トン族の歌と饗宴―ポリフォニーの歌声が結ぶ人びとの文化誌 [単行本]
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トン族の歌と饗宴―ポリフォニーの歌声が結ぶ人びとの文化誌 [単行本]

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トン族の歌と饗宴―ポリフォニーの歌声が結ぶ人びとの文化誌 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    トン族は天籟の響きを奏でる美しいハーモニーで知られる。「歌の海」といわれるほど歌声が生活のなかに溢れている。歌好きの民族はどこにでもいるが、トン族は高音部と低音部が積み重なるように立体的にうたわれるポリフォニーに優れている。この多声部合唱が聞こえるのは、男女が集団となって歌をかけあうさまざまな行事のなかである。たくさんある行事のなかでも、歌声は春節のときおこなわれるワヒェという社交の場において、もっともにぎやかに交わされる。ワヒェはある村が別の村の住民をみんな招待してもてなす大饗宴である。いくら友好的とはいえ、数百人もの人を数日間、寝食ともに接待し、歌舞を楽しむというのは、尋常ではない。多声性と歌のかけあいをたんなる音楽的特徴として評価するのではなく、トン族の人びとの生活意識や社会の基盤となる機構との相関にまで思考を拡げられないだろうか。饗宴もたんなる娯楽ではなく、人と人を結いあげる「もやい(舫い)」の綱となっているのではないだろうか。トン族の歌と饗宴には、柳田國男が日本の民俗社会のなかに見いだし尊んだような共同体の精神があり、「世の常を組み立てる」「生存の力」があるのではないか。その普遍性を明らかにすること。本書の出発点がここにある。
  • 目次

    序章
     序-1 はじめに
     序-2 トン族概説
     序-3 問題意識と分析の視点
      序-3-1 歌のかけあい
      序-3-2 饗宴
      序-3-3 多声部合唱(ポリフォニー)
     序-4 集まって歌声を合わせること
     序-5 研究の方法と調査地の選定
     序-6 本書の構成と概要
     序-7 用語の説明
      序-7-1 村と寨
      序-7-2 ワヒェ

    第1章 トン族社会の組織と構造
     1-1 親族組織
      1-1-1 ヤン(然)→オン(公)→チ(基)→トウ(兜)
      1-1-2 トウの特徴と機能
     1-2 村寨構造
      1-2-1 トウと寨
      1-2-2 外姓と内姓
      1-2-3 義兄弟となること
     1-3 婚姻制度
      1-3-1 同姓婚と同姓不婚
      1-3-2 村内婚
      1-3-3 交叉イトコ婚
      1-3-4 破姓開親
      1-3-5 行歌坐夜

    第2章 岩洞村の概況
     2-1 基本情況
     2-2 地理環境
     2-3 村の歴史
      2-3-1 祖籍、移動、定住の歴史
      2-3-2 伝説の分析
      2-3-3 巨人伝説
      2-3-4 ミャオ族追放の後難
     2-4 村の構造
      2-4-1 自然寨
      2-4-2 村民小組
      2-4-3 鼓楼
      2-4-4 薩壇

    第3章 トン族歌謡とその生態
     3-1 研究意義と方法
     3-2 トン族歌謡の概説
      3-2-1 南部方言地域の場合
      3-2-2 北部方言地域の場合
      3-2-3 トン族歌謡関係の文献記録
       3-2-3-1 漢・劉向『説苑』
       3-2-3-2 宋・陸游『老学庵筆記』
       3-2-3-3 明・沈庠『貴州図経新志』
       3-2-3-4 明・鄺露『赤雅』
       3-2-3-5 清・陳浩『八十二種苗図併説』
       3-2-3-6 民国『三江縣志』
     3-3 南部方言地域における歌謡の生態
      3-3-1 攔路歌
       3-3-1-1 攔路歌の構成要素
       3-3-1-2 攔路儀式の障害物
       3-3-1-3 攔路歌の歌詞表現
       3-3-1-4 攔路儀式の構造
       3-3-1-5 攔路歌の関連要素
       3-3-1-6 攔路歌の変遷
      3-3-2 踩堂歌
       3-3-2-1 踩堂歌の構成要素
       3-3-2-2 踩歌堂の構造
       3-3-2-3 踩歌堂の内容構成と歌詞表現
       3-3-2-4 踩歌堂の関連要素
      3-3-3 大歌
       3-3-3-1 大歌の構成要素
       3-3-3-2 大歌の歌がけの構造
       3-3-3-3 大歌の歌詞表現
       3-3-3-4 大歌の関連要素
      3-3-4 坐夜歌
       3-3-4-1 坐夜歌の構成要素
       3-3-4-2 坐夜歌の歌がけの構造
       3-3-4-3 坐夜歌の歌詞表現
       3-3-4-4 坐夜歌の関連要素
      3-3-5 南トン地区トン族歌謡総論
      3-3-6 トン族歌謡の発生と変遷

