包括的心臓リハビリテーション [単行本]
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包括的心臓リハビリテーション [単行本]

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出版社:南江堂
販売開始日: 2022/06/23
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包括的心臓リハビリテーション [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    循環器疾患の予防・管理・治療から緩和ケアまで包括的な心リハの知識と実践を網羅的に解説!!
  • 目次

    【書評】
    「心臓リハビリテーション室にとって“一家に一冊”ともいえる新時代の教科書」

     本書は,心臓リハビリテーションの標準テキストとして1984年に刊行された『狭心症・心筋梗塞のリハビリテーション』(南江堂)の後継書として,タイトル・内容ともに全面的な刷新を行った書籍である.

     心臓リハビリテーションは,身体デコンディショニングをきたしていることが明らかとなった急性心筋梗塞患者に対する早期離床の試みに端を発する.1960~1970年頃には早期離床をしても予後が変わらないことが明らかとなり,段階的に身体強度が増やされていった.その結果,1980年代になると急性心筋梗塞患者の入院期間は10日間にまで短縮され,外来型に移行していった.その後「包括的心臓リハビリテーション」という概念が生まれ,さらに心不全の心臓リハビリテーションへと拡大していった.このような心臓リハビリテーションの歴史が第1章に明快にまとめられており,心臓リハビリテーションが心不全を対象とするようになった必然性をよく理解できる.

     心不全の心臓リハビリテーションには,心臓病に関するさまざまな知識が必要である.そのため,いままでの教科書のなかには心臓病に関する記述に多くの紙面を割いているものもあるが,本書では全体の1/6程度の分量でコンパクトに整理されており,非常にバランスがよい.リハビリテーションに関する内容は,運動負荷試験と運動療法の概説に始まり,急性心筋梗塞などの主要な心血管疾患,そしてフレイル合併超高齢患者のような特別な患者群(これはいまや特別ではなく主要な患者群のような気がするが)での実際の心臓リハビリテーションや運動療法が詳述されている.私の専門である重症心不全においても,強心薬の静脈内投与患者,補助人工心臓装着中あるいは心臓移植後の患者に対する心臓リハビリテーションについて,フロントランナーである国立循環器病研究センターでの実際のプロトコールや確認事項,中止基準が具体的に記載されており,大変参考になった.本書全体を通して,内容はエビデンスなど学術的記載が多いにもかかわらず,表や図を多用することでビジュアルで理解しやすいつくりになっているのも,読みやすさの理由であろう.本書は,これから心臓リハビリテーションを勉強しようと考えているスタッフがゆっくり通読するのにも,またすでに日常医療で専門的に心臓リハビリテーションを行っているスタッフが知識の確認のために辞書的に使うのにも耐えうる.まさに,心臓リハビリテーション室にとって“一家に一冊”ともいえる書籍である.

     では,心臓リハビリテーションの課題は何であろうか.それは,第1章と最終章である第11章の最後に記載されている.2016年のAMED-CHF研究の報告では,本邦において,本来は入院から外来リハビリテーションへ移行し,継続して治療しなければならない患者の約7%しか治療できていないとされている.本書に記載されている素晴らしい医療が届いているのは,たったそれだけの患者のみということである.すべての循環器医療スタッフはこの理由がどこにあるのか,何を変えていかなければいけないのかといったことについて,真剣に考える必要がある.そして,その答えもこの本のなかにあるはずである.

    臨床雑誌内科131巻4号(2023年4月号)より転載
    評者●大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 教授 坂田泰史

    【序文】
     心臓リハビリテーションは,その黎明期であった1960~70年代には「急性心筋梗塞患者の早期離床をめざす段階的動作拡大プログラム」であったが,現在では「心血管疾患患者の運動耐容能(身体活動能力)・QOL・長期予後の改善をめざして,運動療法・疾病管理・患者教育・カウンセリングを含む多面的介入を多職種チームが協調して実施する包括的プログラム」として認識されている.

     わが国の循環器診療の最近約20年間の動向として,①急性期医療提供体制の整備や治療法の進歩により心血管疾患患者の急性期死亡率は大幅に低下したものの,退院後の再入院率は依然として高く,再入院防止が重要な課題となっていること,②糖尿病・慢性腎臓病などの慢性併存疾患保有患者が増加し,急性期医療に引き続いて退院後も継続する長期的な疾病管理の必要性が高まっていること,③高齢化に伴いサルコペニア・フレイル合併心血管疾患患者が増加し,身体活動能力向上をめざす運動療法・リハビリテーションの重要性が高まっていること,があげられる.したがって今後のわが国の循環器診療では,急性期以降の回復期・慢性期において,「再発/再入院予防をめざす包括的疾病管理」と「運動耐容能向上/要介護化防止をめざす運動リハビリテーション」を普及・充実させることが重要であり,その両方を実現できる「包括的心臓リハビリテーション」のニーズがいっそう高まると予想される.

