歌唱台湾―重層的植民地統治下における台湾語流行歌の変遷 [単行本]
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歌唱台湾―重層的植民地統治下における台湾語流行歌の変遷 [単行本]

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出版社:三元社
販売開始日: 2021/10/02
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歌唱台湾―重層的植民地統治下における台湾語流行歌の変遷 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    「歌唱台湾」=「台湾を歌う」。本書は台湾語流行歌から台湾を描き出そうするものである。台湾語流行歌の日本化、演歌化は戦後、国民党政府支配になってからである。台湾人が日本的な要素を自らの歌唱文化に取り込んだのは、いかなる要因に由来するのだろうか。台湾社会が工業化へ向かう中、何が起こったのか。農村人口が大量に移動し始める戦後の社会的な変遷の中で、台湾語流行歌はいかなる需要を基盤に、どのようにして日本演歌と共に自分が歌う「伝統」を作り出したのか。
  • 目次

    序 章 台湾語流行歌――台湾人のある社会文化史      1
     一 研究動機及び問題提起 1
      1 日本人の心を表す「演歌」 1
      2 「伝統」的な「台湾語演歌」 3
     二 研究課題と方法 6
      1 音声の歴史・歴史の音声 6
      2 基本概念及び章立て 8
      注 13
    第一章 台湾語流行歌の生成と発展――新民謡運動・閨怨女・太平洋戦争      15
     一 はじめに 15
     二 蓄音器と台湾の音声 ― 台湾語流行歌の前夜 16
      1 他者の声しか聴けない蓄音器 16
      2 蓄音器が発する珍奇な台湾の声 18
     三 他者が作る台湾の「新民謡」 20
      1 新民謡運動の一環としての台湾 20
      2 他者によって創作された台湾「新民謡」 23
     四 恋愛至上の台湾語流行歌 28
      1 「街頭の文明女」と「室内の閨怨女」 28
      2 離郷、労働、流浪、男性性の欠如 35
     五 台・日流行歌の「同」と「不同」 40
      1 いずれも伝統や俗謡から養分摂取 40
      2 楽曲作成の自主と台湾性 44
      3 戦時下における流行歌の融合と交流 47
     六 結論 54
      注 59
    第二章 半封建的な農業社会で暮らす台湾人――「平穏」な籠の中で歌う      67
     一 はじめに 67
     二 家に閉じ籠る台湾女性 69
      1 養女と歌仔戯、芸旦、流行歌 69
      2 自宅近辺が生活、労働の範囲 72
     三 籠の中で「平穏」な生活を送る庶民 76
      1 未工業化と離郷のない庶民 76
      2 籠の中の「平穏」な暮らし 79
      3 異なる離郷の意味―台湾と朝鮮 84
     四 啓蒙、識字、教化の道具として 88
      1 百家争鳴の裏に―文化的地位の低い層の啓蒙 88
      2 知識人にとっての流行歌―啓蒙、識字の道具 90
     五 民謡から見た台湾の閨怨物語 ― 閉塞、挫折、憂悶、無力 95
      1 民謡の援護がない台湾語流行歌 95
      2 台湾社会の感情の構造 98
     六 結論 103
      注 105
    第三章 再植民地統治と台湾語流行歌――「閨怨」から「苦恋」への戦後初期      113
     一 はじめに 113
     二 終戦後の台湾語流行歌の沈黙 114
      1 集団「蒸発」した台湾語流行歌の先駆者 114
      2 二二八事件、失語の世代 118
      3 白色テロ 122
     三 差別統治と空白期の台湾語流行歌 125
      1 国家権力の中心からの差別化 125
      2 「空白期」の台湾語流行歌―貧困、失業、エスニシティ 131
     四 社会の感情の構造としての「苦恋」 137
      1 捨てられ、騙され、裏切られた「苦恋」 137
      2 「安平追想曲」と「河邊春夢」 141
      3 「夢が叶った」後の災難 144
      4 小説に見る「苦恋」の感情の構造 147
     五 農村人口の流出と階級の固定化 150
      1 農地政策と農村の疲弊 150
      2 農村人口の流出と階級の固定化 154
     六 結論 160
      注 162
    第四章 「港歌」に見る再植民地統治下の台湾語流行歌――海/港から日本へ      169
     一 はじめに 169
     二 オリジナル曲とカバー曲の協同の「港歌」 170
      1 貧困、漂泊、不安の台湾版港歌 170
      2 日本の港歌とそのインパクト 179
     三 都市の海を漂泊する農民 183
      1 象徴コードとしての海/港 183
      2 初体験の遠距離感、孤立感 187
     四 現実の閉塞生活からの逃避 192
      1 「監獄島」逃避への渇望 192
      2 「去って帰らず」という必然 196
     五 過去への追慕と新「台湾民謡」 200
      1 「脱日本化」の台湾民謡運動 200
      2 「再日本化」の台湾新民謡 204
     六 「懐旧親日」の変換 210
      1 台湾語流行歌と新しい節回し 210
      2 全面的な日本傾倒 213
     七 結論 220
      注 222
    第五章 台湾語流行歌の全盛期と日本――工業化社会の望郷演歌と股旅演歌      229
     一 はじめに 229
     二 台湾の工業化と「望郷演歌」 230
      1 朝鮮戦争がもたらした相乗効果 230
      2 社会の「現実」を共有する「望郷演歌」 234
      3 「拜託月娘找頭路」が浮き彫りにする問題 238
     三 「集団就職列車」は走ったか― 高度経済成長の台・日の差異 245
      1 「集団就職列車」に乗って都市へ 245
      2 一人で都市へ向かう台湾人 248
      3 カバー対象の拡大―アウトローのルサンチマン 255
     四 天涯孤独な「股旅演歌」 260
      1 「股旅物」とアウトロー 260
      2 女性化した股旅演歌 264
      3 他者の「過去」と重なる「現在」 268
     五 結論 272
      注 274
    第六章 自力救済か、他力本願か――一九七〇年代のテレビ布袋戯と社会問題      281
     一 はじめに 281
     二 台湾史上最高視聴率を記録した布袋戯 283
      1 伝統的な布袋戯から雲州大儒侠へ 283
      2 「淪落」した遊侠―布袋戯のアウトロー 286
     三 アウトローの心を伝える布袋戯楽曲 288
      1 ヘテログロシアの布袋戯歌謡 288
      2 悔恨の渡世人 291
      3 女性アウトローのテーマ曲 295
     四 工業化をめぐる挫折組のユートピア 301
      1 「ポスト望郷演歌」としての布袋戯歌謡 301
      2 布袋戯のファンタジー性―武林、女侠、欠陥 304
      3 「不能/欠陥」と「超能」の反転 306
     五 飛躍した経済成長の翳り 309
      1 経済発展の奇跡 309
      2 資本家天国の台湾労働者 311
      3 「不能」と化した労働者 314
     六 布袋戯と国家イデオロギーの緊張関係 318
      1 物語とテーマ曲に投影された社会像 318
      2 救済者の出現と『雲州大儒侠』の終焉 321
     七 救済者は誰か 326
      1 救済者としての国家、政府 326
      2 自力救済か他力本願か 331
     八 結論 334
      注 336
    第七章 結論に代えて――再植民地統治下の国語・台湾語流行歌      343
     一 「平穏」から「放浪」へ―戦前戦後の人口移動 343
      1 「放浪の歌」と「閨怨」 343
      2 農村疲弊から始まった人口移動 345
     二 異なるエスニシティ異なる節回し 346
      1 弱者の自力救済 346
      2 こぶし/ゆりを「敬遠」する国語流行歌 349
     三 二つの国に捨てられた本省人 353
      1 本省人に残された心の傷痕 353
      2 再植民地統治下の哀歌 356
     四 心の傷の癒合と新しい民謡 359
      1 民主化された後の「流浪之歌」 359
      2 「赤い夕陽の故郷」から「帰郷する私」へ 362
      3 『多桑』と戦後立ち上がった民謠運動 366
      注 371

