障害者排除の論理を超えて-津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る [単行本]
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障害者排除の論理を超えて-津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る [単行本]

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出版社:批評社
販売開始日: 2019/04/16
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障害者排除の論理を超えて-津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    障害者の殺傷事件や強制不妊手術問題に内在する優生学・優生思想の現在を検証し、新たな障害文化の共有と共生社会の実現可能性を探る一つの試み。
  • 目次

    はじめに

    Ⅰ 障害者の存在を否定する二つの出来事
    1 津久井やまゆり園殺傷事件
    1)殺傷事件の概要
    殺傷現場の状況/障害者の存在を否定する植松被告の一連の言動
    2)事件に対する社会の反応
    障害当事者の反応/行政の反応/識者らの反応
    3)事件によって顕在化した障害者に関わる問題
    施設入所でなかったら、殺傷規模はもっと小さかった/入所施設の防犯強化の動きとその問題/入所施設の閉鎖性の問題/障害者を隔離する意図が含まれていた/植松被告の考えは施設で育まれたのではないのか/入所施設における職員の入所者に対する反応/家族の入所施設に対する反応/施設への入所の理由/障害者自身の高齢化・重症化/施設入所に至るまでの親の介護負担/施設入所させる親の自責の念/施設入所者の地域生活移行の動向/今後の障害者入所施設に求められる機能/施設職員のモラルを高めるための取り組み/新しい生活の場への移行についての障害のある子どもの意志の把握/親の介護負担を軽減させるには/子どもの自立に向けての介護を担わない選択
    4)津久井やまゆり園殺傷事件をめぐる匿名報道について
    被害者の匿名報道は障害者差別ではないか/匿名報道が本当に家族の希望だったのか
    2 障害者の強制不妊手術をめぐる問題
    1)旧優生保護法下での強制不妊手術の実態
    強制不妊手術の被害者が訴訟を起こした/旧優生保護法下における優生手術が行われた件数/強制不妊手術を受けさせられた人たちの声/女性障害者に子宮摘出手術まで行われていた/優生保護審査会のずさんな審査/障害児の発生予防を怠った人への攻撃
    2)強制不妊手術が違憲であることの法的根拠
    3)旧優生保護法の展開
    旧優生保護法の法案段階で問題が指摘されていた/強制不妊手術はなぜ拡大したか/旧優生保護法の優生条項をもっと早い時期に削除できなかったのか
    参考・引用文献

    Ⅱ 障害者の存在価値を否定する視点及びその問題点
    1 社会・国家に役に立つかどうかという視点
    1)障害者にかかわる経済的負担を軽減する施策
    ナチス・ドイツの障害児安楽死「T4作戦」/障害者殺戮計画の根拠となった論文
    2)障害者が産まれないようにして財政負担を軽減する施策
    デンマークにおける不妊化による施策/出生前診断によって障害児の数を減らす/カリフォルニア州における出生診断の拡大/イギリスにおけるダウン症のある胎児のスクリーニングプログラム/出生前診断が抱える問題/我が国における障害者にかかる経済的負担軽減を求める考え
    3)社会・国家に役に立つかどうかという視点とその問題点
    排除される対象の判断は恣意的な基準によって決められる/排除の対象が拡大する危険性は現代の社会にも潜んでいる/生命を危うくする事態に発展することを抑止する/
    2 障害者は次の世代に悪い資質を遺伝させるという視点
    1)優生学に基づく障害者の排除
    社会ダーウィニズムが想定した「社会の進化」/優生学が誕生した時代のイギリスの社会的背景/劣った人間を排除しようとする動き/優生学の誕生と普及
    2)アメリカにおける優生思想の実践――断種法の実施――
    1900年前後のアメリカの社会的背景/知的障害者が社会不安の元凶とされた/断種法の成立と拡大
    3)スウェーデンにおける不妊化による施策――福祉を充実させるために―
    4)日本における優生思想の実践
    外国の影響を受けての「国民優生法」の制定/戦後、さらに優生思想が強化された/優生手術の対象の拡大/「人口の資質向上」のため優生政策が継続される/福祉の充実とともに障害児の発生防止が叫ばれる/旧優生保護法が廃止されるまで
    5)障害者は次の世代に悪い資質を遺伝させるという視点とその問題点
    未熟な遺伝学を根拠とした優生学/障害者が少なくなる社会が現在の我が国で可能であろうか/医師は国家の中でも最も危険な人物となるであろう
    3 障害者の存在が本人や周囲の人を不幸にするという視点
    1)障害者は不幸だという考え方を示す過去の事例
    腸閉塞を合併して誕生したダウン症の子どもの手術を親が拒否した事例/兵庫県の「不幸な子どもの生まれない県民運動」
    2)本人、親は、障害は不幸であると思っているのか
    3)さまざまな言葉で幸福感を表現
    この子を生んで良かった/この子と一緒にいられることが幸せ/この子に感謝/幸福とは定義が不可能で主観的なもの/家族とのつながり/地域とのつながり/重度障害者の幸福感は
    参考・引用文献

