"限界"志向のロシア語と"安定"志向の日本語―アスペクト表現のロシア語・日本語対照研究 [単行本]
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"限界"志向のロシア語と"安定"志向の日本語―アスペクト表現のロシア語・日本語対照研究 [単行本]

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出版社:ひつじ書房
販売開始日: 2022/03/11
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"限界"志向のロシア語と"安定"志向の日本語―アスペクト表現のロシア語・日本語対照研究 の 商品概要

  • 目次

    まえがき
    凡例

    序章  〈限界〉志向のロシア語と〈安定〉志向の日本語―研究事始
    1. はじめに
    2. 本書の目的
    3. 本書の構成と方法論

    第1部 ロシア語と日本語のアスペクト表現の体系的記述のために
           ―理論編:作業仮説の構築に向けて―

    第1章 対照研究にあたっての言語哲学と理論的枠組み
    1. はじめに
    2. 言語的世界像 языковая картина мира
    2.1 言語的世界像とは
    2.2 言語的世界像が実現する領域
    2.3 言語的世界像の対照研究
    2.4 学術的世界像
    3. 意味的優勢素と翻訳
    3.1 意味的優勢素
    3.2 意味的優勢素の翻訳に関する問題

    第2章 世界の存在論的分類と動詞の意味分類
    1. はじめに
    2. ウリクトによる世界のあり方の論理モデル
    2.1 事象の存在論的分類
    2.2 行為と活動、結果と帰結の概念
    2.3 まとめ
    3. 品詞分類と動詞の意味分類
    3.1 存在論的分類と品詞分類―その普遍性と相対性
    3.2 動詞のアスペクト的意味分類―アクショナリティの分類
    3.2.1 「動詞のアスペクト的意味分類」は何による何の分類か
    3.2.2 動詞のアスペクト的意味分類
    3.3 動詞のアスペクト的意味分類の具体例
    3.3.1 ヴェンドラー(Z. Vendler)
    3.3.2 チェイフ(W. L. Chafe)
    3.3.3 デュルスト・アンデルセン(P. V. Durst-Andersen)
    3.3.4  アンナ・ザリズニャク& シュメリョフ(Анна А. Зализняк & А. Д. Шмелев)
    3.3.5 ブルィギナ(Т. В. Булыгина)
    3.4 諸意味分類の検討
    3.5 まとめ
    4. アスペクト的意味特徴
    4.1 アスペクト的意味特徴の取り上げ
    4.2 静態性と動態性
    4.3 過程性
    4.4 持続性
    4.4.1 事態の量的特徴としての持続性
    4.4.2 事態の提示のし方としての「言語学的」持続性
    4.5 終了指示性と限界性
    4.5.1 狭義の限界―語彙的な終了指示性
    4.5.2 広義の限界―文法的な限界性
    4.6 均質性と異質性
    4.6.1 モノの均質性と異質性
    4.6.2 コトの均質性と異質性
    4.6.3 コトの異質性についてもうひと言
    4.7 変化と安定性
    4.8 まとめ

    第3章 ロシア語のアスペクトカテゴリー
    1. はじめに
    2. ロシア語のアスペクトカテゴリーの特徴
    3. ロシア語の体の不変意味の模索
    4. ロシア語のアスペクト的動詞分類
    4.1 ロシア語動詞のアスペクト的意味分類の原則
    4.2 ロシア語の単体動詞
    4.2.1 不完了体の単体動詞の意味特徴
    4.2.2 完了体の単体動詞の意味特徴
    4.3 ロシア語動詞の体ペアの意味的相関性
    4.3.1 (ア)終了指示限界―‘宿題はすべくしてした’タイプ
    4.3.2 (イ)見通し実現限界―‘試験を受けたら、受かった’タイプ
    4.3.3 (ウ)瞬間的限界―‘気づくか、気づかないか’タイプ
    4.3.4 (エ)相対的限界―‘太る、太っていく、まだまだ太っていく’タイプ
    4.3.5 (オ)コミュニカティヴな限界―‘頼んでいた、ということは頼んだ’タイプ
    4.4 体の関係と合法性―単体動詞か体ペアか
    5. 動作様態という語彙文法カテゴリー
    6. ロシア語のアスペクトカテゴリーにおける意味的優勢素〈限界〉

