臼田亞浪の百句 [単行本]

臼田亞浪の百句 [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  臼田亞浪という俳人の特質をひとことで表わすとすると「寂しさの旅人」ということになるでしょうか。明治の終わりから大正期にかけては短歌や詩の世界では、若山牧水、前田夕暮、山村暮鳥などが活躍しましたが、いずれも自然や旅を愛し、薄淡い光と寂しさの中に人間のなんたるかを見つめようとしていた詩人たちです。臼田亞浪はそのようなトーンの作品を作った俳人の典型だと思います。その「寂しさ」は明治という一つの時代が終わり、次の社会への希望というより不安が増大したときのいわば時代が生んだ精神風土のようなものではないでしょうか。その時代の多くの詩人の魂が敏感に感じた焦燥感が、諦念を秘めた「寂しさ」という形で表れたものではないでしょうか。現代もまた大きな時代の曲がり角にあると思います。過渡期という時代を過ごした一人の俳人の生き様を俳句から感じていただければと思います。

• 目次（「BOOK」データベースより）

  臼田亞浪の百句
  臼田亞浪小論「まこと」の系譜

• 内容紹介

  ◆寂しさの旅人
  　臼田亞浪という俳人の特質をひとことで表わすとすると「寂しさの旅人」ということになるでしょうか。明治の終わりから大正期にかけては短歌や詩の世界では、若山牧水、前田夕暮、山村暮鳥などが活躍しましたが、いずれも自然や旅を愛し、薄淡い光と寂しさの中に人間のなんたるかを見つめようとしていた詩人たちです。臼田亞浪はそのようなトーンの作品を作った俳人の典型だと思います。
  　その「寂しさ』は明治という一つの時代が終わり、次の社会への希望というより不安が増大したときのいわば時代が生んだ精神風土のようなものではないでしょうか。その時代の多くの詩人の魂が敏感に感じた焦燥感が、諦念を秘めた「寂しさ」という形で表れたものではないでしょうか。現代もまた大きな時代の曲がり角にあると思います。過渡期という時代を過ごした一人の俳人の生き様を俳句から感じていただければと思います。
  （解説より）

• 著者について

  西池冬扇 (ニシイケトウセン)
  1944年大阪生まれ、東京育ち。金属研究のかたわら、1970年「ひまわり俳句会」で高井北杜に師事する。高井北杜の勧めで1983年に「橘俳句会」の松本旭に師事する。
  その後仕事の都合で東京・神戸・岡山・千葉等を転々とする。
  2007年「ひまわり俳句会」主宰を継承する。
  2018年超結社「棒」を創立メンバーの一人として立ち上げる。
  
  ●著書　
  句集に『阿羅漢』（1986年・牧羊社）、『遍路─ 槃特の箒』（2010年・ウエップ）、『碇星』（2015年・ウエップ）、『8505』（2012年・ひまわり俳句会）、『彼此』（2021年・ウエップ）。
  評論に『俳句で読者を感動させるしくみ』（2006年・ひまわり俳句会）、『俳句の魔物』（2014年・ウエップ）、『俳句表出論の試み』（2015年・ウエップ）、『非情の俳句』（2016年・ウエップ）、『高浜虚子─ 未来への触手』（2019年・ウエップ）。随筆に『時空の座　第1巻』（2001年・円座の会）、『ごとばんさんの夢』（1995年・徳島教育印刷）、『時空の座拾遺』（2…

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