地下出版のメディア史―エロ・グロ、珍書屋、教養主義 [単行本]
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地下出版のメディア史―エロ・グロ、珍書屋、教養主義 [単行本]

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出版社:慶応義塾大学出版会
販売開始日: 2022/03/25
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地下出版のメディア史―エロ・グロ、珍書屋、教養主義 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    近代日本の出版文化は、岩波書店と講談社に代表される「知識人/大衆」という対比構造によって、しばしば教養主義の観点から論じられてきた。しかし、読書が大衆化した時代に、この図式に収まりきらない非正統的で「知的」な地下出版空間が存在した。本書では、これまで閑却されてきた非公刊の軟派出版(性風俗、猟奇、犯罪を取り扱った刊行物)とその版元に注目し、教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで、地下出版界をメディア史的に体系化する。「好色出版の帝王」梅原北明、「書痴」斎藤昌三、「軟派出版界の元老株」伊藤竹酔、「毒舌和尚」今東光など、多くの出版人の足跡を追いながら、同時代の社会運動や芸術運動とのかかわりのなかで広がった「知のネットワーク」を明らかにする。
  • 目次

    序 章 教養主義の「裏通り」
     1 知的上昇と、「エロ・グロ」の交差点
     2 先行研究と本書の立場
     3 用語の定義──「地下出版界」を捉えるためのキーワード
     4 分析方法
     5 本書の構成

     第一部 地下出版界の前史

    第一章  〈社会運動〉としての自費出版同盟――毒舌和尚・今東光と雑誌『文党』の挑戦
     1 軟派出版前史──『文党』の創刊
     2 文壇のオルタナティヴを目指す
     3 街頭でのパフォーマンスと超党派性
     4 「自費出版同盟」構想の内実
     5 構想の失敗と、軟派出版への新たな兆し

    第二章 文藝市場社の「誕生」――烏山朝夢から梅原北明へ
     1 梅原北明という演出者
     2 「赤色」と「桃色」を往還する 
     3 朝香屋書店から文藝市場社へ

    第三章  「直筆原稿」のメディア論――文藝市場社の設立と直筆原稿叩き売り
     1 梅原北明と雑誌『文藝市場』の誕生
     2 雑誌『文藝市場』の創刊
     3 〈破棄される原稿〉への想像力
     4 アヴァンギャルド芸術と労働争議のなかで
     5 軟派出版界への足掛かり

     第二部 地下出版界の成立過程

    第四章 〈変態〉な教養/教養としての〈変態〉――逆立ちした教養主義
     1 〈変態〉という新規財貨
     2 カタログ化される〈変態〉
     3 「趣味的研究」の系譜と趣味家のエートス
     4 逆立ちした教養主義
     5 水平的な連帯の愉しさ──「珍妙変態行楽」の開催
     6 「反-教化メディア」の教養観

    第五章 愛書趣味とオブジェとしての書物――軟派出版界と限定本の快楽
     1 愛書趣味の涵養
     2 伊藤竹酔と軟派出版界
     3 円本と大衆的教養の時代
     4 艶本叢書の登場と予約全集/円本との差異化
     5 「あるべき書物像」の体現
     6 パラテクストを通じた愛書趣味の涵養
     
    第六章 〈談奇〉の表象と東アジア――理想郷イメージとしての上海
     1 東アジアに向かう視線
     2 「上海」へのまなざし
     3 「国際的な一歩」としての上海移転
     4 〈談奇〉のネットワークと「近代」への応答
     5 「東アジア」に広がる地下出版界


     第三部 地下出版界の成熟と瓦解

    第七章 「地下出版」の最期――大衆化するエロ・グロ・ナンセンスと珍書屋の受難
     1 広がりゆく「エロ・グロ・ナンセンス」
     2 軟派出版界に吹く“受難の嵐”
     3 「高級エロ」による「通俗エロ出版」批判
     4 軟派出版史の構築と「正統」化の実践
     5 「地下出版界」の成熟と「場」の瓦解

    第八章 「裏道の文化」の行方――戦後に残された軟派出版界の残滓
     1 戦時下の「梅原北明」を辿る
     2 カストリ雑誌に現れた「斯界の権威」
     3 〈アブノーマルの共同体〉へ
     4 一九六〇~一九七〇年代、「アングラ」文化に見る足跡

    終章 「攪乱」する思想としての地下出版
     1 メディア文化圏としての「高級エロ」出版
     2 軟派出版史を描き出す──メディア史研究への視座
     3 「趣味的研究」のネットワーク──社会学領野への視座
     4 本書の可能性と限界──地下出版界は、「知的共同体」たりえた
     か?
     5 「教養主義の裏通り」の隘路、受け継がれる「好色の魂」


    付録 昭和「地下出版界」関連年表――梅原北明とその周辺
    あとがき
    参考文献一覧
    図版出典一覧
    人名索引
  • 出版社からのコメント

    本書は非公刊の軟派出版とその版元に注目し教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで地下出版界をメディア史的に体系化する。
  • 内容紹介

    近代日本の誇る教養主義の「裏通り」を一望する!

    軟派出版の世界で、道楽知識人たちは国家権力と戯れ、一大文化空間を築いた――
    「低俗」出版文化の歴史と「書物」「エロ」への欲望を可視化する意欲作

    近代日本の出版文化は、岩波書店と講談社に代表される「知識人/大衆」という対比構造によって、しばしば教養主義の観点から論じられてきた。しかし、読書が大衆化した時代に、この図式に収まりきらない非正統的で「知的」な地下出版空間が存在した。
    本書では、これまで閑却されてきた非公刊の軟派出版(性風俗、猟奇、犯罪を取り扱った刊行物)とその版元に注目し、教養主義の言説空間との関係性から捉え返すことで、地下出版界をメディア史的に体系化する。
    「好色出版の帝王」梅原北明、「書痴」斎藤昌三、「軟派出版界の元老株」伊藤竹酔、「毒舌和尚」今東光など、多くの出版人の足跡を追いながら、同時代の社会運動や芸術運動とのかかわりのなかで広がった「知のネットワーク」を明らかにする。

    ◆口絵4頁と「地下出版界」関連年表を収録
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    大尾 侑子(オオビ ユウコ)
    1989年東京都生まれ。桃山学院大学社会学部准教授。2014年、東京大学大学院学際情報学府博士後期課程満期退学、博士(社会情報学)
  • 著者について

    大尾 侑子 (オオビ ユウコ)
    1989年東京都生まれ。桃山学院大学社会学部准教授。2014年、東京大学大学院学際情報学府博士後期課程満期退学、博士(社会情報学)。
    主要業績に、「デジタル・ファンダム研究の射程──非物質的労働と時間感覚にみる「フルタイム・ファンダム」」(『ポストメディア・セオリーズ――メディア研究の新展開』ミネルヴァ書房、2021年)、「「白ポスト」という文化装置──兵庫県尼崎市における有害環境浄化活動のフィールドワーク」(『新社会学研究』5号、新曜社、2021年)など。

地下出版のメディア史―エロ・グロ、珍書屋、教養主義 の商品スペック

商品仕様
出版社名:慶應義塾大学出版
著者名:大尾 侑子(著)
発行年月日:2022/03/31
ISBN-10:476642803X
ISBN-13:9784766428032
判型:A5
発売社名:慶應義塾大学出版会
対象:専門
発行形態:単行本
内容:社会
言語:日本語
ページ数:487ページ ※465,22P
縦:22cm
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