    第4章 日本語のアスペクトカテゴリー
    1. はじめに
    2. 日本語のアスペクトカテゴリーの特徴
    3. 日本語のアスペクト的動詞分類
    4. テイル(タ)形・ル形・タ形のアスペクト的意味
    4.1 テイル形のアスペクト的解釈とその不変意味の模索
    4.2 ル形・タ形のアスペクト的解釈
    5. アスペクト的意味を表す組み合わせ動詞群
    5.1 アスペクトに関係する組み合わせ動詞群の範囲
    5.2 テ形結合型動詞
    6. 日本語のアスペクトカテゴリーにおける意味的優勢素〈安定〉
    7. まとめ

    第2部 ロシア語と日本語の言語的世界像におけるアスペクト的断片の対照
           ―実践編:作業仮説検証の試み―

    第5章  ロシア語と日本語の言語的世界像の断片―動的事象の取り上げ方
    1. はじめに
    2. ロシア語と日本語の意味的優勢素とその在り処
    2.1 作業仮説
    2.2 文学作品と翻訳
    3. 言語的世界像の部分と全体―インテグリティ
    3.1 名詞と動詞のアナロジー
    3.2 名詞文と動詞文
    3.3 同じ場面を見て異なる絵を描く―等しい言外現実の異なる解釈
    4. 日本語のアスペクトについてロシアの日本語学者の視点
    4.1 日本語のアスペクト体系についてロシア(ソヴィエト)の日本語学者の視点
    4.2 ロシア語と日本語の限界動詞の議論をめぐって
    4.2.1 マスロフの限界、あるいはロシア語の限界
    4.2.2 ホロドーヴィチの限界、あるいは日本語の限界
    4.2.2.1 『結果状態構造の類型論』(TPK 1983)における限界動詞の記述
    4.2.2.2 結果状態 resultative とホロドーヴィチの限界
    4.2.2.3 ホロドーヴィチの主体結果状態相
    4.2.2.4 ホロドーヴィチの客体結果状態相
    4.2.3 まとめ

    第6章 ロシア語と日本語のアスペクト意味の相関
    1. はじめに
    2. ‘知る’と‘太る’のアクショナリティとアスペクト表現
    3. ロシア語と日本語における状況別アスペクト表現
    3.1 状態
    3.1.1 状態の描写
    3.1.2 結果状態
    3.1.3 いわゆる「単なる状態」
    3.2 過程の描写
    3.3 出来事の描写
    3.3.1 具体的出来事
    3.3.2 一般的出来事―出来事生起の事実確認
    3.4 繰り返される動的事象
    3.5 その他
    3.5.1 いわゆる歴史的現在
    3.5.2 “時間性が問えない” アスペクト表現
    3.5.2.1 文脈的状況
    3.5.2.2 現場的状況
    3.5.2.3 状況超越
    4. まとめ

    第7章  ロシア語の〈限界〉と日本語の〈安定〉―意味的優勢素の言表上の現れ・開始
    1. 語りのテクストに見られる位相意味
    1.1 開始限界
    1.2 動的事象の開始の概念構造
    2. ロシア語における開始性の意味分類
    2.1 起動的開始 inchoative(INCH)
    2.2 導入的開始 ingressive(INGR)
    2.3 状態成立的開始 inceptive(INCP)
    2.4 まとめ
    3. ロシア語のアスペクトカテゴリーにおける開始意味の特別な位置づけ
    3.1 開始動作様態と体ペア
    3.2 開始による動的事象の限界づけ
    4. 日本語の開始表現
    4.1 開始表現とアスペクト的動詞分類
    4.2 「- かける」「- かかる」の特殊性
    4.3 「- 出す」の開始表現
    4.3.1 「- 出す」の開始の空間的動機づけ
    4.3.2 「- 出す」の開始の意味的・語結合的特徴
    4.4 「- 始める」と「- 出す」の開始は何が違うか
    4.5 日本語のアスペクトカテゴリーにおける開始意味の位置づけ
    5. ロシア語と日本語における開始表現の特徴
    5.1 はじめに
    5.2 言語資料と対照分析の手法
    5.3 分析結果①―ロシア語と日本語における開始表現の対応
    5.3.1 分析結果②―開始の意味分類と日本語へ映し出される姿
    5.3.2 分析結果③―移動の動詞に見られる開始表現の対応
    5.4 分析結果④―ロシア語と日本語における開始表現の非対応
    5.4.1 ロシア語における開始表現と日本語における非開始表現
    5.4.1.1 ロシア語の開始 : 日本語の単純形(ル形やタ形)
    5.4.1.2 ロシア語の開始 : 日本語の変化・成立
    5.4.1.3 ロシア語の開始 : 日本語の遠ざかり(テイク)と近づき(テクル)
    5.4.1.4 ロシア語の開始 : 日本語の活動の試み(テミル)
    5.4.2 日本語における開始表現とロシア語における非開始表現
    5.4.2.1 日本語の開始 : ロシア語の動き出しを表す語彙
    5.4.2.2 日本語の「- かける」「- かかる」 : ロシア語の多様な表現手段
    6. まとめ

