ナチ・ドイツの終焉 1944-45 [単行本]
    • ナチ・ドイツの終焉 1944-45 [単行本]

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ナチ・ドイツの終焉 1944-45 [単行本]

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出版社:白水社
販売開始日: 2021/11/27
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ナチ・ドイツの終焉 1944-45 [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    ナチズム研究の世界的権威が大戦末期の地獄に迫る。敗戦必至の第三帝国はなぜ降伏せず、全面的に破壊されるまで戦い続けたのか?体制断末魔の十カ月間、ヒトラーを頂点とする支配の構造と広範な人々のメンタリティーを究明する。学術性と物語性が融合した傑作巨編。地図9点、カラー口絵16頁収録。
  • 目次

    [目次]
     主な登場人物/地図/謝辞/初めに
    序章 アンスバッハ──ある若者の死
    第1章 体制への衝撃
     Ⅰ終わりの始まり/難局から利益を得た者たち Ⅱ一九四四年七月二十日、総統大本営での爆発 Ⅲ七月二十日事件──庶民の反応、兵士・将軍の反応/体制、急進化へ Ⅳ体制を仕切った四人──ヒムラー、ゲッベルス、ボアマン、シュペーア Ⅴ「ハイル・ヒトラー」敬礼の導入/参謀本部の再構築/「国民社会主義指導将校」 Ⅵよみがえったカリスマ/愛顧にすがる権力者たち/軍、忠誠派の支配確立
    第2章 西部での崩壊
     Ⅰノルマンディーの激戦/クルーゲ元帥の解任と自殺/フランス失陥/米軍、ドイツ国境へ Ⅱ早期終戦への願望/疎開行動の混乱/軟弱な「後方根性」 Ⅲ西部戦線の立て直し/「ドイツの町、ドイツの村のあらゆる地下壕、あらゆる街区が要塞とならねばならぬ」/ナチ党の組織的触手 Ⅳ総力戦をめぐる対立/シュペーアの奮闘 Ⅴ恐怖に基づいて統治される、原子化された社会/国民突撃隊の設立 Ⅵ堡塁建設作業/ナチ党によるドイツ支配、絶頂に
    第3章 恐怖の予兆
     Ⅰ「バグラチオン作戦」/ワルシャワの悲劇/同盟国の離反 Ⅱ赤軍の手に落ちることへの恐怖/「要塞」指定戦術/堡塁建設運動のもたらしたもの/国民突撃隊、実戦に参加 Ⅲソ連軍のメーメル攻撃/市民たちの逃避行/ネマースドルフでの蛮行 Ⅳネマースドルフ事件とプロパガンダ/東部戦線と西部戦線の相違 Ⅴ「ユダヤ人にはきわめて残酷に対処しなければならない」/フル回転したアウシュヴィッツの火葬炉/クレンペラーの秘密の日記 Ⅵナチ体制への募りゆく嫌悪感/「ヒトラーが生きている限り戦争は続くのだ」/戦局逆転を目指す新計画
    第4章 束の間の希望
     Ⅰ一枚のカードにすべてを賭けて Ⅱ兵器増産──シュペーアらの組織的奇跡 Ⅲ「われわれの不屈の精神、楽天性、そしてユーモアによって、克服しえない困難はない」/大管区長とヒトラーとの紐帯/難局のなか跋扈する官僚主義/ヒトラーの熱弁、ゲッベルスの感動/国民突撃隊宣誓式/映画『コルベルク』完成 Ⅳ空襲下の沈滞ムード/ケルンでの抵抗運動/ゲッベルスのルール地方視察/「指導部への信頼の危機」/V2ロケットへの期待/一般兵士の圧倒的多数は、戦い続ける以外、いかなる選択肢もなかった Ⅴアルデンヌ進攻/活気づく国内/連合軍の猛反攻/はじけ飛んだバブル Ⅵ惨めな新年祝賀会/高官たちの思惑/「われわれは滅びるかもしれぬ。だが、世界を道連れにして滅びるのだ」
    第5章 東部の災厄
