戦時下の恋文―原爆で消えた父を探して [単行本]
    • 戦時下の恋文―原爆で消えた父を探して [単行本]

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戦時下の恋文―原爆で消えた父を探して [単行本]

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出版社:てらいんく
販売開始日: 2023/08/06
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戦時下の恋文―原爆で消えた父を探して [単行本] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    私の人生は、一生かけてお父ちゃまを愛する人生だった。広島で被爆死した父と、25歳から97歳まで寡婦を貫いた母。残されたのは、戦時下にいきいきと綴られたふたりの恋文だった。戦後生まれの著者が「予め失われた父」を探す心の旅の記録。
  • 目次

    はじめに

    【第一部】
    第一章 牛込の家
    第二章 獲たる哉 思うがままの 月と女
    第三章 大空襲と原爆
    第四章 宍戸大尉との出会い
    第五章 戦時下のジャーナリズム
    第六章 八月三日、百合子が突然、面会に

    【第二部】
    往復書簡

    おわりに
  • 出版社からのコメント

    ジャーナリストだった父は広島で被爆死した。戦時下に綴られた両親の恋文を通して、戦後生まれの著者が「予め失われた父」をたどる。
  • 内容紹介

    私の人生は、一生かけてお父ちゃまを愛する人生だった。

    29歳の若さで広島で被爆死したジャーナリストの父と、25歳から97歳まで寡婦を通した母。
    残されたのは、戦時下にいきいきと綴られたふたりの恋文だった。
    戦後生まれの著者が「予め失われた父」を探す心の旅の記録。

    *  *  *

    母が朱塗りの文箱に保管していたのは、ふたりの婚約時代から約二年間分の往復書簡。
    生まれたときから顔も知らない父の肉筆がそこに残っていた。
    綴られていたのは、中国新聞社主の長男としてジャーナリズムの道を歩んでいた父の軍隊での生活や、戦後はどこか感情が乏しかった母の溌剌とした戦前の様子。
    書簡を通して父を知る旅を始めたはずが、図らずも母を発見することになる。
    最晩年、「お母ちゃまの人生はどんな人生だったの?」と尋ねると、母ははっきりと応えた。
    「私の人生は・・・、私の人生は、一生かけてお父ちゃまを愛する人生だった」

    <「はじめに」より抜粋>

     今年も8月6日がやってきます。原爆記念日(8月6日)は、戦後七八年たった今日でも、沖縄慰霊の日(6月23日)、終戦記念日(8月15日)とともに忘れてはならない日です。
     その日、爆心地から600mの当時陸軍第五聯隊師団司令部で、朝礼に参列している多くの人々と共に、私の父は被爆死しました。正確に言えば、行方不明です。29歳でした。
     昭和20(1945)年になり、日本各地の都市が空襲に見舞われるようになりましたが、軍都広島はまだ大きな空襲を受けていませんでした。七月になると、戦局が愈々悪化してきたため、父は家族(父母、妻、長女、長男)を広島市平野町の自宅から広島市郊外の安芸郡府中町(爆心地から約5㎞)の小さい家へ、急遽、疎開させました。
     半月も経たないうちに、「その日」はやって来ました。平野町の実家は、焼失したようですが、疎開したお陰で家族5人は無事でした。それでも、移り住んだ家の二階の窓ガラスは爆風で粉々に割れ、天井は吹き上がったとのことです。
     8月6日に帰宅する予定だった父は戻らず、新型爆弾が落とされたという噂が流れました。翌7日から9日まで、身重の母は、父を探して、師団司令部のみならず、広島駅、白島、牛田へと、市内各地を歩き回りました。母と母の胎内にいた私は後に、入市被爆者に認定されました。3日間の捜索もむなしく、遺骨も、遺品も見つかりませんでした。
     その時、母は25歳、以来97歳で亡くなるまで、72年間寡婦を通しました。
    (中略)
     父が遺したものは、本ばかりでしたが、母が朱塗りの文箱に保管していたふたりの婚約時代からおよそ2年間の往復書簡に、父の肉筆が残っていることに思い至りました。

    図書館選書
    「私の人生は、一生かけてお父ちゃまを愛する人生だった」――広島で被爆死したジャーナリストの父と72年間寡婦を通した母。戦時下にいきいきと綴られた両親の恋文を通して、戦後生まれの著者が「予め失われた父」をたどる。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    常石 登志子(ツネイシ トシコ)
    旧姓、山本。1946年1月、広島に生まれる。広島大学教育学部付属中・高等学校を経て、1968年慶應義塾大学フランス文学科卒。在学中は「三田新聞学会」に所属し文芸面を担当。1969‐70年、『安藝文学』同人。1976年以降は公文式算数・数学教室等で小・中・高校生の指導にあたる。2001年より、リサイクルで海外支援するNPO法人「WE21ジャパン・さかえ」でボランティア活動。2011年の東日本大震災以降、「ぶんぶんトークの会」の立ち上げに関わり、学習会、講演会、自主上映会等を主催し、地域に脱原発を広げる活動に尽力。2015年より「安保法制廃止・憲法を活かそうオール栄区の会」にて、日本国憲法を守るための市民運動に参加している
  • 著者について

    常石登志子 (ツネイシトシコ)
    1946年1月、広島に生まれる。広島大学教育学部付属中・高等学校を経て、1968年慶應義塾大学フランス文学科卒。在学中は「三田新聞学会」に所属し文芸面を担当。1969-70年、『安藝文学』同人。1976年以降は公文式算数・数学教室等で小・中・高校生の指導にあたる。2001年より、リサイクルで海外支援するNPO法人「WE21ジャパン・さかえ」でボランティア活動。2011年の東日本大震災以降、「ぶんぶんトークの会」の立ち上げに関わり、学習会、講演会、自主上映会等を主催し、地域に脱原発を拡げる活動に尽力。2015年より「安保法制廃止・憲法を活かそう オール栄区の会」にて、日本国憲法を守るための市民運動に参加している。
    父は中国新聞社主の長男・山本利。報道部将校として広島で被爆死。

戦時下の恋文―原爆で消えた父を探して [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:てらいんく
著者名:常石 登志子(著)
発行年月日:2023/08/06
ISBN-10:486261180X
ISBN-13:9784862611802
判型:B6
発売社名:てらいんく
対象:一般
発行形態:単行本
内容:日本文学評論・随筆
言語:日本語
ページ数:264ページ
縦:20cm
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