     本書『包括的心臓リハビリテーション』は,心臓リハビリテーションの標準テキストとして1984年の初版刊行以来38年間にわたり好評を博した『狭心症・心筋梗塞のリハビリテーション』(南江堂)の後継書として,内容・タイトルとも全面的に刷新し刊行するものである.

     本書は,前書『狭心症・心筋梗塞のリハビリテーション』の特徴であった心疾患の病態や運動負荷に対する心血行動態反応を重視するスタンスを受け継ぎながら,対象として近年新たに加わったフレイル合併超高齢患者,重症心不全,経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)後,不整脈デバイス装着後,肺高血圧症,集中治療室早期心臓リハビリテーションなどを追加し,介入内容として,運動療法だけでなく,栄養介入,精神心理サポート,疾病管理を充実させ,さらには心臓リハビリテーションの新規立ち上げ,各職種の役割,運営,地域連携なども記載し,現在のわが国において求められている多面的・包括的な心臓リハビリテーションの新しい教科書となるべき書籍をめざした.

     執筆の方針として,医師および医師以外の医療スタッフ(看護師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・臨床検査技師・心理士など)の読者を想定し,心臓リハビリテーションの現場で役に立つ実際的・具体的な事項について,表や図を多用してビジュアルに理解しやすい記述を心がけつつ,その一方で内容としては最新のエビデンスやガイドラインに基づいた高い学術レベルを維持することをめざした.
     本書が,世界に類を見ない超高齢社会を迎えたわが国において,心血管疾患患者が退院後も長期にわたり活動的で快適な生活を送ることができる社会の実現に向けて,新しい心臓リハビリテーションの普及と発展の一助となれば幸いである.

     最後に,本書の執筆をご担当いただいた先生方に感謝しますとともに,刊行に際してご尽力いただいた南江堂の担当者の皆様に深謝申し上げます.

    2022年5月
    後藤葉一


    【目次】
    第1章 心臓リハビリテーション総論
     A 心臓リハビリテーションの定義と歴史的変遷
      1. 定義と構成要素
       a. 心臓リハビリテーションの定義
       b. 心臓リハビリテーションの構成要素
      2. 時期的区分
      3. 歴史的変遷
       a. 1950~60年代:長期臥床から早期離床へ
       b. 1960~70年代:AMI後の早期社会復帰をめざす入院型段階的プログラム
       c. 1970~80年代:入院型から外来通院型心臓リハビリテーションへ
       d. 1980~90年代:長期予後とQOLの改善をめざす包括的外来心臓リハビリテーション
       e. 2000年以降:心不全に対する外来心臓リハビリテーション・運動療法と疾病管理プログラム
       f. 日本における心臓リハビリテーションの歴史
      4. 対象疾患
     B 包括的心臓リハビリテーションプログラムとは
      1. 包括的心臓リハビリテーションの概念
      2. 心臓リハビリテーションのチーム構成
      3. 施設基準,設備・機器
       a. 2020年度診療報酬改定
       b. 対象となる患者
       c. 人員要件
       d. 面積要件,設備
       e. 必要な機器
      4. 包括的心臓リハビリテーションプログラムの全体像
     C 心臓リハビリテーションにおける重要な概念
      1. 運動耐容能,身体活動能力
       a. 運動耐容能
       b. 身体活動能力
      2. 身体デコンディショニング,廃用症候群
       a. 運動耐容能低下
       b. 起立性低血圧
      3. フレイル,サルコペニア,カヘキシア
       a. フレイル
       b. サルコペニア
       c. カヘキシア
      4. 虚血性心疾患の一次予防と二次予防
       a. 一次予防・二次予防の定義
       b. 一次予防・二次予防の管理目標
       c. 今後の課題
      5. 疾病管理プログラム
       a. 心疾患患者の退院後管理の重要性
       b. 疾病管理プログラムとは
       c. 冠動脈疾患における疾病管理の意義
       d. 冠動脈疾患の疾病管理プログラムとしての外来心臓リハビリテーション
       e. 心不全の疾病管理とセルフケア
       f. 心不全の疾病管理プログラムとしての外来心臓リハビリテーション
       g. 疾病管理プログラムの課題
     D 心臓リハビリテーションの有効性と安全性のエビデンス
      1. 心臓リハビリテーション・運動療法の効果の全体像
      2. 運動耐容能・身体機能に対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
       a. 心臓リハビリテーション・運動療法による運動耐容能の改善効果:一般的事項
       b. 心臓リハビリテーション・運動療法による peak VO2増加の意義
       c. 心臓リハビリテーションによる身体機能(身体活動能力)の改善効果とその意義
       d. 特別な患者群に対する心臓リハビリテーション・運動療法の運動耐容能改善効果
      3. 自覚症状・QOLに対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
       a. 自覚症状に対する効果
       b. 不安・抑うつに対する効果
       c. QOLに対する効果
      4. 長期予後に対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
       a. 冠動脈疾患(AMI)の長期予後に対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
       b. 安定狭心症患者の長期予後に対するOMTと心臓リハビリテーション・運動療法
       c. PCI後患者の長期予後に対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
       d. 心臓術後(CABG後)患者の長期予後に対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
       e. 慢性心不全の長期予後に対する心臓リハビリテーション・運動療法の効果
      5. 心臓リハビリテーション・運動療法の生物学的効果
       a. 冠危険因子(血中脂質,耐糖能,血圧,肥満)に対する効果
       b. 血管内皮機能・冠循環・心機能に対する効果
       c. 骨格筋に対する効果
       d. 自律神経機能に対する効果
       e. バイオマーカー・神経体液因子・酸化ストレス指標に対する効果
       f. 血液凝固線溶系に対する効果
       g. 情報伝達シグナルに対する効果
      6. 心臓リハビリテーション・運動療法の予後改善効果の機序
      7. 心臓リハビリテーションの安全性のエビデンス
      8. ガイドラインにおける心臓リハビリテーション・運動療法の位置づけ
     E 心臓リハビリテーションの現状
      1. 診療報酬制度と心臓リハビリテーション
       a. 心臓リハビリテーションと保険診療の歴史
       b. 疾患別リハビリテーションで複数疾患合併の扱い
       c. 回復期リハビリテーション病棟での心疾患の扱い
       d. 算定日数の上限の除外対象患者(150日期限超えの扱い)
       e. 包括的医療費支払い制度(diagnosis procedure combination:DPC)病棟での算定
       f. 今後の課題
      2. 日本における心臓リハビリテーションの現状と課題
       a. わが国の疾患別リハビリテーションの現況
       b. 医療機関における心臓リハビリテーション実施状況
       c. 心疾患患者の心臓リハビリテーション参加率
       d. 心臓リハビリテーションの継続率・完了率
       e. 心臓リハビリテーションプログラムの質
       f. 心臓リハビリテーションの社会的認知度
       g. わが国における心臓リハビリテーション普及のための課題と方策