     Ⅰソ連軍、三週間の猛攻/国防軍指揮系統の特異さ/最高司令官がヒトラーでなかったなら Ⅱソ連軍、東プロイセンのほぼ全土を制圧 Ⅲ遅すぎた疎開命令/酷寒の中の避難民/復讐者たちの蛮行/「ヴィルヘルム・グストロフ」号の沈没/パルムニッケンのユダヤ人虐殺事件 Ⅳ広がる衝撃波/「終焉なき恐怖よりは恐怖なき終焉を」/「あなたの任務を思うと心が乱れます。なんとか切り抜けられますように」/「ドイツはこの蛮族の攻撃を跳ね返すに決まっています」 Ⅴ前線兵士たちの手紙/ラインハルト上級大将の苦悩 Ⅵいかなる形の降伏も認めない、論理的にはたださらなる巨大な流血と究極的自己破壊を招くだけの戦略
    第6章 戻ってきたテロル
     Ⅰテロル的抑圧の増大 Ⅱ士気崩壊への懸念/ポーランド総督ハンス・フランクの逃亡/大管区長グライザーの逃亡 Ⅲブロンベルグ市警察本部長の銃殺/落伍兵の増大/プロパガンダ改善指令/略式軍事法廷の導入 Ⅳ外国人労働者、囚人、捕虜を襲うテロル/ヒムラーのダブル・ゲーム/一─二月、ユダヤ人「死の行進」 Ⅴドレスデン大空襲 Ⅵドイツ不敗の建て前/クロージクの驚くべき税制改革プラン/ボアマン夫妻の手紙/ゲッベルス夫妻の会話/シュペーアの現実的なメモランダム/ナチ党綱領制定二五周年の日に
    第7章 進みゆく崩壊
     Ⅰ東西からの猛攻/ハイリゲンバイル孤立地域/エリート部隊、袖章剥奪の不名誉/米軍、ライン川を渡河 Ⅱ士気低落とプロパガンダ活動/移動軍事法廷、最初の死刑判決/「われわれの誇りが、ロシア人のような民族の前にひれ伏すことを、あるいはアングロサクソンどもの偽善、傲慢、無教養の前にひれ伏すことを、拒否している」 Ⅲ高級軍人たちの認識/一九一八年との対比 Ⅳ民間人をさいなむ圧倒的な無力感/食糧難/郵便・電話・交通の機能喪失/官僚制とナチ党機関/「ヴェアヴォルフ(人狼)」の創設 Ⅴ終戦を模索する重臣たち/ヒトラー後を展望するシュペーア
    第8章 内部崩壊
     Ⅰ身構えるベルリン/夢幻の中のヒトラー Ⅱ同盟崩壊の夢想/降伏する都市、徹底抗戦する都市/ソ連軍、ベルリン包囲へ Ⅲケッセルリング元帥、ヒトラーの幻想に同調/モーデル元帥の自殺/デーニッツ元帥の決意/ハインリキ上級大将の慨嘆/少年兵の前線投入/「われわれはこの罰を受けるだけのことをしたのだ」/カミカゼ攻撃成功せず/ドゥフナー中尉の幸運な終戦 Ⅳ「権威が途方もなく低下しているのだ」/ベーカリー襲撃に斬首刑/大管区長グローエ、ホフマンの遁走/大管区長コッホのむなしい画策/大管区長ホルツの戦死/大管区長ハンケの不名誉な終焉 Ⅴボアマンの苛酷なメッセージ/大管区長ヴェヒトラーの処刑/「すべての町は死守されるべし」/バート・ヴィンツハイムの女性たちのデモ/横行する恣意的処刑/反ナチ抵抗者の一斉処刑/偽空軍大尉の犯罪 Ⅵ四月、無益で残酷な「死の行進」/ツェレの大虐殺/ガルデレーゲンの大虐殺/「奴らは政治犯だ、単なる犯罪者だ」 Ⅶヒトラー最後の一一日間
    第9章 無条件降伏
     Ⅰ「総統死す! 凄まじいことだ、しかし予期されたことだ」/「あいつを吊るすのに高すぎる木はない」/デーニッツの模索 Ⅱ自殺の蔓延/デミーンの悲劇 Ⅲデーニッツ内閣の顔ぶれ/入閣を求めたヒムラー/過去との断絶なき政権/リッベントロップの「政策提言」/デーニッツの目標 Ⅳ四月二十九日イタリアでのドイツ軍降伏/五月四日リューネブルクでの部分的降伏署名/五月七日未明ランスでの全面降伏署名/五月九日未明カールスホルストでの再度の全面降伏署名/ドイツ国防軍最後の戦況報告 Ⅴデーニッツ内閣の終焉 Ⅵわが国の民は、全体として、国民社会主義の犯罪にいまだ責任があるのだ
    終章 自己破壊の解剖学
     解説(小原淳)/訳者あとがき/写真一覧/参考文献/原注/人名索引
  • 出版社からのコメント

    敗戦必至の第三帝国はなぜ降伏せず、全面的に破壊されるまで戦い続けたのか? ヒトラーのカリスマ的支配の構造と人々の心性を究明。
  • 内容紹介

    第三帝国はなぜ降服せず、戦い続けたのか?

