宝塚の21世紀―演出家とスターが描く舞台 [単行本]

宝塚の21世紀―演出家とスターが描く舞台 [単行本] の 商品概要

• 目次

  第一部　〈悲劇〉を解読する（執筆　関谷由美子）
  
  第一章　新興国アメリカ、ニュー・エイジの闘い
  小池修一郎脚本・演出　月組「グレート・ギャツビー」（Ｆ・スコット・フィッツジェラルド作”The Great Gatsby”（Gatsby）より）─ フラッパーの時代
  小池修一郎脚本・演出　宙組「NEVER SAY GOODBYE ある愛の軌跡」─ デラシネから戦士へ
  
  第二章　〈失われた王国〉の物語
  生田大和脚本・演出　月組「春の雪」（三島由紀夫著「春の雪」『豊穣の海』第一巻　より）─〈成熟拒否〉の構造
  上田久美子脚本・演出　月組「月雲の皇子─衣通姫伝説より」─ どのように語るのか、物語が創られる
  上田久美子作・演出　花組「金色の砂漠」─〈局外〉への意志
  
  第三章　〈天才〉の悲劇
  原田諒脚本・演出　雪組「ニジンスキー─奇跡の舞神─」　─ 時代の転換期を生きる
  
  第四章　〈永遠〉を生きる
  木村信司脚本・演出　花組「不滅の棘」（カレル・チャペック原作『マクロプロス事件』　より）─〈期間としての人間〉であることへのオマージュ
  小池修一郎脚本・演出　花組「ポーの一族」（原作 萩尾望都『ポーの一族』小学館 フラワーコミックス）─ 気配のロマネスク
  
  
  
  第二部　宝塚の華　〈男役〉（執筆　鈴木国男）
  
  第一章　春日野八千代から轟悠へ　
  
  第二章　二十一世紀のトップスター
  男役へのアプローチ
  
  
  
  第三部　宝塚 〈美〉の中の〈思想〉（執筆 井上理惠）
  
  第一章　女性作家たちの劇世界
  植田景子の挑戦（「THE LAST PARTY～S・Fitzgerald’s last day～フィッツジェラルド最後の一日」／「クラシコ・イタリアーノ」二〇一一）
  小柳奈穂子のコメディ（「めぐり会いは再び」二〇一一／「ルパン三世――王妃の首飾りを追え！」二〇一五）
  上田久美子の問いかけ（「翼ある人々――ブラームスとクララ・シューマン」／「神々の土地～ロマノフたちの黄昏～」）
  
  第二章　男性作家たちの劇世界
  大野拓史と〝真っ直ぐな男〟（「一夢庵風流記　前田慶次」（原作隆慶一郎『一夢庵風流記』）二〇一四）
  原田諒と内なる神（「MESSIAH――異聞・天草四郎――」二〇一八）
  生田大和とコメディ（「CASANOVAカサノヴァ」）

• 内容紹介

  1914年に小林一三によって創立された宝塚少女歌劇団。宝塚が世紀を越えて存続したのは演者〈スター〉が演じる芝居〈ドラマ〉が、それも男役スターに当て書きする新作が上演され続けてきたからだ。本書は21世紀に登場した新作の演出家とスターを検証し、100年を越す〈宝塚の謎〉を解く。資料・上演年表（2000～2019）

• 著者について

  井上理惠 (イノウエヨシエ)
  桐朋学園芸術短期大学特別招聘教授。著書：『菊田一夫の仕事―浅草・日比谷・宝塚』『川上音二郎と貞奴』（全３巻）など。
  
  鈴木国男 (スズキクニオ)
  共立女子大学文芸学部教授。共著：『ベストプレイズⅡ』『戦後ミュージカルの展開』など。
  
  関谷由美子 (セキヤユミコ)
  大東文化大学人文科学研究所。著書：『藤村・漱石＜主人公＞の影』『＜磁場＞の漱石―時計はいつも狂っている』など。

宝塚の21世紀―演出家とスターが描く舞台 [単行本] の商品スペック