公正価値会計情報の有用性 [単行本]

販売休止中です

    • 公正価値会計情報の有用性 [単行本]

    • ¥3,08093 ゴールドポイント(3%還元)
100000009003359643

公正価値会計情報の有用性 [単行本]

価格:¥3,080(税込)
ゴールドポイント:93 ゴールドポイント(3%還元)(¥93相当)
日本全国配達料金無料
出版社:森山書店
販売開始日: 2020/03/16
お取り扱い: のお取り扱い商品です。
ご確認事項:返品不可

公正価値会計情報の有用性 [単行本] の 商品概要

  • 目次

    第1章 研究の課題と方法
     1.研究の課題
     2.本研究の方法
      2.1 「方法論的関連」の観点による社会制度の問題点の顕現化
       2.1.1 社会科学における「目的論的関連」の観点
       2.1.2 「目的論的関連」観点による会計制度の問題顕現化
      2.2 目標仮説の設定と規範演繹的研究
      2.3 「比較制度分析」による会計制度変化の要因分析
     3.本研究の構成
    第2章 公正価値会計制度に内在する問題点の顕現化
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.公正価値会計制度の問題点を顕現化させるための社会科学的研究方法
     3.公正価値会計制度の「目的」と「手段」の明確化
      3.1 「実現可能性」概念に含まれている公正価値会計の「目的」と「手段」
      3.2 「現在の市場収益率を獲得する能力」概念に含まれている公正価値会計の「目的」と「手段」
      3.3 「投資のリスクからの解放」概念に含まれている公正価値会計の「目的」と「手段」
     4.「目的論的関連」観点による公正価値会計制度の「社会的必要性」の特定
     5.「社会的必要性」の未充足から提起される公正価値会計制度の問題点
      5.1 「信頼性」排除の問題
      5.2 異なる2つの資本維持概念が計算書に並立する問題
     6.得られた結論―制度に内在する問題点の顕現化―
    第3章 公正価値会計制度の問題点考察のための「目標仮説」制定
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.制度に内在する問題点考察の社会科学的方法
     3.公正価値評価に係る会計基準
      3.1 わが国におけるオプション取引の会計基準
       3.1.1 「企業会計基準第10号」公表以前の評価基準
       3.1.2 「企業会計基準第10号」におけるオプション取引の会計処理
      3.2 会計基準における「公正価値ヒエラルキー」の規定
       3.2.1 FASBにおける「公正価値ヒエラルキー」の規定
       3.2.2 ASBJにおける「公正価値ヒエラルキー」の規定
     4.低ヒエラルキーのインプットによる公正価値評価額の「信頼性」欠如の問題
      4.1 低ヒエラルキーのインプットによる公正価値評価額の「信頼性」欠如
      4.2 「公正価値ヒエラルキー」による「検証可能性」欠如の補完
     5.得られた結論―本研究の「目標仮説」の設定―
    第3章 補論 ヒエラルキーのレベルが低いインプットを用いる測定値の「信頼性」の問題
     補論A ブラック・ショールズ・モデルを用いた測定値の「信頼性」の問題
      ブラック・ショールズ・モデルによるオプション価格の測定
      「ボラティリティ・スマイル」の存在による測定値の「信頼性」低下
      将来株価分布を対数正規分布と仮定したことによる測定値の「信頼性」低下
      ブラック・ショールズ・モデルを用いて計算される測定値の「信頼性」の限界
     補論B 二項モデルを用いた測定値の「信頼性」の問題
      二項モデルを用いたオプション評価のプロセス
      二項モデルによるオプション価格の計算例
      二項モデルの「変量コントロール法」によるオプション価格の計算
      二項モデルによるオプション評価の限界
    第4章 「比較制度分析」による公正価値会計への制度変化の要因分析
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.会計制度の変化の分析ツールとして「比較制度分析」を援用する意義
      2.1 「比較制度分析」における経済システムの観方
       2.1.1 経済システムを「制度の集積」と捉える観方
       2.1.2 経済システムに「安定性」と「変容性」が内在するという観方
      2.2 会計制度の変化の分析に「比較制度分析」を用いる意義
     3.「比較制度分析」で明らかとなる制度の形成と変化の基本メカニズム
     4.公正価値会計への制度変化のメカニズム
      4.1 「公正価値会計選好者の拡大」による制度変化
      4.2 「政府の介入」による制度変化
      4.3 「公正価値会計が定着した社会との交流」による制度変化
     5.おわりに―本章のまとめと次章以降への展開―
    第5章 ゲーム理論による公正価値会計情報の有用性分析
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.公正価値会計の相対的有用性検証にゲーム理論を援用する意義
      2.1 公正価値会計の優位性検証に「ゲーム理論」を援用する意義
      2.2 「ゲーム理論」による公正価値会計の優位性の基本的分析
     3.公正価値会計情報を是認する社会的インセンティブ
      3.1 利益操作による企業の資金獲得
      3.2 利益操作コストが大きい場合の投資家の出資停止
