朝貢・海禁・互市―近世東アジアの貿易と秩序 [単行本]

朝貢・海禁・互市―近世東アジアの貿易と秩序 [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  天下を統べる皇帝と朝貢する蕃夷諸国―この美しい理念の外形を辛うじて保っていた明代の通商外交体制も、海と陸の辺縁からの衝撃で転換を迫られ、やがて清代には互市が広がっていく。西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証。

• 目次

  凡例
  
  序　章　朝貢体制論の再検討
  1　天朝にとっての朝貢と互市
  2　制度と概念
  3　朝貢体制の論理とその性格
  
  第1章　明の朝貢拡大策と礼制の覇権主義
  はじめに
  1　覇権の構造
  2　対外関係の再構築
  3　礼制の反対と屈折
  小結
  
  第2章　貿易の独占と明の海禁政策
  はじめに
  1　宋元時代の市舶司と貿易の独占
  2　自然経済と礼法秩序
  3　対日経済制裁としての海禁の強化
  4　貿易独占と朝貢一元体制
  小結
  
  第3章　辺境社会と「商業ブーム」
  はじめに
  1　越境する華人たち
  2　辺縁の商業ブーム
  3　中心と辺縁
  4　辺縁をかけめぐる銀
  小結
  
  第4章　16世紀中国における交易秩序の模索と互市
  はじめに
  1　「祖宗の典章」
  2　広東、礼部、戸部
  3　抽分制度の確立
  4　「一切の法」と客綱
  5　「不治もてこれを治む」
  小結
  
  第5章　清代の互市と「沈黙外交」
  はじめに
  1　「反清復明」の終焉と海禁の解除
  2　互市の遠心性と合理性
  3　正徳新令をめぐる紛糾
  4　1740年のジャワ華僑虐殺事件と互市
  小結
  
  第6章　南洋海禁の撤回とその意義
  はじめに
  1　南洋海禁とその前後
  2　海外華人情報と海防
  小結
  
  終　章　互市における自由と隔離
  はじめに
  1　朝貢・海禁・互市の相渉
  2　独占と自由
  3　互市における自由
  4　政権と商人との互動
  5　外交への消極性
  6　「互市諸国」の概念
  7　貿易の管理と隔離
  終わりに
  
  注
  引用文献書目
  後書き
  索引

• 出版社からのコメント

  朝貢体制論を超えて、「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証。

• 内容紹介

  「天下を統べる皇帝と朝貢する蕃夷諸国」という美しい理念の外形を辛うじて保っていた明代の通商外交体制も、海陸の辺縁からの衝撃で転換を迫られ、やがて清代には互市が広がる。西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証。
  
  図書館選書
  朝貢体制論を超えて、西洋とは異なる「もう一つの自由貿易」への構造変動を、日本の役割も含めて跡づけ、新たな歴史像を実証する労作。

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  岩井 茂樹(イワイ シゲキ)
  １９５５年福岡県に生まれる。１９８０年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都大学人文科学研究所教授、博士（文学）

• 著者について

  岩井 茂樹 (イワイ シゲキ)
  1955年　福岡県に生まれる
  1980年　京都大学大学院文学研究科修士課程修了
  現　在　京都大学人文科学研究所教授、博士（文学）
  主　著　『中国近世財政史の研究』（京都大学学術出版会、2004年）

朝貢・海禁・互市―近世東アジアの貿易と秩序 [単行本] の商品スペック