病院家庭医―新たなSpeciality [単行本]
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病院家庭医―新たなSpeciality [単行本]

佐藤 健太(監修)宇井 睦人(監修)森川 暢(編)松本 真一(編)
価格:¥4,290(税込)
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出版社:南山堂
販売開始日: 2020/04/17
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病院家庭医―新たなSpeciality [単行本] の 商品概要

  • 目次

    【目次】
    Ⅰ章 病院医療×家庭医療学
    01 日本の中小病院医療
      病院家庭医は日本独自の新たなSpecialityだ
    02 コミュニティホスピタル
     病院家庭医が主役のコミュニティホスピタル
    03 BPSモデル
     BPSモデルは,病院での家庭医療の実践における根幹となる !
    04 患者中心の医療
     入院中だからこそ患者の○○を大切に
    05 家族志向のケア
     退院時面談に来る家族の役割は同意書にサインをするだけではない
    06 CGA
     高齢者の主病名以外もみていますか? 高齢者の再入院予防していますか?

    Ⅱ章 病院管理×家庭医の特性
    07 PDSAサイクル
     やりにくければルールを変えよう
    08 経営
     「総合医が来ると赤字になる」なんて言わせない
    09 臨床研究
     病院家庭医が発信すべき研究テーマとは
    10 EBM
     診療ガイドラインを鵜呑みにしない一歩進んだエビデンスの活用
    11 医学教育
     家庭医療教育のセンターはコミュニティホスピタルこそ最適だ

    Ⅲ章 common disease診療に家庭医療の+α
    12 リハビリテーション
     「あとはリハだけ」は芸がない,リハはあなたと療法士との協働作業
    13 感染管理
     病原体の制圧ではなく,家族や同僚,地域も守るという視点で
    14 サルコペニア
     ただ栄養を入れればいいってもんじゃない
    15 高齢者肺炎
     誤嚥性肺炎の専門家は誰なのか?
    16 ポリファーマシー
     薬剤師任せではない,おくすりの見直し
    17 マルチモビディティ
     多併存症患者の診療は,各科専門医チームと家庭医どちらがよいのか
    18 認知症
     コリンエステラーゼ阻害薬だけに頼らない認知症診療
    19 せん妄
     せん妄にセレネース それで終わり?
    20 アルコール
     アルコール依存症の主治医,自信をもってできますか?
    21 高齢者うつ
     意欲のない高齢者にできることは?

    Ⅳ章 病院におけるケアと支援
    22 values based practice
     自分の価値観を押し付けていませんか?
    23 ACP
     緊急入院するまで話を先延ばしにしていませんか?
    24 bad news tellingのスキル
     病院だからって,言い方ってもんがあるでしょ
    25 緩和ケア
     緩和ケア医じゃないし終末期のトータルマネジメントなんてできません,とは言わせない!
    26 意思決定支援
     意思決定は誰のもの?
    27 臨床倫理4分割カンファレンス
     大事な決定を医師の独りよがりでしないために
    28 周辺化された人々へのケア
     “困った患者”?? 本当に困っているのは誰だ?

    Ⅴ章 病院を起点とした地域医療
    29 病院と地域をつなぐ退院支援
     退院支援をソーシャルワーカーに丸投げしていませんか?
    30 訪問診療
     病院で行う訪問診療はこんなに凄い
    31 主治医意見書の書き方
     主治医意見書をマンネリで書いていませんか?
    32 病院で実践する訪問看護指示書
     訪問看護師の気持ちになってみる!
    33 地域包括ケア病棟
     病院家庭医と地域包括ケア病棟はベストマッチだ!


    【序文】
    なぜ今 病院家庭医なのか?