      3.3 小括―利益操作是認の社会均衡と制度化―
     4.出資意思決定に慎重さが要求されるケースにおける公正価値会計情報の有用性
      4.1 企業の利益操作による融資獲得のゲーム・ルール
      4.2 融資獲得ゲームの均衡点
     5.公正価値評価により含み損が出るケースにおける会計情報の有用性分析
      5.1 ゲーム・モデルの設定
      5.2 公正価値会計情報の開示による「企業」の利得増加のメカニズム
      5.3 公正価値会計情報の開示による「資金提供者」の利得増加のメカニズム
     6.おわりに―考察の結論―
    第6章 情報の「事前の非対称性」の存在に対する公正価値会計情報の有用性
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.情報の「事前の非対称性」が存在する場合に生じる資金提供者利得の減少メカニズム
      2.1 情報の「事前の非対称性」が存在するケースのモデル設定
      2.2 情報の「事前の非対称性」が存在するケースにおける社会的非効率の発生
     3.企業が公正価値会計情報を開示するインセンティブの存在
     4.金融商品会計情報の特質と情報の「事前の非対称性」緩和化の可能性
      4.1 金融商品取引において測定される公正価値会計情報の特質
       4.1.1 金融商品会計制度における公正価値評価導入の経緯
       4.1.2 金融商品の公正価値評価における「公正価値ヒエラルキー」の規定
       4.1.3 「デリバティブ取引」を測定するブラック・ショールズ・モデルの特質
      4.2 金融商品会計情報における情報の「事前の非対称性」緩和の可能性
       4.2.1 BSモデルの前提と限界
       4.2.2 金融商品会計情報による非対称性緩和の可能性
     5.おわりに―考察の結論―
    第6章 補論 わが国の銀行における事前モニタリングの退化とその必要性
     わが国の銀行で事前モニタリングが退化した理由
     現在の我が国における事前モニタリングの必要性
    第7章 情報の「事後の非対称性」の存在に対する公正価値会計情報の有用性
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.情報の「事後の非対称性」の存在により生じる利得減少のメカニズム
      2.1 情報の「事後の非対称性」の存在によるプリンシパルの利得減少
      2.2 情報の「事後の非対称性」が僅少な場合のプリンシパルの利得増加
     3.情報の「事後の非対称性」を緩和する公正価値会計情報
      3.1 企業モニタリングにおける「フランチャイズ・バリュー」査定の意義
      3.2 「フランチャイズ・バリュー」の査定に有用となる公正価値会計情報
     4.情報の「事後の非対称性」を緩和する減損会計情報
      4.1 減損会計情報における「信頼性」欠如の有無
      4.2 「フランチャイズ・バリュー」の査定における減損損失の戻入処理の有用性
     5.おわりに―考察の結論―
    第7章 補論 モラル・ハザードのメカニズム
    第8章 ヘッジ会計制度における公正価値会計情報の有用性
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.繰延ヘッジ会計の特質と内在する理論的問題点
      2.1 ヘッジ会計制度の概要
      2.2 繰延ヘッジ会計の特質と内在する問題点
     3.繰延ヘッジ会計制度が確立した要因の分析
      3.1 二つの社会の交流による制度変化のメカニズム
      3.2 わが国で公正価値ヘッジ会計へと制度変化しなかった事由
     4.ヘッジ会計における公正価値ヘッジの有用性
      4.1 公正価値ヘッジ会計に内在する問題点
      4.2 公正価値ヘッジ情報の繰延ヘッジ情報に対する有用性
       4.2.1 情報の「事前の非対称性」の緩和化の意義
       4.2.2 情報の「事前の非対称性」が生じるメカニズム
       4.2.3 繰延ヘッジに対する公正価値ヘッジの有用性
     5.おわりに―考察の結論―
    第9章 非営利法人会計における公正価値会計情報の有用性の考察
     1.はじめに―本章の考察目的―
     2.非営利法人会計の「基本目的」と公正価値評価の「基準」
      2.1 非営利法人会計の「基本目的」
      2.2 公益法人会計基準における公正価値評価の規定
     3.わが国の非営利法人会計における公正価値評価導入の問題点
     4.「比較制度分析」による公正価値会計導入の要因分析
      4.1 「比較制度分析」のモデル設定
      4.2 公正価値会計情報の開示による非営利法人の利得増加のメカニズム
     5.非営利法人会計における公正価値会計情報の有用性の所在
      5.1 未実現利益の認識による「信頼性」後退の問題
      5.2 財務的生存力の査定における公正価値会計情報の有用性
       5.2.1 財務的生存力の査定における金融商品の公正価値会計情報の有用性
       5.2.2 財務的生存力の査定における減損会計情報の有用性
       5.2.3 小括
     6.おわりに―考察の結論―
    第10章 研究の結論
     第2章の考察結論
     第3章の考察結論
     第4章の考察結論
     第5章の考察結論
     第6章の考察結論
     第7章の考察結論
     第8章の考察結論
     第9章の考察結論
     本研究の結論
    参考文献
    索引
  • 内容紹介

