フランス絶対主義―歴史と史学史 [単行本]

フランス絶対主義―歴史と史学史 [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  それは本当に、国家と社会を隅々まで支配する「絶対権力」だったのか。他国とは異質の、特殊フランス的事象だったのか。そして近代フランスは、それと完全に断絶しているのだろうか。―多言語にわたる膨大な研究蓄積を消化して、絶対主義の理論と実践、さらには歴史観を総体的にとらえ直す。ヨーロッパ近世の歴史・思想を考えるために必読の書。

• 目次

  　日本語版序文
  
  　緒言 「絶対主義」 何を、どのように問うのか
  
  　序 歴史の中の絶対主義、史学史の中の絶対主義
  
  第一部 絶対主義――王政による理論的構築
  
  　第一章 立法権をめぐる理論としての絶対主義
  　　第一節 立法権の理論を生みだすローマ法諺
  　　第二節 主権論
  　　第三節 「絶対権力potestas absoluta」と「通常権力potestas ordinaria」、または「絶対権力」と「秩序づけられた権力potestas ordinata」
  　第二章 「立憲体制」としての絶対主義――基本法と慣習法
  　　第一節 アンシアン・レジームの本質的特徴としての法的多元性
  　　第二節 王位の帰属に関する規定――基本法の中の基本法
  　　第三節 王国の「慣習憲法」
  　　第四節 儀礼は憲法を語るのか
  　第三章 王権神授説と国家理性
  　　第一節 王権神授説
  　　第二節 国家理性と世俗化
  
  第二部 絶対主義――王政による実践的構築
  
  　第一章 諸身分への諮問なく統治する王
  　　第一節 絶対主義と代表制
  　　第二節 身分制議会の周縁化
  　　第三節 特権の活用
  　第二章 絶対主義の手段――国家装置の構築と集権化
  　　第一節 宰相制、諮問会議、親政
  　　第二節 保有官僚と親任官僚
  　　第三節 中央権力、戦争、税
  　第三章 絶対主義への抵抗
  　　第一節 民衆反乱は絶対主義下の社会の内実を明らかにするか
  　　第二節 貴族の「反乱の義務」
  　　第三節 一八世紀における高等法院の抵抗
  
  第三部 絶対主義は神話か
  
  　第一章 絶対主義とクロノロジー
  　　第一節 クロノロジーのない絶対主義
  　　第二節 時間の中の絶対主義
  　　第三節 絶対主義の類型と発展段階に関する理論
  　第二章 絶対主義は存在しなかったのか
  　　第一節 神話のさまざまな型？
  　　第二節 庇護関係と忠誠関係――絶対主義のネットワーク
  　　第三節 絶対主義に対立する絶対主義
  　第三章 絶対主義は全体主義ではない
  　　第一節 専制と「主人的君主政」
  　　第二節 絶対主義と個人主義
  　　第三節 家父長モデルのアポリア
  　結 論 絶対主義概念の読み直しに向けて
  　　第一節 「王政下の古き憲法」をめぐる論争点
  　　第二節 絶対主義を考える
  　　第三節 絶対主義の実践に即した意味
  　　第四節 総括の試み
  
  　訳者解題
  　法諺リスト
  
  　訳者コラム
  　　❶ absoluをめぐって
  　　❷ constitution/憲法/立憲体制/コンスティテュシヨン/国制
  　　❸ moderne と時代区分
  　　❹ Officeについて
  　　❺ ordinaire-extraordinaire 通常-非通常
  　　❻ Conseilをめぐって
  　　❼ Parlement高等法院(パルルマン)
  　　❽ corps社団
  　　❾ modération/modéré穏健さ/穏健な
  
  　注(原注・訳注)
  　参考文献
  　索 引

• 出版社からのコメント

  理論・実践・歴史観から、絶対主義の総体的理解をめざす。ヨーロッパ近世を考えるために必読の書。

• 内容紹介

  それは、本当に「絶対権力」であり、また特殊フランス的な事象だったのだろうか──膨大な先行研究を消化して、絶対主義の理論と実践、さらには歴史観をとらえ直す。ヨーロッパ近世の歴史・思想を考えるために必読の書。(訳者=小山啓子、佐々木真、芹生尚子、高澤紀恵、竹下和亮、林田伸一、正本忍、松本礼子、森村敏己)

フランス絶対主義―歴史と史学史 [単行本] の商品スペック