     病院家庭医とは何だろう? 非常に異な言葉に聞こえる.家庭医はわかる.ただし,家庭医は通常診療所で全人的に患者を診るドクターである.では,なぜ病院なのか? 家庭医療のプリンシプル(McWhinney, 1981)は次のようになっている.
    (1) 家庭医は人間にかかわる.このかかわりは,健康上の問題の種類によって制限されないし,終点と定義されるものがない.そのかかわりはその人が健康なときから形成されている.
    (2) 家庭医は,病気のコンテクストを理解しようとする.多くの病気はコンテクストのなかで診なければ完全には理解することができない.
    (3) 家庭医は,患者と出会うすべての機会を予防や健康教育の絶好の機会とする.
    (4) 家庭医は,診療対象を「リスクをもった人の集団(population at risk)」として考え,予防医学を実践する.
    (5) 家庭医は,自分自身を,健康問題をケアし支援するコミュニティ・ネットワークの一部分とみなす.
    (6) 理想的には,家庭医は自分の患者たちが住んでいる同じ地域に住むべきである.完全に効果的であるために,家庭医はなお目の届く近隣にいる必要がある.
    (7) 家庭医は,本来の「エコロジスト」であるべきである.家庭医は,患者を患者の家で診る.
    家で起こる人生の大きな出来事に患者の家族とともに立ち会うことが,家庭医にその患者と家族についての多くの知識を与える.
    (8) 家庭医は,医療の自覚的な面を重要と考える.これは自分自身の感情に気付くことも含まれるので,家庭医療は自己を省察する医療である.
    (9) 家庭医は,医療資源のマネジャーである.家庭医の責任は,限られた資源を患者とコミュニティ全体の利益のために管理することである.
     このプリンシプルにも書かれているように家庭医療学は全人的かつ包括的に患者自身を診るためのツールであり,その範囲は必ずしも診療所に限定していない.実際に,日本プライマリ・ケア連合学会が認定する家庭医療専門医の半数は病院で働いていることからもそれが伺える.
     私は総合内科にて医師6年目頃まで急性期の内科管理を中心に診療をしてきた.たしかに内科学に関する幅広く深い知識を身に着けることができたが,何か零れ落ちていたものがあると感じていた.内科的な問題を解決しても何かが足りないという思いをもっていた.とくに複雑なプロブレムをもった高齢者はそうであったが,それが何かがわからなかった.転機は,日本プライマリ・ケア連合学会の若手医師部会(現在は専門医部会若手医師部門)で家庭医の先生方と一緒に仕事をさせていただく機会に恵まれたことだった.そこで家庭医療学に出会い,零れ落ちていたものの正体について得心することができた.そして同期の松本真一先生と同じ病院で働くにつれて,彼が病院でも家庭医療学のフレームワークを用いて複雑な問題を鮮やかに整理する姿を目の当たりにして確信した.自分に足りなかったものは家庭医療学であったのだと.
     心不全を診療するにあたり基礎となる理論が必須であることはいうまでもない.同様に複雑系もまた,基礎となる理論が必要ではないだろうか.そこから家庭医療学を自分なりに勉強してみようと思い立った.しかし家庭医療学のテキストは診療所や在宅での実践に重きが置かれていた.とくに自分の主な診療場所であった病院での家庭医療学の実践について書かれた書籍はほとんどなかった.その思いから,南山堂の雑誌「治療」2016年10月号の特集で「病院×家庭医療」を編集させていただいた.私自身,編集を務めるには若かったが,それも病院での家庭医療の実践について知りたい一心であったからだったように思う.特集の編集を通じて,病院での家庭医療学の実践についてさらに理解できるようになっていった.また,家庭医療専門医をもちながら総合内科で病院で働くロールモデルとも出会うことができた.本書の監修をしていただいている,佐藤健太先生,宇井睦人先生をはじめ,今回の執筆者の皆さまがまさにそうである.そのような先生方が病院で家庭医療学を実践している姿をみるにつれ,病院での家庭医療学の実践が有用であると確信をもつようになった.
     また時代も病院家庭医を求めている.未曽有の高齢化社会を迎え,さらに国は地域包括ケアシステムの構築を目指している.日本の病院はおよそ70%が200床未満の小規模病院であるという特徴がある.これらの背景を考えると,小規模病院の医師は地域包括ケアの要として,院内の多職種との連携のみならず,院外のケアマネジャーや訪問看護師などの多種多様なキーパーソンとの水平連携を行う必要がある.さらに在宅診療所のバックベッドとしての役割や,大規模病院の急性期治療を終えた後にいったん受け入れるといった垂直連携も必要である.これらの連携を行うには生物学的なマネジメントだけでは難しく,包括的・俯瞰的に診ることができる家庭医療学の視点が不可欠になる.つまり中小規模病院で家庭医療学を実践する病院家庭医こそが,高齢化社会のキーパーソンとなるのだ.新専門医制度における総合診療専門医への期待は大きい.とはいえ,総合診療専門医は育成途中であり,旧制度の日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門医もまだ少数である.しかし,高齢化社会への対応と地域包括ケアシステムの構築は急務である.そこに,本書の意義がある.私のように生物学的な問題を中心に学んできた中小規模病院の勤務医は是非,本書を手に取ってほしい.自分自身が実臨床で悩んでいた疑問が見事にフレームワークや理論として言語化されていることに驚かれるだろう.そしてそれらを現場で実践することによりさらに洗練されたものになっていくことを感じると思われる.また大規模病院の医師であっても地域との連携は避けて通れないため,病院勤務医と診療所勤務医が共通の理論基盤をもつことが重要になってくる.病院勤務医が家庭医療と聞くと拒否感や違和感を覚える気持ちは私にはとてもよくわかる.しかし家庭医療学の実践とは決して絵空事や遠い世界の話ではない.皆さんが日々悩んでいる臨床の現場で複雑事例に立ち向かうときにこそ,家庭医療学はよき同伴者となってくれるのである.病院家庭医の重要性が認知され広がることこそが,高齢化社会を乗り越えるためのキーポイントであると私は確信している.病院総合診療専門医制度の議論も開始されつつある.病院総合医の技能としては臨床推論が重要視されてきた.もし仮に,臨床推論を何となく勘で適当にやっているといえばどうだろうか.心ある病院総合医は怒るだろう.では,なぜ複雑系のマネジメントを何となく勘で適当にやることに関しては寛容でいられるのだろうか.その答えこそが病院家庭医なのである.本書が多くの方の目に届くことを祈っている.

