今も生きる神話を読み解く 伊勢の国魂を求めて旅した人々 [単行本]

今も生きる神話を読み解く 伊勢の国魂を求めて旅した人々 の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  折口信夫最後の弟子が故郷の三重県でのびやかに語った古典講義が今よみがえる。倭健の命から芭蕉まで、伊勢神宮をめぐって、歌でつながる心の系譜。

• 目次

  第㆒部　万物に魂の宿る神話
  　　序章　生きとし生けるものの歌に耳を傾ける
  　　第一章　『 古事記 』より倭建の命
  　　　　
  第二部　命をかけた逢瀬の物語
  　　第二章　『 古事記 』より速総別の王と女鳥の王
  　　第三章　『 万葉集 』より大伯皇女と大津皇子
  　　第四章　『 伊勢物語 』より狩の使と斎宮
  
  第三部　漂泊から生まれるしらべ
  　　第五章　西行
  　　第六章　芭蕉

• 内容紹介

  折口信夫最後の弟子としても知られる歌人・岡野弘彦がふるさとの三重県でのびやかに語った古典講義。2021年の文化勲章受章を記念して令和に復活！
  
  　本書は、三重県の文化誌「伊勢人」（発行：伊勢文化舎）に2002年から2005年にかけて連載された記事を再構成し、まとめたものです。伊勢神宮のまします三重県に生まれた著者にとって、「伊勢の国魂（くにたま）を求めて旅した人々」というテーマを探究することは、学生時代から長年あたためてきたライフワークの一つでした。
  　登場する主な人物は、『古事記』の悲劇の皇子・倭建の命、仁徳天皇に追われた速総別の王と女鳥の王、『万葉集』でおなじみの大津皇子と大伯皇女、『伊勢物語』に悲恋の伝わる斎宮と狩の使、そして、西行と芭蕉です。彼らはいずれも「伊勢の国魂」を求めて旅した人々であり、“歌”によってつながる心の系譜を成しています。
  
  　あたかも「古言（ふること）」を伝える古代の語り部をほうふつとさせる著者の語り口を通して、はるかな時を超えて脈々と生きながらえてきた神話や歌のもつ力や魅力にふれることができる、そんな本になってほしいと願っています。
  
  －－日本の近代はいかにも無理をしてきた時代です。生きた形での神話や伝説の復活を試みて、現代人が生活への愛を取り戻せるようにできればと願っています。それには、まず伊勢を知ることです。なんと言っても、伊勢は日本人の心のへその緒なのですから。（「はじめに」より）

• 著者について

  岡野 弘彦 (オカノ ヒロヒコ)
  歌人。大正13年（1924）、三重県津市（旧一志郡八幡村）生まれ。國學院大学名誉教授、元國學院大学栃木短期大学長。日本芸術院会員。國學院大学在学中より折口信夫に師事。1979年から宮中歌会始選者を、1987年から2007年まで宮内庁御用掛をつとめた。2021年、文化勲章受賞。歌集に『冬の家族』『滄浪歌』『海のまほろば』『天の鶴群』『飛天』『異類界消息』『バグダッド燃ゆ』『美しく愛しき日本』など、著書に『折口信夫の晩年』『万葉秀歌探訪』『悲歌の時代』『歌を恋うる歌』など、共著に『歌仙の愉しみ』『歌仙　一滴の宇宙』などがある。

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