脊椎脊髄損傷アドバンス―総合せき損センターの診断と治療の最前線 改訂第2版 [単行本]
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脊椎脊髄損傷アドバンス―総合せき損センターの診断と治療の最前線 改訂第2版 [単行本]

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出版社:南江堂
販売開始日: 2023/04/19
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脊椎脊髄損傷アドバンス―総合せき損センターの診断と治療の最前線 改訂第2版 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    引かない、たじろがない脊椎脊髄診療に携わる全医療者に送る脊髄損傷治療のフロンティア・総合せき損センターの粋。
  • 目次

    【書評】
     本書は,2006年に初版が発刊されて以来,医療関係者にとって貴重なリソースとして受け入れられてきました.初版の編集者である芝啓一郎先生らによる総合せき損センターの豊富な医療経験と実践的知識が融合した本書は,急性期から慢性期までの脊椎脊髄損傷に対する医療に従事する医師,看護師,リハビリテーション専門家,研究者,そして患者やその家族にとってもまさにバイブルのような書物としての役割をはたしてきました.

     初版の発行から16年が経過し,その間に新たな研究成果が集積され,脊椎脊髄損傷医療は多くの変化を遂げました.そのため,芝先生の遺志を引き継ぎ,新たな知見と最新の情報を取り入れた全面改訂版を作成することが本書の改訂第2版の目的であったと思われます.新たな手術方法や分類,再生医療における新しい試み,脊髄の早期除圧の効果についての報告など,16年間で蓄積された多くの新たな知見が本書に取り入れられています.

     脊椎脊髄損傷についての包括的な理解と治療に対するアプローチは患者一人ひとりにより異なります.そのため,これらの新たな知見を適切に活用し,それぞれの患者に最善の治療を提供することが重要であり,本書はそのためのかけがえのない手引きといえます.実際,総合せき損センターでの3,000例以上の急性期脊椎脊髄損傷の経験と,1,000例以上に及ぶ詳細なデータベースをもとにつくられています.これにより,急性期から慢性期まで,緊密なチーム医療の中で患者をみつめながら培ってきた知見が凝縮されています.

     本書は,改訂作業に5年以上の月日を要し,数多くの研究者や専門家の協力を得て完成されています.執筆者らは,現場感覚の「地に足がついた」実践的な知識と経験に基づいた,脊椎脊髄損傷医療の「潮流」を取り入れつつ,国内外の最新の研究と治療方法を紹介しています.

     本書において,執筆者らは総合的な治療の重要性を強調し,全身管理,リハビリテーション,看護などを含めたアプローチを提唱しています.特に重度の脊髄損傷に対する対応は,きわめて重要であると述べています.それぞれの症例において,自身の選んだ治療選択肢が最善のものであったか否かを内省することを推奨し,自身の治療法やアプローチに対する意識的な評価をすすめています.また,緻密な解説と図表を通じて,複雑な医学的概念を理解しやすくしています.さらに,実際の症例や臨床シナリオを用いて,現実の状況に即したアプローチを提供しています.

     本書は,新旧の知識と経験が融合した一冊となり,脊椎脊髄損傷医療を学ぶすべての人々に対する理解と治療法の選択を助けるための21世紀の新たなバイブルとなることでしょう.その豊富な知識と経験,そして地に足がついた実践的なアドバイスは,新たな脊椎脊髄損傷医療の「潮流」を把握し,それを適切に活用するための指南となるはずです.

     本書にまとめられた現場での直接の経験から洞察された知識と情報は,臨床医,看護師,リハビリテーションの専門家,さらには患者とその家族にとって,日々の医療実践の中で非常に貴重なリソースとなるでしょう.そしてこれらの知識が脊椎脊髄損傷患者の生活の質の向上に寄与することを願っています.本書が未来の医療改善につながる新たな洞察と可能性を提供し,脊椎脊髄損傷治療のさらなる発展に寄与することを強く信じています.