    あとがき 373
    曲名索引 XI
    人名索引 I
  • 出版社からのコメント

    「歌唱台湾」=「台湾を歌う」。本書は戦後の台湾語流行歌の日本化という視点から台湾人庶民の歴史を描き出そうするものである。
  • 内容紹介

    「歌唱台湾」=「台湾を歌う」。本書は台湾語流行歌から台湾を描き出そうするものである。
    台湾語流行歌の日本化、演歌化は戦後、国民党政府支配になってからである。台湾人が日本的な要素を自らの歌唱文化に取り込んだのは、いかなる要因に由来するのだろうか。台湾社会が工業化へ向かう中、何が起こったのか。農村人口が大量に移動し始める戦後の社会的な変遷の中で、台湾語流行歌はいかなる需要を基盤に、どのようにして日本演歌と共に自分が歌う「伝統」を作り出したのか。
  • 著者について

    陳培豊 (チンバイホウ)
    陳培豊[ちん・ばいほう/Chen Peifeng]
    1997年、東京大学総合文化研究科博士課程(地域文化専攻)修了。2000年、『「同化」の同床異夢―日本統治下台湾の国語教育史再考』(三元社)により東京大学学術博士号を取得。帰国後、台湾国立成功大学台湾文学系副教授を経て、現在、台湾中央研究院台湾史研究所研究員。

    主な日本語著作、論文
    『日本統治と植民地漢文―台湾における漢文の境界と想像』(2012年、三元社)
    「演歌の在地化―重層的な植民地文化から自助再生の道」、西川潤、蕭新煌編『東アジア新時代の日本と台湾』、2000年2月、明石書店。「同文の植民地支配が生んだ文体の想像―帝国漢文・植民地漢文・中国白話文」、王徳威、廖炳惠編『帝国主義と文学』、2000年7月、研文出版。「歴史の化身としての流行歌―台湾における歴史、歌曲、文学」、愛知大学現代中国学会編『中国21』、2012年7月、東方書店。「植民地体制下の台湾の歌謡―民謡に見る『場所』」と『空間』」所澤潤、林初梅編、『台湾のなかの日本記憶―戦後の「再会」による新たなイメージの構築』2016年、三元社。

歌唱台湾―重層的植民地統治下における台湾語流行歌の変遷 の商品スペック

商品仕様
出版社名:三元社
著者名:陳 培豊(著)
発行年月日:2021/09/30
ISBN-10:4883035328
ISBN-13:9784883035328
判型:A5
発売社名:三元社
対象:教養
発行形態:単行本
内容:外国歴史
言語:日本語
ページ数:394ページ ※375,19P
縦:21cm
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