     本書は、第三帝国の最後の期間、1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件から、1945年5月8日の降伏までの約10カ月間を対象に、ナチ・ドイツは敗戦必至の戦況にもかかわらず、なぜ降伏せずに全面的に破壊されるまで戦い続けたのか、その理由を究明する歴史書だ。
     国防軍の将校から、前線の兵士、ナチ党の幹部(とくにボアマン、ヒムラー、ゲッベルス、シュペーア)、海軍のデーニッツ、空軍のゲーリング、地方の軍管区指導者、親衛隊、ゲシュタポ、産業界の大物、教会勢力、一般市民に至るまで、「カリスマ支配」が構造化され、多様なかたちで根付いた有り様が活写される。ヒトラーという個人ではなく、いまや当人と離れて一人歩きする「総統」イメージの背後で、体制断末魔のわずか10カ月間に、国家と民族を地獄の淵へと追い込み、恐るべき人的・物的被害をもたらした悲劇を綿密に検証していく。
     無名の人々の行動や発言、そのメンタリティー、埋もれていた小さな出来事にも光をあて、ナチ・ドイツ崩壊の凄絶な日々を、臨場感あふれる筆致で再現している。ナチズム研究の世界的権威による、学術性と物語性が融合した傑作巨編。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    カーショー,イアン(カーショー,イアン/Kershaw,Ian)
    1943年、英国オールダム生まれ。英国シェフィールド大学名誉教授。英国学士院フェロー。ドイツ現代史、ナチズム研究の世界的権威であり、英国勲爵士への叙勲をはじめ、数多くの学術賞を受賞している

    宮下 嶺夫(ミヤシタ ミネオ)
    1934年京都市生まれ。慶応義塾大学文学部卒
  • 著者について

    イアン・カーショー (イアン カーショー)
    Ian Kershaw
    1943年、英国オールダム生まれ。英国シェフィールド大学名誉教授。英国学士院フェロー。ドイツ現代史、ナチズム研究の世界的権威であり、英国勲爵士への叙勲をはじめ、数多くの学術賞を受賞している。主な邦訳書に、『ヒトラー 権力の本質』、『ヒトラー 1889-1936 傲慢 上』、『ヒトラー 1936-1945 天罰 下』、『地獄の淵から ヨーロッパ史1914-1949』、『分断と統合への試練 ヨーロッパ史1950-2017』(以上、白水社)がある。

    宮下 嶺夫 (ミヤシタ ミネオ)
    1934年京都市生まれ。慶応義塾大学文学部卒。
    主要訳書 H・ファースト『市民トム・ペイン』、N・フエンテス『ヘミングウェイ キューバの日々』(以上、晶文社)、W・ロード『真珠湾攻撃』、R・マックネス『オラドゥール・大虐殺の謎』(以上、小学館)、G・ジャクソン『図説スペイン内戦』(彩流社)、A・ドルフマン『ピノチェト将軍の信じがたく終わりなき裁判』(現代企画室)、P・プレストン『スペイン内戦 包囲された共和国1936-1939』(明石書店)、F・ケンプ『ベルリン危機 ケネディとフルシチョフの冷戦 上・下』、R・ゲルヴァルト『ヒトラーの絞首人 ハイドリヒ』(以上、白水社)など。

    小原 淳 (オバラ ジュン)
    1975年生まれ。早稲田大学文学学術院教授(ドイツ近現代史専攻)
    主要著訳書 『フォルクと帝国創設 19世紀ドイツにおけるトゥルネン運動の史的考察』(彩流社)、J・スタインバーグ『ビスマルク 上・下』、J・スパーバー『マルクス ある十九世紀人の生涯 上・下』、R・エヴァンズ『力の追求 ヨーロッパ史1815-1914 上・下』(共訳)(以上、白水社)、Ch・クラーク『夢遊病者たち 第一次世界大戦はいかにして始まったか 1・2』、『時間と権力 三十年戦争から第三帝国まで』(共訳)(以上、みすず書房)など。

ナチ・ドイツの終焉 1944-45 [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:白水社
著者名:イアン カーショー(著)/宮下 嶺夫(訳)/小原 淳(解説)
発行年月日:2021/12/05
ISBN-10:4560098743
ISBN-13:9784560098745
判型:A5
発売社名:白水社
対象:一般
発行形態:単行本
内容:外国歴史
言語:日本語
ページ数:696ページ ※543,153P
縦:20cm
その他: 原書名: THE END〈Kershaw,Ian〉
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