「文壇」は作られた―川端康成と伊藤整からたどる日本近現代文学史 [単行本]

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「文壇」は作られた―川端康成と伊藤整からたどる日本近現代文学史 [単行本]

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出版社:その他
販売開始日: 2022/03/01
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「文壇」は作られた―川端康成と伊藤整からたどる日本近現代文学史 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    伊藤が深くかかわっていく文壇の中心には、いつも川端康成がありつづけた。伊藤と川端の文学上の関係性は1930年前後を起点としながら、その後40年近い歳月をかけてゆるやかにかかわり合い、からみ合いながら紡がれていく。彼らが見据え、研究し距離を測りながらかかわりつづけた文壇という場。そこを起点に描く新たな文学史。
  • 目次

    はじめに

    【文学史と文壇史、そして伊藤と川端】
    第1章 「文壇」は作られた
    1 「文壇」という言葉の定義
    2 『日本文壇史』のなかの文壇像
    3 歴史の作られ方――文学史と文壇史
    4 文壇へ参入するには
    5 戦後文壇の中心:川端康成と伊藤整
    6 ノーベル文学賞受賞と川端の戸惑い
    7 川端と伊藤が向き合った文壇

    【二人はどのようにデビューしていったのか】
    第2章 文壇への参入と戦略――『感情装飾』と『雪明りの路』の作者たち
    1 それぞれの文壇参入
    2 川端の〈孤児意識〉
    3 伊藤の〈捨児意識〉
    4 詩壇から評価される伊藤
    5 同人雑誌『椎の木』に集った文人たち
    6 梶井基次郎との出会い、そして川端への執筆依頼

    【文壇に食い込むために】
    第3章 雑誌を創刊する伊藤――『文藝春秋』をモデルとした『文藝レビュー』
    1 上京と瀬沼茂樹との出会い
    2 モデルとしての『文藝春秋』
    3 文学者とカネの問題
    4 詩から小説への移行
    5 海外文学の窓口
    6 文壇参入に足掻く伊藤

    【西洋のモダニズムはいかに摂取されたか】
    第4章 フロイトの精神分析学とジョイス『ユリシーズ』の受容
    1 フロイトとジョイスの輸入
    2 創作への影響
    3 川端による絶賛と伊藤の行き詰まり
    4 「無意識」を描く
    5 『ユリシイズ』共訳と方法としての「意識の流れ」
    6 類似する物語構造
    7 海外文学の受容

    【文学の「正しい道」を模索する】
    第5章 文学史の構築と「心理小説」の発見
    1 1930年代の「歴史意識」と文学場
    2 「新」しい心理を「新」しい方法で表現する「新」しい文学
    3 伊藤が考えた文学の「正しい道」と「新心理主義文学」
    4 「心理小説」を軸とする文学史の発見
    5 同伴者・瀬沼茂樹

    【文学の伝統を刷新する】
    第6章 拡張される「純文学」概念――「父母への手紙」と「生物祭」
    1 1930年代の純文学の諸相
    2 ジッド受容と「メタ小説」の系譜
    3 川端のメタ小説「父母への手紙」
    4 自伝的情報の書き込みと共有
    5 創作上の窮地に陥る伊藤
    6 「生物祭」の読まれ方
    7 純文学を拡張する試み

    【多くを語り得ない社会状況のなかで】
    第7章 プロレタリア文学に向き合う――小林多喜二の死から「幽鬼の街」へ
    1 モダニズム文学=反プロレタリア文学?
    2 「誰だ? 花園を荒らす者は!」
    3 プロレタリア文学への態度
    4 小林多喜二虐殺事件
    5 伊藤の〈沈黙〉
    6 多喜二と芥川の「幽鬼」が語るもの

    【食い扶持を稼ぐ】
    第8章 作家活動の裏事情――大学講師と代作問題
    1 作家の生活とカネ
    2 日大芸術科講師に着任
    3 文芸雑誌『新潮』への定期的な掲載
    4 「原稿執筆させていただきます」
    5 作家志望者に向けた『小説論』
    6 ジェイムズのThe Making of Literature
    7 書簡に残された代作の内情 147
    8 The Making of Literatureの露骨な引き写し
    9 代作問題の複雑な様相

