「戦い」と「トラウマ」のアニメ表象史―「アトム」から「まどか☆マギカ」以後へ [単行本]

「戦い」と「トラウマ」のアニメ表象史―「アトム」から「まどか☆マギカ」以後へ の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  「戦い」を物語る表現媒体にはアニメ以外にも小説、演劇、映画、マンガがある。日本アニメがこれらの表現媒体と異なるのは、その発展の歴史がほとんど戦後に属するということだ。アニメは戦争をどう描いてきたか。そして、戦争は日本アニメをどう生み出してきたのか。

• 目次

  序　章……斎藤　環
  第Ⅰ部　カタストロフィの表象――終戦から世紀末へ
  　第１章　アトムの生と死……森　茂起
  　第２章　戦後マンガ・アニメの方法論としての「傷つく身体」(1)――『サイボーグ009』から魔法少女が受け継いだもの……足立加勇
  　第３章　『さらば宇宙戦艦ヤマト』と「愛」の行方……藤津亮太
  　第４章　『機動戦士ガンダム』と太平洋戦争――戦争表象の深層と主人公のトラウマ……小島伸之
  　第５章　アニメーション表現の受容――ポール・グリモーからジブリへ……雪村まゆみ
  　第６章　家族とともに「生きた」日常――『火垂るの墓』の兄妹の背中越しに見る風景……西岡亜紀
  　第７章　仲間は使命とともに――『美少女戦士セーラームーン』における戦友の位置づけ……東　園子
  
  第Ⅱ部　カタストロフィのあとに……――深夜アニメの2010年代
  　第８章　生き延び、（不穏な）日常、あいまいな喪失――第Ⅱ部へのイントロダクション……川口茂雄
  　第９章　戦後マンガ・アニメの方法論としての「傷つく身体」(2)――まどかが守りたかったものとほむらが奪い返したもの……足立加勇
  　第10章　祈りつつ戦う者たち――『魔法少女まどか☆マギカ』考……上尾真道
  　第11章　ようこそ実力至上主義の競争社会へ―――『千と千尋の神隠し』『幼女戦記』あるいは、労働する少女と職場のマッチング……川口茂雄
  　第12章　特撮作品から読み解く時代の特徴――「グリッドマン」シリーズを切り口に令和の危機を考える……木下雅博
  　第13章　遠さを取り戻すための旅――3・11以後の、スマートフォン・SNS時代の映像表現『宇宙よりも遠い場所』……川口茂雄
  　第14章　終わりのあとのロードムービーアニメ――『ケムリクサ』読解レポート……森　年恵
  
  コラム
  　戦時下の国策アニメーション――『桃太郎　海の神兵』……佐野明子
  　戦争アニメと反戦メッセージとしてのトラウマ……アルト・ヨアヒム
  　「女性活躍」のその先に――『機動警察パトレイバー』の思い出とともに考える……荒木菜穂
  　世紀末の子どもたち――『新世紀エヴァンゲリオン』……上尾真道
  　『ソードアート・オンライン』にみられる〈戦い〉の表象――死の現実への抗いと二つの世界のせめぎあい……加藤之敬
  　尾形百之助の醒めない夢――『ゴールデンカムイ』尾形の〈戦い〉と〈トラウマ〉……植　朗子

• 出版社からのコメント

  アニメが描いてきた〈戦い〉には、どのような〈トラウマ〉を見ることができるだろうか。様々な専門領域から人気作品を読み解く。

• 著者紹介（「BOOK著者紹介情報」より）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

  森 茂起(モリ シゲユキ)
  甲南大学名誉教授。京都大学教育学研究科博士課程単位取得満期退学。臨床心理士
  
  川口 茂雄(カワグチ シゲオ)
  上智大学文学部哲学科准教授。京都大学文学研究科博士課程研究指導認定退学

• 著者について

  森 茂起 (モリ シゲユキ)
  森 茂起 (もり しげゆき) 甲南大学名誉教授
  
  川口 茂雄 (カワグチ シゲオ)
  川口 茂雄 (かわぐち しげお) 上智大学文学部准教授

「戦い」と「トラウマ」のアニメ表象史―「アトム」から「まどか☆マギカ」以後へ の商品スペック