    第2章 心血管疾患の病態・診断・治療
     A 心血管疾患の疫学と冠危険因子
      1. 心血管疾患の疫学
      2. 冠危険因子
       a. 高血圧
       b. 脂質異常症
       c. 糖尿病
       d. 慢性腎臓病(CKD)
       e. 肥満・メタボリックシンドローム
       f. 喫煙
       g. 身体不活動
      3. 動脈硬化と心血管疾患
     B 冠動脈疾患
      1. 冠動脈疾患の分類
       a. 冠動脈の解剖と灌流域
       b. 冠動脈疾患の分類
      2. 狭心症
       a. 安定労作性狭心症
       b. 不安定狭心症
       c. 冠攣縮性狭心症
       d. 微小血管狭心症
      3. 急性心筋梗塞
       a. 定義・分類
       b. 治療
       c. 合併症
       d. 予後
      4. 冠血行再建術:カテーテル治療,冠動脈バイパス治療
       a. 冠血行再建術を考慮する場面
       b. 冠血行再建術の選択法
       c. PCI
       d. CABG
      5. 冠動脈疾患の二次予防
       a. 禁煙
       b. 肥満,体重管理
       c. 血圧管理
       d. 薬物療法
       e. 糖尿病管理
       f. 身体活動
       g. 外来心臓リハビリテーション
     C 心不全
      1. 心不全の病態別分類,原因疾患,病態
       a. 心不全の病態別分類
       b. 原因疾患
       c. 病態の特徴
      2. 心不全の身体機能分類(NYHA分類)とステージ分類
       a. 心不全の身体機能分類
       b. ステージ分類
      3. 急性心不全:診断・治療・予後
       a. 診断
       b. 治療
       c. 予後
      4. 慢性心不全:診断・治療・予後
       a. 診断
       b. 治療
       c. 予後
      5. 心不全における運動耐容能低下の機序
       a. 運動耐容能指標としての最高酸素摂取量
       b. 中枢性因子
       c. 末梢性因子
       d. 運動耐容能低下の
  • 内容紹介

    心臓リハの標準テキストの好評書『狭心症・心筋梗塞のリハビリテーション(改訂第4版)』を全面的に内容刷新.前書の心疾患の病態理解から評価法,心リハの実際までをエビデンスに基づき解説するスタンスを引継ぎながら,近年の進歩や最近の動向をふまえ,重症心不全・フレイル合併超高齢者・TAVI後・不整脈デバイス装着後の患者などの心リハを追加し,最新の「2021年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」に準拠.多面的・包括的な心リハを学べる新しい教科書としてすべての医療者に役立つ一冊.

包括的心臓リハビリテーション [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:南江堂
著者名:後藤 葉一(編)
発行年月日:2022/06/25
ISBN-10:4524226818
ISBN-13:9784524226818
判型:B5
発売社名:南江堂
対象:専門
発行形態:単行本
内容:医学・薬学・歯学
言語:日本語
ページ数:416ページ
縦:26cm
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