    第8 章  ロシア語の〈限界〉と日本語の〈安定〉―意味的優勢素の言語上の現れ・終了とその先へ
    1. はじめに
    2. 動詞の語彙意味
    2.1 アスペクトとヴォイス
    2.2 「燃やしたけれど燃えなかった」―結果否定構文①
    2.3 ラスプーチンは殺しても死ななかったのか?―結果否定構文②
    2.4 死んでも死に切れない
    2.5 ケジメをつけたい日本語―意味的劣勢素の反逆
    2.5.1 勝ち切った
    2.5.2  メモは焼こう。焼いてしまうんだ…―サフチェンコ「袋小路―四つの死体についての哲学的推理」より
    2.5.3 「焼く」と「焼き捨てる」―行為の結果と帰結について
    2.6 ケジメをつけたくないロシア語―意味的劣勢素の反逆
    2.6.1 限定継続態 delimitative とは
    2.6.1.1 限定継続態を作る動詞
    2.6.1.2 限定継続態における動作主の意図性
    2.6.1.3 限定継続態と量質
    2.6.1.4 限定継続態が特別なわけ
    2.6.2 ロシア語版「前向きに検討します」?―Мы порешаем этот вопрос.
    2.7 まとめ
    3. 文法カテゴリー間の協働
    3.1 アスペクト・テンス・モダリティの相関性
    3.2 アスペクトの緩急とモダリティの濃淡
    3.2.1 ロシア語の動詞文から日本語の名詞文へ
    3.2.2 ロシア語の動詞文を日本語の名詞文へ替えるノダ
    3.2.2.1 ノダ文について
    3.2.2.2 ノダ文とテンス
    3.2.3 チェーホフ『可愛い女』の和訳に出現するノダ文
    3.2.3.1 ノダ文の出現回数と和訳テクストに占める割合
    3.2.3.2 多くの和訳に登場するノダ文
    3.2.3.3 ロシア語の (P) это Q の構文
    3.2.4 まとめ

    終章 おわりに

    参考文献
    初出一覧
    謝辞
  • 内容紹介

    アスペクトは動作のどの部分を言語上で切り取るかを問うカテゴリーだが、それも言語的世界像の一部をなす。動作の展開において〈限界〉志向のロシア語と〈安定〉志向の日本語では、同じ意味でも「重み」や「振る舞い」が異なる。アスペクト的志向の違いはさらにテンスやモダリティ、語形成や構文における表現上の差異となって現れる。アスペクト意味の理論と実践の実態を多様な言表事実を基に検証する本邦初の本格的な露日対照言語研究。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    金子 百合子(カネコ ユリコ)
    新潟県長岡市出身。神戸市外国語大学ロシア学科教授。東京大学大学院人文社会系研究科(スラヴ語スラヴ文学)修了。博士(文学)。日本語講師や翻訳校正者を経験後、岩手大学人文社会科学部准教授などを経て、現職
  • 著者について

    金子 百合子 (カネコ ユリコ)
    新潟県長岡市出身。神戸市外国語大学ロシア学科教授。東京大学大学院人文社会系研究科(スラヴ語スラヴ文学)修了。博士(文学)。日本語講師や翻訳校正者を経験後、岩手大学人文社会科学部准教授などを経て、現職。主な論文に「アスペクトの緩急とモダリティの濃淡̶ノダ文をめぐる日露対照研究」(『神戸外大論叢』69-1、2018)、「ロシア語と日本語における“ 強い”限界と“ 弱い” 限界の表し方」(『ロシア語ロシア文学研究』50、2018)など。

"限界"志向のロシア語と"安定"志向の日本語―アスペクト表現のロシア語・日本語対照研究 の商品スペック

商品仕様
出版社名:ひつじ書房
著者名:金子 百合子(著)
発行年月日:2022/02/21
ISBN-10:482341117X
ISBN-13:9784823411175
判型:A5
発売社名:ひつじ書房
対象:専門
発行形態:単行本
内容:語学総記
言語:日本語
ページ数:378ページ
縦:21cm
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