淑子インタビュー
  　２　｢李香蘭」誕生
  　３　父，山口文雄とは何者か
  
  第２章　幻の『支那の夜』を求めて
  　１　満映女優「李香蘭」の誕生
  　２　『支那の夜』の検閲と大東亜共栄圏
  　３　戦時下の米国で観られた『支那の夜』――プロパガンダ分析
  　４　ＧＨＱ占領期における『支那の夜』評価
  
  第３章　『私の鶯』とロシアン・コネクション
  　１　お蔵入りになった『私の鶯』
  　２　親友リューバの謎
  
  第４章　上海映画と彼女
  　１　孤島期上海――映画合作／映画工作のグレーゾーン
  　２　租界上海の映画とインテリジェンス
  　３　映画『上海の女』――表象の転移と再編
  
  第５章　｢李香蘭」――暴露と神話化の欲望
  　１　日中をまたぐ身体
  　２　｢李香蘭」日本人説の浸透力
  
  第６章　田村泰次郎と彼女
  　１　戦時下の二人
  　２　検閲の実際――『春婦伝』のこと
  
  第７章　｢シャーリー・ヤマグチ」の誕生
  　１　ＧＨＱ占領期の彼女
  　２　はじめてのアメリカ
  
  第８章　｢ノグチ・ヨシコ」の誕生まで
  　１　ハリウッド映画の彼女
  　２　パール・バックと彼女
  　３　石垣綾子と彼女
  
  第７章　赤狩りのアメリカと彼女
  　１　米国公文書館所蔵「山口淑子ファイル」から――「ロシアン・クリスマス事件」
  　２　父と中国
  　３　キャノン機関
  
  第８章　香港映画の「李香蘭｣
  　１　戦後の「李香蘭」ブーム
  　２　合作映画『白夫人の妖恋』
  
  
  あとがき
  主要参考文献
  主要人名索引

• 出版社からのコメント

  満洲，日本，アメリカで活躍しいくつもの名前を持つ「彼女」．戦中戦後を貫く新しい「彼女」の姿を描く．

• 内容紹介

  戦時中、満洲で中国人女優として活躍した李香蘭、日本の敗戦を受けて日本人として活躍を始め、アメリカ・ハリウッドにも進出する。いくつもの名前を持つ彼女だが、戦中・戦後を貫いて持っていた本当の顔は？　残された自伝とさまざまな資料と突き合わせて浮かび上がってくる、新しい李香蘭像を描く。

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  川崎 賢子(カワサキ ケンコ)
  東京女子大学大学院文学研究科修了。博士（文学）。文芸評論家、立教大学特任教授。主な著書に『彼等の昭和―長谷川海太郎・〓二郎・濬・四郎』（サントリー学芸賞、白水社、１９９４年）など

• 著者について

  川崎 賢子 (カワサキ ケンコ)
  川崎賢子(かわさき けんこ)
  東京女子大学大学院文学研究科修了．博士(文学)．文芸評論家，立教大学特任教授．
  主な著書に，『少女日和』(青弓社，1990年)『蘭の季節』(深夜叢書社，1993年)『彼等の昭和――長谷川海太郎・潾二郎・濬・四郎』(サントリー学芸賞，白水社，1994年)『宝塚――消費社会のスペクタクル』(講談社選書メチエ，1999年)『読む女書く女――女系読書案内』(白水社，2003年)『宝塚というユートピア』(岩波新書，2005年)『尾崎翠 砂丘の彼方へ』(岩波書店，2010年)『占領期雑誌資料大系文学編』(共編著，岩波書店)ほか．

もう一人の彼女―李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ の商品スペック