冬にそむく(ガガガ文庫) [文庫]

冬にそむく(ガガガ文庫) [文庫] の 商品概要

• 内容紹介

  終わらない冬のなか、二人はデートする。
  
  年が明けてからもずっと「冬」が続くという異常気象。
  気温のあがらない夏、九月に降る雪。コメの収穫は絶望的で、原油価格は上昇し続け、消費は冷えこんでいる。もう世界は終わってしまったのかもしれないと、人々は日に日に絶望を深めていった。
  
  神奈川県の出海町にある海水浴場も一面雪で覆われ、サーファーも釣り客もヨットのオーナーも姿を消した。この町で育った高校生、天城幸久にはこれまで想像もつかなかった光景だった。降り続く雪でリモート授業も今では当たり前になっている。世界はもうすっかり変わってしまったのだ。
  
  雪かきスコップを手に幸久は近所のとある場所へとやってくる。
  金属製の門をくぐった先には、前面が総ガラス張りの変わったデザインの家が建つ。その敷地内で雪かきをしている女の子がいる。高校からこの町へ越してきた同級生、真瀬美波だ。彼女はこの家にひとりで住んでいる。
  幸久は彼女の家へと通い、雪かきを手伝うことが日課になっている。
  
  幸久と美波はすでに交際しているのだが、学校ではほとんど会話もしないため、クラスメイトたちは誰もその事実を知らない。
  雪に閉ざされた世界のなか、二人は秘密のデートを重ねていく。
  
  
  
  図書館選書
  いつまでも続く「冬」。すべてが雪で閉ざされ、世界はすっかり変わってしまった。日に日に深まっていく人々の絶望をよそに、高校生の二人は誰にも知られずにデートを重ね、青春を謳歌しようとする。

冬にそむく(ガガガ文庫) [文庫] の商品スペック