    臨床雑誌整形外科74巻12号(2023年11月号)より転載
    評者●国際医療福祉大学整形外科教授・八木 満



    【改訂第2版の序】
     2006年に初版が刊行されて以来,本書は実践的な脊損診療マニュアルとして好評をいただいてきました.急性期から慢性期にいたる一貫した医療経験の蓄積を基に,同一施設の現場スタッフによる血の通った内容を有していることがその最大の特長であると自負しています.しかし,すでに初版から16年の歳月が経過し,この間数多くの知見が集積され,脊椎脊髄損傷医療は少なからず変化しています.「アドバンス」という名前にふさわしい,updateした内容を盛り込んだ全面改訂版を作るという故 芝啓一郎前院長の遺志を引き継ぎ,ようやくここに,改訂第2版を上梓することができました.

     この16年間に脊椎脊髄損傷医療を取り巻く「潮流」は確かに変化しています.新たな分類が提唱され,手術の方法,適応は微妙に変化し,そしてより早期の脊髄除圧の効果を示す報告が注目を集めています.一方では早期手術に対して疑問を呈する報告もあり,さらに胸・腰椎損傷においては,脊髄の早期除圧というよりも全身状態の管理に重きをおいて二期的手術を行うダメージコントロールの考え方が主流となっています.また,再生医療においてもさまざまな試みが実施されており,一部実用化の道も開かれてきましたが,その検証はまだこれからの課題です.巷に溢れる報告や論文,レビューは時として何が正解で何が間違っているのか,脊椎脊髄外傷にたずさわる我々を今なお惑わせ,現時点での「潮流」が果たして将来のスタンダードになっていくのかさえ必ずしも明確ではありません.

     外傷性の脊髄損傷発生率は100万人当たり年間50人程度であり,しかもその程度や予後は千差万別です.一般の脊椎外科医が遭遇する外傷性脊椎脊髄損傷の症例数は限られており,個々の症例において自身の選んだ治療選択肢が最善のものであったか内省することも少なくないでしょう.特に,全身管理,リハビリテーション,看護も含めた総合的治療が極めて重要となる重度脊髄損傷においてはなおさらです.総合せき損センターでは,これまで3,000例以上の急性期脊椎脊髄損傷の経験を有しており,詳細なデータベースの蓄積は1,000例以上に及んでいます.これらの知見は,急性期から慢性期まで,緊密なチーム医療の中で患者を見つめながら培ってきたものです.この改訂版は,これまで蓄積された経験を踏まえながら新しい知見を十分に盛り込んだ,全く新しい『脊椎脊髄損傷アドバンス』となりました.脊髄損傷医療における国内外の「潮流」を意識しつつも,現場感覚の「地に足がついた」実践本になっていると確信しています.

     この度の改訂は,当初故 芝啓一郎前院長により発案企画されましたが,上梓まで実に5年以上の月日を要しました.執筆してくださったスタッフはもちろんのこと,執筆者との調整等にご尽力いただいた南江堂の仲井丈人氏,山本奈々氏をはじめとした編集部の皆様方のご尽力に心より感謝致します.この改訂版を,脊髄損傷医療の普及に情熱を傾けておられた故 芝啓一郎先生に捧げたいと思います.

    2023(令和5)年春
    前田 健


    【初版の序】
     脊髄損傷(脊損)は日常臨床で頻繁に遭遇する疾患ではない.脊損患者は救急現場から,あるいは慢性期の合併症を抱えて入院してくる.頚髄損傷(四肢麻痺)患者が入院してくるとその病棟は医師も看護師もパニックになるという話も聞いたことがある.また,最近の医療事情から,多くの急性期の患者は救急病院に搬入され初期治療が行われた後,リハビリテーション病院に転院しているようだ.したがって,私たちは脊損医療を経験することが少ないのみならず,急性期から慢性期に至る一貫した医療のあり方を肌で感じる機会がとても少ないのが現状である.

     脊損に関する教科書は少なくないが,それらのほとんどが多施設の筆者による分担執筆である.その記載には,急性期の治療が慢性期の管理に連動していないものも少なくなく,また,医師,看護師,PT・OT間の密な連携がみえないように思う.