    第4章 歌謡の伝承体系
     4-1 はじめに
     4-2 歌班
      4-2-1 歌班の特徴
      4-2-2 歌班の分類
      4-2-3 歌班の構成
      4-2-4 歌班の人数
     4-3 歌師
      4-3-1 歌師の特徴
      4-3-2 歌師の資質
      4-3-3 歌の練習
     4-4 岩洞の歌師
      4-4-1 呉承吉と呉良明
      4-4-2 呉培信と呉応清
      4-4-3 5人姉妹
     4-5 歌班と歌師の現状とゆくえ
      4-5-1 学校教育
      4-5-2 文芸隊
      4-5-3 今後の課題

    第5章 ワヒェ
     5-1 はじめに
     5-2 ワヒェの事例・分類・行程
      5-2-1 事例
       5-2-1-1 事例1 岩洞村四洲寨
       5-2-1-2 事例2 岩洞村公登寨
       5-2-1-3 事例3 竹坪村徳大寨
      5-2-2 ワヒェの種類(1)
      5-2-3 ワヒェの行程
       5-2-3-1 主寨と客寨の交渉
       5-2-3-2 客寨が自村を出発
       5-2-3-3 客寨が主寨に到着
       5-2-3-4 滞在期間中
       5-2-3-5 客寨が帰村する最終日
       5-2-3-6 客寨が自村に戻る
      5-2-4 ワヒェが成立する条件
      5-2-5 ワヒェの種類(2)
       5-2-5-1 月也戯
       5-2-5-2 月地瓦
     5-3 シントゥ(興度)
      5-3-1 村外寨間のワヒェ
      5-3-2 村内寨間のシントゥ
       5-3-2-1 シントゥの組み合わせ
       5-3-2-2 シントゥの行程と特徴
     5-4 打同年
      5-4-1 広西融水の事例
      5-4-2 柱・殺牛祭祀・草荘神
       5-4-2-1 柱
       5-4-2-2 殺牛祭祀
       5-4-2-3 草荘神
     5-5 ワヒェの考察
      5-5-1 契機
       5-5-1-1 婚姻によって親戚ができる
       5-5-1-2 鼓楼や風雨橋の新築祝い
       5-5-1-3 闘牛
       5-5-1-4 ウシの購入
       5-5-1-5 バスケットボール大会
      5-5-2 時期
      5-5-3 期間
      5-5-4 返礼までの間隔期間
      5-5-5 規模
      5-5-6 接待費用
      5-5-7 感謝信
      5-5-8 ワヒェの特徴
      5-5-9 贈与交換論でみるワヒェ
       5-5-9-1 贈与交換システムとの相同性
       5-5-9-2 贈答品「尾巴」の家畜をめぐって
       5-5-9-3 饗宴をめぐって
       5-5-9-4 互酬性をめぐって
       5-5-9-5 歌のかけあいをめぐって
     5-6 ワヒェの現状とゆくえ
      5-6-1 文化大革命まで
      5-6-2 改革開放政策以降
      5-6-3 文化遺産と観光化
     5-7 おわりに

    資料
     資料1 黎平県岩洞鎮岩洞村の攔路歌
     資料2 岩洞鎮岩洞村の「小白口」儀式における呪詞
     資料3 黎平県肇興鎮堂安村の踩堂歌
     資料4 黎平県口江郷銀朝村の踩堂歌
     資料5 黎平県岩洞鎮岩洞村四洲寨上爪の大歌の生態
      5-1 初日
      5-2 2日目
     資料6 黎平県岩洞鎮岩洞村「行歌坐月」習俗の再現記録:琵琶歌と牛腿琴歌