    【協調か沈黙か】
    第9章 戦争と文壇――戦時下の「私」の行方
    1 戦時下の文学と文学者たちの動き
    2 「生きている兵隊」と『麦と兵隊』
    3 従軍に殺到する作家たち
    4 〈従軍ペン部隊〉に求められたもの
    5 戦時下の川端の創作活動
    6 北條民雄文学へのまなざし
    7 国策に協調的だった文壇活動
    8 『得能五郎の生活と意見』と『得能物語』の「私」像

    【戦後にそれぞれが担った役割】
    第10章 文壇の戦争責任と再建――『鳴海仙吉』と『雪国』
    1 終戦後の文学者の再出発
    2 文学者と文壇の戦争責任
    3 伊藤の執筆活動
    4 長編小説『鳴海仙吉』が抱え込んだ同時代的な問題意識
    5 〈向こう側〉から〈こちら側〉に帰ってくる物語構造
    6 鎌倉文庫からの文壇の再建

    【法廷の内外で語られた言葉とは】
    第11章 文壇の団結と再出発――チャタレイ事件と『舞姫』
    1 「性」をあつかった小説の思想と意義
    2 削除版と無削除版
    3 チャタレイ事件はどのように読み取られてきたか
    4 小説『裁判』がもたらした効果
    5 文壇との共闘
    6 川端の無言と『舞姫』の発表
    7 改稿前後の『舞姫』
    8 『舞姫』による応答

    【「文壇」の中心へ】
    第12章 日本近代文学館設立からノーベル文学賞受賞へ
    1 「チャタレイ事件」時の伊藤整の活動
    2 近代文学の研究会との関わり
    3 近代文学資料の復刻と蒐集
    4 日本近代文学館設立へ
    5 文学館設立の目的と意義
    6 相次ぐ展覧会
    7 「文学史」を形づくる場と行為
    8 ノーベル文学賞と川端をめぐりあわせたもの
    9 「文壇」の誕生と終焉
    10 文壇は広がっていく

    おわりに

    関連年表
  • 内容紹介

    明治期以降、ジャーナリズムの発達・拡張にともなって、文学者たちのなかに文壇という〈場〉が共同的に創り上げられていく。1920年代に文学上の出発を果たした川端康成と伊藤整。彼らは文壇をどのように意識し、参入し、そしてそれぞれの文学を生み出していったのだろうか。
    彼らが見据え研究し、距離を測りながらかかわりつづけた文壇という場。そこを起点に描く新たな文学史。

    【1950年にチャタレイ裁判の被告人となった伊藤は、全文壇人を代表する立場で法廷に立ち、粘り強く闘い抜いた。また同じ時期に『日本文壇史』の連載を開始して文芸批評家、文学研究者としても活躍するようになる。60年代には日本近代文学館設立運動の中心として、文壇の世話役、かじ取り役として尽力している。そして伊藤が深くかかわっていく文壇の中心には、いつも川端康成がありつづけた。伊藤と川端の文学上の関係性は1930年前後を起点としながら、その後40年近い歳月をかけてゆるやかにかかわり合い、からみ合いながら紡がれていく。】……はじめにより
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    尾形 大(オガタ ダイ)
    1978年神奈川県横浜市生。専門は日本の近現代文学。研究対象は伊藤整を中心とする1920~50年代の文学場。博士(文学)。早稲田大学・日本大学大学院を経て、山梨大学大学院総合研究部教育学域人間科学系(言語教育講座)准教授
  • 著者について

    尾形 大 (オガタ ダイ)
    1978年神奈川県横浜市生。専門は日本の近現代文学。研究対象は伊藤整を中心とする1920~50年代の文学場。博士(文学)。早稲田大学・日本大学大学院を経て、現在山梨大学大学院総合研究部教育学域人間科学系(言語教育講座)准教授。

「文壇」は作られた―川端康成と伊藤整からたどる日本近現代文学史 の商品スペック

商品仕様
出版社名:文学通信
著者名:尾形 大(著)
発行年月日:2022/03/25
ISBN-10:4909658742
ISBN-13:9784909658746
判型:B6
発売社名:文学通信
対象:一般
発行形態:単行本
内容:日本文学評論・随筆
言語:日本語
ページ数:256ページ
縦:19cm
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