    2020年3月
    森川 暢
  • 内容紹介

    【家庭医療が診療所のものだとだれが決めた?】
    「家庭医療」というと診療所の医師が行うものと思われがちだが,実は病棟で働くうえでも家庭医療のテクニックを活かせる機会がたくさんある.
    本書は全国で活躍する気鋭の「病院家庭医」により執筆された,病院における診察やマネジメントの質を向上させる1冊である.
    実臨床で悩んでいた問題のヒントが言語化されていることに驚くはずだ.
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    佐藤 健太(サトウ ケンタ)
    勤医協札幌病院内科・総合診療科科長。2007年勤医協中央病院初期研修修了。2011年勤医協総合診療・家庭医療後期研修プログラム修了。勤医協札幌病院内科・総合診療科着任し現在に至る。日本内科学会認定総合内科専門医、日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医

    宇井 睦人(ウイ ムツヒト)
    国際医療福祉大学成田病院総合診療科助教。2007年順天堂大学医学部卒業。2009年東京都立多摩総合医療センターで救急・総合診療・離島医療を含む全科型の研修を積む。2014年より東京医療センター・川崎市立井田病院・賛育会病院で在宅を含めた幅広い緩和医療・総合診療を学ぶ。その後、東千葉メディカルセンター総合診療科(千葉大学大学院特任助教)、順天堂大学医学部附属順天堂医院緩和医療科、タムス浦安病院緩和ケア科を経て現職。日本緩和医療学会認定医・指導医、日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医、日本病院総合診療医学会認定医、日本内科学会認定総合内科専門医、医療政策学修士

    森川 暢(モリカワ トオル)
    市立奈良病院総合診療科総合診療プログラム責任者。2010年住友病院初期研修医。2012年洛和会丸太町病院救急・総合診療科後期研修医。2015年東京城東病院総合内科スタッフ。2016年東京城東病院総合内科チーフ。2018年東京城東病院総合診療科チーフ。2019年より市立奈良病院総合診療科に着任し現在に至る。日本内科学会認定総合内科専門医、日本病院総合診療学会認定医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医

    松本 真一(マツモト シンイチ)
    医療法人社団悠翔会在宅クリニック北千住副院長。2010年筑波大学卒業。2012年東京勤労者医療会東葛病院初期研修修了。2015年東京民医連家庭医療レジデンシー修了、東京城東病院総合診療科を経て、2019年6月より医療法人社団悠翔会在宅クリニック北千住に勤務し現在に至る。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医

病院家庭医―新たなSpeciality [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:南山堂
著者名:佐藤 健太(監修)/宇井 睦人(監修)/森川 暢(編)/松本 真一(編)
発行年月日:2020/04/20
ISBN-10:4525209917
ISBN-13:9784525209919
判型:B5
対象:専門
発行形態:単行本
内容:医学・薬学・歯学
言語:日本語
ページ数:250ページ
縦:26cm
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