     あとがき
     引用・参考文献
     索引
     著者紹介
  • 内容紹介

    中国南西部に暮らすトン族の人々が、村をあげて別の村の全住民を招いてもてなす大饗宴、ワヒェ。この社交の場で交わされる特徴的なポリフォニーの歌声には、人びとが心をともにし、支えあう「大きな一つの群」としての共同体の精神がある。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    牛 承彪(ニウ チェンビャオ)
    関西外国語大学教授。中国吉林大学で日本語・日本文学を学ぶ。1998年に日本へ留学。博士前期課程は奈良教育大学で真鍋昌弘先生に師事して日本古典文学を学び、博士後期課程は名古屋大学で櫻井龍彦先生に師事して文化人類学を学ぶ。日本の民俗文化、特に稲作にかかわる文化に関心をもち、日本・中国・韓国における農耕歌謡を総合的に比較する視点から調査・研究してきた。2007年に関西外国語大学に着任。中国語と日本学研究の科目を担当。2011年から科研費(計9年間)の支援を受けて歌謡文化の伝承がまだ存続している中国貴州省のトン族地域で実地調査を行った

    櫻井 龍彦(サクライ タツヒコ)
    名古屋大学名誉教授。名古屋大学文学部で中国古典文学を学ぶ。博士課程のとき北京師範大学に留学し、鍾敬文先生(1903~2002)に師事。民間文芸・民俗学をまなび、研究の関心と方向が西南少数民族の民俗学・文化人類学の分野に移っていった。帰国後は華北、黄河流域の廟会や民間祭祀・芸能組織(香会)に関する調査もかさねた。貴州省のトン族・ミャオ族地区には1982年にはじめて入る。本格的にトン族の歌謡と生活文化の現地調査をはじめたのは、牛承彪氏が科研費を得た2011年の共同研究からになる。龍谷大学、中京大学でも教鞭をとり、名古屋大学大学院国際開発研究科および同人文学研究科教授を歴任
  • 著者について

    牛 承彪 (ニウ チェンビャオ)
    関西外国語大学教授。中国吉林大学で日本語・日本文学を学ぶ。1998年に日本へ留学。博士前期課程は奈良教育大学で真鍋昌弘先生に師事して日本古典文学を学び、博士後期課程は名古屋大学で櫻井龍彦先生に師事して文化人類学を学ぶ。日本の民俗文化、特に稲作にかかわる文化に関心をもち、日本・中国・韓国における農耕歌謡を総合的に比較する視点から調査・研究してきた。2007年に関西外国語大学に着任。中国語と日本学研究の科目を担当。2011年から科研費(計9年間)の支援を受けて、歌謡文化の伝承がまだ存続している中国貴州省のトン族地域で実地調査を行った。これまでの共著書に『歌謡の時空』和泉書院、『東北アジア朝鮮民族の多角的研究』ユニテ、『日本の歌謡を旅する』和泉書院、『中国山地民族研究集刊』社会科学文献出版社、『日本人文社会研究』商務印書館などがある。

    櫻井 龍彦 (サクライ タツヒコ)
    名古屋大学名誉教授。名古屋大学文学部で中国古典文学を学ぶ。博士課程のとき北京師範大学に留学し、鍾敬文先生(1903~2002)に師事。民間文芸・民俗学をまなび、研究の関心と方向が西南少数民族の民俗学・文化人類学の分野に移っていった。帰国後は華北、黄河流域の廟会や民間祭祀・芸能組織(香会)に関する調査もかさねた。貴州省のトン族・ミャオ族地区には1982年にはじめて入る。本格的にトン族の歌謡と生活文化の現地調査をはじめたのは、牛承彪氏が科研費を得た2011年の共同研究からになる。龍谷大学、中京大学で教鞭をとり、名古屋大学大学院国際開発研究科および同人文学研究科教授を歴任。おもな編著に『東アジアの民俗と環境』金壽堂、『変わる中国・変わらない中国』全日出版、『東北アジア朝鮮民族の多角的研究』ユニテ、『非物質文化遺産学論集』学苑出版社、『中日学者中国神話研究論著目録総匯』中国社会科学出版社などがある。

トン族の歌と饗宴―ポリフォニーの歌声が結ぶ人びとの文化誌 の商品スペック

商品仕様
出版社名:明石書店
著者名:牛 承彪(著)/櫻井 龍彦(著)
発行年月日:2023/12/29
ISBN-10:475035662X
ISBN-13:9784750356624
判型:B5
発売社名:明石書店
対象:一般
発行形態:単行本
内容:民族・風習
言語:日本語
ページ数:644ページ
縦:22cm
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