語りの断層―ドイツ=ポーランド国境地帯の文学 [単行本]
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語りの断層―ドイツ=ポーランド国境地帯の文学 [単行本]

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出版社:九州大学出版会
販売開始日: 2022/03/16
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語りの断層―ドイツ=ポーランド国境地帯の文学 [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    亡命文学から移民文学、そしてディアスポラ文学へ。故郷を追われた難民とその末裔のまなざしを通して、変幻する境界が折り重なる複層的空間を読み解く。多様な民族・文化・言語の混生、冷戦最前線の後背地、欧州連合の東方拡大―ドイツ=ポーランド国境地帯は、西欧ないし東欧の辺境地として、多くの差異や不一致を抱え込んできた。そこに刻まれた様々な「断層」を実演する文学に肉薄する。作家インタビューの付録つき。
  • 目次

    序 章 「移民/移動者の文学」とは
    第1章 亡命文学からの離脱
      第1節 ポーランド亡命文学におけるドイツ
      第2節 西ドイツの在外ポーランド人コミュニティ
      第3節 リアリズムとの闘い
      第4節 多様化するアイデンティティ
          ――ポーランド語文芸誌Bundesstraße
      第5節 ポーランド人失敗者クラブ

    第2章 「ドイツ=ポーランド国境地帯の文学」への合流
      第1節 「小さな祖国の文学」から「プライベートな祖国の文学」へ
      第2節 亡命者でもなく移民でもなく   
      第3節 ノスタルジーの超克(1)   
      第4節 ノスタルジーの超克(2)   

    第3章 既存のディスクールへの挑戦   
      第1節 意地の悪い本歌取り   
      第2節 可変するアイデンティティ 
      第3節 標準語に対するコロニアルな闘い

    第4章 脱臼する一人称体   
      第1節 日記・書簡体の応用   
      第2節 異質な諸要素の並置・対照
      第3節 多層化する語り   

    終 章 移民/移動文学が照らし出す国境地帯 

     〈付録〉 作家インタビュー   
         1 クシシュトフ・マリア・ザウスキ/2 クシシュトフ・ニェヴジェンダ
         3 ヤヌシュ・ルドニツキ/4 ダリウシュ・ムッシェル 
         作家インタビューに寄せて 
     あとがき  
     注  
     参考文献
     関連年表
  • 出版社からのコメント

    故郷を追われた難民とその末裔のまなざしを通して、民族・文化・言語が折り重なる複層的空間を、彼らの文学の中に読み解く。
  • 内容紹介

    本書は、国境線が幾度も引き直され、民族・文化・言語の混成が進んだポーランド北部・西部国境地帯が、社会主義末期ポーランドからドイツ連邦共和国へ移住した人々の文学において、いかに表象されうるかを論じている。研究対象とするのは、1950年代半ばから60年代、旧ドイツ領にあたるポーランド北部・西部国境地帯に生まれ、ポーランド語を母語とする人々である。冷戦末期の1980年代ポーランドから西ドイツへ移住した彼らは、冷戦終結後、各人各様に移動と定住を繰り返しつつ、ドイツ語ないしポーランド語で創作に従事している。
    周辺の列強諸国による支配を受け19世紀という時代に国民国家を持つことを許されなかったポーランドでは、亡命知識人が、ポーランド語による文化活動や創作を通してポーランド民族の歩むべき道を示す、という伝統があった。20世紀になると、ポーランドからの亡命は多様化し、規模も拡大した。パリやロンドンといったポーランド亡命文化の拠点は、在外作家同士の連結点として機能し、良質の文学作品を発信することでポーランド語圏の文化や文学全体をけん引する役目を負った。しかし、ポーランドと歴史的文化的に分かちがたく結びつき、地理的にも近いドイツには、国交正常化条約の締結、労働組合「連帯」の活動を弾圧した戒厳令の施行、東西の冷戦終結、ポーランドの欧州連合加盟などを契機に、ポーランドから政治的亡命者、経済移民、ドイツ系帰還者といった様々な集団が流れ込んだ。そのため、ポーランド人コミュニティの雑種化が進み、伝統的な亡命文化・文学のモデルに当てはまらない文化活動が展開した。本書では、1990年代から2000年代初頭のドイツで繰り広げられたポーランド移民による文化活動を通して、その特徴を明らかにしている。
     また、本書では移民作家による文学作品の分析に多くの頁を割く。従来、彼らの文学は亡命文学と対比され、「稼働移住の実態を描く写実的な文学」とされてきた。しかし本書では、①ドイツ・ポーランドにまたがる地域の固有性、②1981年の戒厳令から体制転換を経て2004年に至るまでという時代性、③一人称体という語りの形式、という三つの観点から考察することによって、移民作家の文学の成立から発展の経緯を明らかにするとともに、彼らが時代や環境の変化の影響を受けながらテーマ・題材・手法を変化させてきたことを明らかにした。最終的には、彼らの文学における「国境地帯」が、地理的空間としてではなく、ヨーロッパ東西陣営の視線が交錯する過酷な生活空間、個人の内的分裂の投影先、文学的想像空間といった異質な場の総体として、多層的かつ多角的に表象されていることを示した。彼らの文学の中では、そうした様々なイメージが複数折り重なるように存在しており、境界の種類もその引かれ方も一様ではない。時には文学的想像力を駆使して、時には現実と斬り結びながら、境界というモチーフを変幻自在に操るところに、移民の文学の特徴があると考える。
    ドイツ=ポーランド国境地帯の文学を代表する作家には、ダンツィヒのドイツ語作家ギュン…

    図書館選書
    多様な民族・文化・言語の混生、冷戦最前線の後背地、EUの東方拡大。西欧ないし東欧の辺境地として多くの差異や不一致を抱え込んできたドイツ゠ポーランド国境地帯。そこに刻まれた様々な「断層」を実演する文学に肉薄する。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    井上 暁子(イノウエ サトコ)
    東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。熊本大学文学部准教授(比較文学)。専門はポーランド語圏を中心とした中東欧文学
  • 著者について

    井上 暁子 (イノウエ サトコ)
    東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。
    熊本大学文学部准教授(比較文学)。専門はポーランド語圏を中心とした中東欧文学。
    主要著書:『東欧文学の多言語的トポス』(編著,水声社,2020年),『ヴァイゼル・ダヴィデク』(訳書,松籟社,2021年)ほか。

語りの断層―ドイツ=ポーランド国境地帯の文学 [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:九州大学出版会 ※出版地:福岡
著者名:井上 暁子(著)
発行年月日:2022/03/31
ISBN-10:4798503282
ISBN-13:9784798503288
判型:A5
発売社名:九州大学出版会
対象:専門
発行形態:単行本
内容:外国文学その他
言語:日本語
ページ数:331ページ
縦:22cm
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