     平成24年に発足した安倍内閣は、金融緩和と財政出動により構成される"アベノミクス”を大々的に展開し、デフレ脱却、雇用拡大を一気に進めていった。それまでの政府および政策担当者は、急激に進んだ円高に十分な対処ができず、その結果我が国の経済は混迷を極めていた。いわゆる"失われた20年”が、ピークを迎えていたのである。
     そして、こうした20年の間に、金融経済を支える重要な社会制度の一つである企業会計制度は、大きな転換期を迎えた。金融商品や事業用資産に対する公正価値評価への制度の変化が、欧米を中心に世界各地に広がっていたのである。
     他方わが国では、こうした世界の潮流に反し、歴史的原価主義を固持する姿勢が、財界や学術界など広範囲において貫かれた。そもそも公正価値会計は、製造業が衰退しかつ金融業が偏向的に栄えた英国の会計観が多く盛り込まれたともいわれている。そこにおいては、運用される金融資産の"含み損益”、あるいは投下資本から添加した事業用資産の"将来キャッシュ・フロー”の価額計算が重視される。これに対しわが国では、旧来より"ものづくり”を尊重する文化・気質が維持されているため、"努力とこれに対する成果”の計算が、会計の眼目となり得ている。
     しかしながら、金融商品の多様化と相まって、ハイリスク・ハイリターンとなる取引がわが国でも増加したため、決算時における"含み損益”が看過できないものとなった。本業ではない余剰資金運用活動の業績につき、隠さずに表示・開示した方が、資金提供者の意思決定に有効となる可能性が高まったのである。
     また、投下された資本が転化した事業用資産については、経済学的に見れば、そこにおいて"使用価値”が内在している。原価会計のもとでは、当該価値の減耗分を、減価償却によって期間配分する。しかし現実には、減価償却費を大きく上回る減耗が十分に起こり得る。そこで、経営活動の基盤となる事業用資産に対しては、使用価値の"経済的実質”を隠さずに表示・開示した方が、資金提供者の意思決定に有効となる可能性が高まるはずである。
     以上のような問題意識のもとで、本研究は、原価会計情報に対する公正価値会計情報の有用性・優位性を明らかにすることを目途としている。公正価値会計制度は、欧米諸国で導入された社会制度が、言わば"黒船”的に、わが国にもたらされた経緯があり、商慣習や文化に照らせば、多くの点でそぐわない代物とも言える。しかし、それを制度として適用することが海外の趨勢に即するのであれば、その利点に目を向け、内実を科学的に分析し、しかるのち整合的に適用して行くことが、これまでわが国が採ってきた制度確立の手法に合致すると確信する次第である。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    宮本 幸平(ミヤモト コウヘイ)
    1963年神戸市生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学博士(経済学)。現在、神戸学院大学経営学部教授。京都大学公共政策大学院非常勤講師。京都大学経済学部非常勤講師。京都府公益認定等審議会審議委員。川西市上下水道事業経営審議会審議委員。丹波市入札監視委員会審議委員。会計理論学会理事。非営利法人研究学会理事。著書等に「企業会計との統一化を指向した政府会計の表示の妥当性考察」(『公会計研究』第15巻第2号、2014年 平成26年度国際公会計学会学会賞受賞)、『非営利組織会計基準の統一―会計基準統一化へのアプローチ』(森山書店、2015年 平成27年度会計理論学会学会賞受賞)など
  • 著者について

    宮本幸平 (ミヤモトコウヘイ)
    1963年 神戸市生まれ
    京都大学大学院経済学研究科博士課程修了
    京都大学博士(経済学)
    神戸学院大学経営学部教授

公正価値会計情報の有用性 [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:森山書店
著者名:宮本 幸平(著)
発行年月日:2020/03/16
ISBN-10:483942179X
ISBN-13:9784839421793
判型:A5
発売社名:森山書店
対象:専門
発行形態:単行本
内容:経営
言語:日本語
ページ数:180ページ
縦:21cm
横:16cm
厚さ:2cm
重量:410g
他の森山書店の書籍を探す

    森山書店 公正価値会計情報の有用性 [単行本] に関するレビューとQ&A

    商品に関するご意見やご感想、購入者への質問をお待ちしています!