あきらめる [単行本]

あきらめる [単行本] の 商品概要

• 要旨（「BOOK」データベースより）

  近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、あれこれ思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。

• 内容紹介

  登山で頂上まで行く？ 途中で降りられる？
  
  「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」
  
  近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。
  入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、
  ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、
  あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。
  親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。
  
  ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、
  やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…！？
  
  「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」――
  火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。
  
  
  
  【編集担当からのおすすめ情報】
  山崎ナオコーラさんデビュー20周年に刊行される本作のテーマは「あきらめる」。
  現代では一見ネガティブな響きのある言葉ですが、あきらめることで自分の輪郭が見えて、きれいなばかりではない本音や進みたい方向、ありたい姿、自分の限界が「あきらかになっていく」物語です。
  
  何かの頂点に立つことや他者からの評価などをあきらめたときに、登場人物たちに起きる変化は、読者の皆様にもぜひ追体験していただきたいです。
  読後に清々しい風が胸に吹き込んでくる長編小説です。ぜひお楽しみください。
  
  図書館選書
  様々な事情で地位や生活を「あきらめる」局面に立たされる主人公たち。だが古語で「あきらめる」は「あきらかになる」と肯定的な意味だったように、前向きに自分の本音に出会い直していく。新感覚ゆるSF長編小説！

あきらめる [単行本] の商品スペック