    Ⅲ 障害者の存在が健全で安らかな社会をつくる
    1 「個人の尊重」という理念を定着させるために
    1)「個人」をどのように捉えるか
    2)「人間の尊厳」をどのように捉えるか
    「人間の尊厳」についての従来の考え方/脳に器質的・機能的な障害持つ人たちは「人間の尊厳」を持たないことになる/すべての人に「人間の尊厳」があるとする考え/すべての人に適用される「人間の尊厳」の概念の構築を
    2 生命が存在することそのものに価値があるという視点
    1)人間は奇跡的存在 それだけでも価値がある
    仏教の教え「人身受け難し」/生命誕生の奇跡
    2)シュヴァイツァー「生命への畏敬」
    「生命への畏敬」の理念が形成される時代的背景/「生命への畏敬」の倫理の誕生/「生命への畏敬」の倫理が抱える矛盾/「生命への畏敬」の今日的意義
    3)「いる」ことだけで尊い
    3 人間の価値に線引きはできないという視点
    1)人間の価値に線引きできないとする根拠
    「生」こそがあらゆる価値判断の基盤/人間の存在への懐疑/現代の若者に見られる「生きる意味」の喪失/障害児・者も障害のない人も生きる価値をもって生まれてきたわけではない
    2)人間の存在の価値は自分自身で創造する
    生きたいという本能を人間はもっている/人間一人ひとりの存在理由、存在する価値を自ら見出す/価値観は多様であり、優劣は付けられない
    4 障害児・者から発信される価値
    1)周囲の人たちの人生観、価値観を変える
    ボランティアの「報酬」/父親が障害のある子どもからもらう「報酬」/障害のある姉から妹がもらう「報酬」/母親が障害のある娘からもらう「報酬」/医師が障害のある子どもからもらう「報酬」/障害当事者自らが与えたと感じる「報酬」
    2)思想的な視点を創出する契機を提供する
    糸賀の問題意識/差別の解消のために知的障害者の生産性を高めるという問題点/精神薄弱者を世の光に/重度心身障害児の自己実現の姿にふれて/重症心身障害児・者と療育者との「共感の世界」/この子らを世の光に
    3)障害児・者に触発された人が社会に影響を与える
    下呂市 特別支援学校設立の訴えを契機として/医療的ケア児への支援体制の整備へ
    4)障害者の存在が会社を活性化させる
    調査結果に見られる障害者雇用への社内効果/障害者雇用がなぜ会社全体を活性化させるのか
    5)障害のない人の生活へプラスの影響を及ぼす
    ユニバーサル・デザインはどのようにして生まれたか/障害児への教育方法が障害のない子どもの教育の質を高める
    5 障害者は、健全で安らかな人間社会を存続させるために必要な存在
    1)障害者は人間社会を構成する一単位として機能を果たしている
    人間社会と類似した森の構造/社会を構成する「関係の網」の重要な網目
    2)基本的人権がその社会で尊重されているかどうかを評価する試金石
    憲法第九十七条が意図していること/第九十七条が基本的人権の尊重をなぜ現在の私たちに信託したのか/基本的人権が尊重されているかどうか障害児・者が教えてくれる
    参考・引用文献

    おわりに
  • 内容紹介

    2016年7月に勃発した津久井やまゆり園殺傷事件の背景には、障害者を「生きるに値しない生命」としてとらえる優生思想、障害者福祉を社会的コストと考える功利主義という短絡的思考が存在する。こうした障害者差別と優生思想は、現代日本でも間断的にキリスト者・曽野綾子の言動のように現れてくる。そして一般の夫婦にも、出生前診断によって生まれてくる生命を選別して障害を持って生まれてくる生命を否定する思考として広がりをみせてきた。
    障害者の殺傷事件や強制不妊手術問題に内在する優生学・優生思想の現在を検証し、障害者は存在することに価値があるという思想の共有と共生社会の実現可能性を探る一つの試み。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    阿部 芳久(アベ ヨシヒサ)
    東北大学大学院教育学研究科修士課程修了(心身欠陥学専攻)。宮城県立光明養護学校(教諭)、仙台市立荒町小学校(教諭、自閉症児の学級担任)を経て、東北福祉大学教授。東北福祉大学在任中は、社会福祉学科長、認知症介護研究研修仙台センター副センター長、特別支援教育研究センター長を兼任する。現在、東北福祉大学名誉教授、NPO法人ひよこ会理事、発達支援ひろがりネット顧問
  • 著者について

    阿部芳久 (アベヨシヒサ)
    東北大学大学院教育学研究科修士課程修了(心身欠陥学専攻)。
    宮城県立光明養護学校(教諭)、仙台市立荒町小学校(教諭、自閉症児の学級担任)を経て、東北福祉大学教授。
    東北福祉大学在任中は、社会福祉学科長、認知症介護研究研修センター副センター長、特別支援教育研究センター長を兼任する。
    現在、東北福祉大学名誉教授、NPO法人ひよこ会理事、発達支援ひろがりネット顧問。
    著書に『入門 障害児教育の授業』『障害児教育 授業の設計』『知的障害児の特別支援教育入門』『知的障害を伴う自閉児の特別支援教育』(以上、日本文化科学社)、『はちみつレモンでバトンタッチ』(中央法規)、『詩集 奇異雑譚』(書肆山田)。

障害者排除の論理を超えて-津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る の商品スペック

商品仕様
出版社名:批評社
著者名:阿部 芳久(著)
発行年月日:2019/03/25
ISBN-10:4826506945
ISBN-13:9784826506946
判型:A5
発売社名:批評社
対象:専門
発行形態:単行本
内容:社会
言語:日本語
ページ数:254ページ
縦:21cm
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