     過去25年間に総合せき損センターにおいて急性期から入院加療してきた脊損患者数は1,900例超となった.その詳細なデータは何にも代え難い宝である.学会などで新しい知見も報告してきた.定説となっていたことに対して疑問を抱かせる事実の発見も少なからずあった.一方,行ってきた治療方針の中には反省させられることもあり,その結果を踏まえながら更なる前進の道を探ってきた.

     そこで,この試行錯誤の中で育まれた臨床を何とか脊損医療に携わる方々に伝えるべく,趣向の変わった新しい脊損医療の実践書を出版することになった.まだまだ不十分な箇所も多々あることとは思うが,ようやく臨床に即しチーム医療を見据えた『脊椎脊髄損傷アドバンス―総合せき損センターの診断と治療の最前線』が完成した.執筆者はすべて当センターのスタッフまたは前スタッフであり,その豊富な治療経験に基づいた実践的な脊損診療マニュアルである.チーム医療を柱に急性期から慢性期までが一貫として記述され,当センターのデータも適宜掲載されている.臨床の場でご活用いただきたいと思う.読者からのご助言やご批判をいただく中で,もしご支援あって数年後の改訂を目指すことができれば望外の喜びである.執筆してくださったスタッフ,およびこの企画に賛同しその実現にご苦労を払ってくださった南江堂の皆様にも感謝いたしたい.


    2006(平成18)年春
    芝 啓一郎


    【初版発刊にあたって】
     総合せき損センターの設立25周年を記念して,『脊椎脊髄損傷アドバンス?総合せき損センターの診断と治療の最前線』が南江堂より出版されることを心から慶びたい.

     私がインターンを終えて医師国家試験に合格したのは1964(昭和39)年であった.そして初めての研修病院は筑豊労災病院で,整形外科は50床を有し,その半数が炭坑の落盤事故による脊髄損傷患者によって占められ,全員が仙骨部に大きな褥瘡をつくっていた.退院するあてもなくリハビリテーションはまだまったく行われていなかった.ところが1995(平成7)年,赤津院長の後を受け,私が院長代理として総合せき損センターへ赴任してみると脊髄損傷者の治療がまったく一新されていた.

     「早期治療・早期社会復帰」を合い言葉に,外傷性脊髄損傷患者が急患としてセンターに搬入されると,医師,看護師,リハビリテーション科技師,医療ソーシャルワーカー(MSW)が集まり,初期判定が行われる.ここで治療方針が決定され,手術の適応のある人に対しては手術(整復固定)が行われ,適応のない人には装具を装着し,翌日からは排痰の介助,無菌的間欠導尿,3時間ごとの体位変換が看護師によって行われ,関節の拘縮予防は理学療法士(PT)によって行われていた.このようにして脊髄損傷患者特有の肺炎・尿路感染・褥瘡・異所性骨化を防止していた.頚髄損傷患者でも褥瘡などの合併症をみたことがない.患者は1週間後にはベッドごと理学療法室や作業療法室に運ばれ,機能訓練を受けるのである.胸・腰髄損傷者は約6ヵ月で,頚髄損傷者は約1年で退院しているが,医用工学研究室の協力による自宅改造への助言も見逃せない.

     新潟教育大学M教授は福岡に出張し,不幸にして交通事故に遭い当センターに救急入院された.1年半経過した頃,日常生活は自助具での食事,簡単な身の回り動作以外は全介助で電動車いすを運転していた.退院するにあたり雪国にある自宅は,1階を車庫,2階をバリアフリーとする住居改造が行われた.入浴も家族の少しの介助でできるようにとリフターが取り付けられた.1階と2階を電動車いすで昇降できるようにセンサー付きのエレベーターが設置された.そして奥様は自動車運転免許を取得して大学までの送迎を担当し,教授として定年までの1年間の講義を無事行われたのである.このような事例は『脊髄損傷者の社会復帰マニュアル』(植田尊善ほか:財団法人 労働福祉共済会,2004)に詳しい.是非一読をお薦めしたい.

     翻って1973(昭和48)年,欧米に比べ遅れていた脊髄損傷の治療を改善すべく,故 天児民和氏(九州大学名誉教授,当時 九州労災病院院長)の提言を労働省が受け入れ,海外での調査が始まった.労働福祉事業団(現 独立行政法人 労働者健康福祉機構)に運営を委託され,1979(昭和54)年,この総合せき損センターは設立されたのである.年間70数名の外傷性脊髄損傷者を受け入れ,自宅復帰者は80%を超えている.脊髄損傷の治療は医師のみによってできるものではなく,コメディカルとのチーム医療が不可欠である.昨年受審した病院機能評価でもこのチーム医療が高く評価された.

     今後も「脊髄損傷の専門病院であることを自覚し,救命救急の初期治療から社会復帰まで一貫した高度な医療を行います」という基本理念を堅持し,職員一同職責を全うしたい.

    2006(平成18)年6月
    総合せき損センター 院長 上﨑典雄


    【目次】
    Ⅰ.疫学
     A わが国における脊髄損傷の現状
      ①福岡県における疫学調査結果
      ②他の地域における疫学調査結果
     B 脊髄損傷データベース
      ①せき損センターのおける脊髄損傷データベース運用
      ②患者の高齢化に伴う問題点―せき損センターにおける脊損データベース解析結果より

    Ⅱ.急性期から慢性期までの治療の流れ
     A 総合せき損センターの特色
      ①一貫した治療システム―救急搬送から社会復帰まで
      ②チーム医療
     B 急性期の診断と治療
      ①急性期の診察・検査の流れ
      ②急性期における治療法の選択手順
      ③患者・家族への説明
     C 予後および脊髄損傷後遺症についての告知とその時期
      ①麻痺の予後
      ②脊髄損傷後遺症の告知とその時期
      ③心理的サポート
      ④社会的サポート

    Ⅲ.麻痺の評価とその予後
     A 脊髄損傷の分
      ①さまざまな分類の意義と用語の定義における混乱
      ②完全麻痺と不全麻痺
      ③頚髄損傷でみられる損傷型
      ④胸腰椎移行部損傷の特殊性―脊髄損傷と馬尾損傷
     B 麻痺の評価法
      ①横断面の評価―改良Frankel分類とsacral sparingの重要性
      ②損傷高位の評価
      ③麻痺評価における時間軸の考慮
      ④国際的な神経学的評価法(ISNCSCI)
     C 脊髄ショックの意義
      ①脊髄ショックとは?
      ②ショックからの離脱が早いほど回復がよい
     D 麻痺の自然経過
      ①不全麻痺における受傷直後の急激な麻痺回復
      ②麻痺悪化例の把握―高位の悪化と横断面の悪化
      ③麻痺の回復が期待できる徴候―早期反射出現(BCR,PTR,planterresponse),痛覚残存,不随意運動
      ④麻痺はいつごろまでどの程度まで回復するのか?
      ⑤完全麻痺と判断してよいのはいつごろか?
     E 急性期の麻痺評価における問題点―治療結果に
  • 内容紹介

    総合せき損センターの最前線の治療とその豊富な治療実績をまとめた脊椎脊髄損傷医療の比類なき実践書.チーム医療の観点から,急性期の診断と治療,合併症予防,リハ,社会復帰まで,一貫した「せき損センタースタンダード」を示した.今改訂では,前版刊行後に行われた疫学調査,症例数が増加した骨粗鬆症性椎体骨折,再生医療の各項目を新たに追加.また,「診断と評価」と「治療戦略」の項目を部位別にまとめ,一連の流れがいっそう分かりやすくなった.

脊椎脊髄損傷アドバンス―総合せき損センターの診断と治療の最前線 改訂第2版 の商品スペック

商品仕様
出版社名:南江堂
著者名:前田 健(編)/河野 修(編)
発行年月日:2023/04/25
ISBN-10:4524245383
ISBN-13:9784524245383
旧版ISBN:9784524239580
判型:規大
発売社名:南江堂
対象:専門
発行形態:単行本
内容:医学・薬学・歯学
言語:日本語
ページ数:252ページ
縦:30cm
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