語られた親鸞(法蔵館文庫) [文庫]
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語られた親鸞(法蔵館文庫) [文庫]



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出版社:法蔵館
販売開始日: 2025/08/08
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語られた親鸞(法蔵館文庫) [文庫] の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    浄土真宗の祖・親鸞。本書では、歴史上の人間親鸞ではなく、鎌倉時代から明治期にいたるまで、「親鸞の物語」がどのように語り継がれてきたのかを、「親鸞と玉日の結婚物語」を主軸として、「物語」の受容や形成の視点から読み解いていく。それぞれの時代における教団の思惑やメディアの発展などによってさまざまに変化する「親鸞像」は、信者や社会が求めた親鸞であり、彼らの希望や願望の化身とも言える。時代とともに変化する「親鸞像」から、人びとが親鸞に託した思いを探る。
  • 目次

     はじめに――「お話」としての親鸞伝
      『御伝鈔』への異論/深夜の箱根登山/『御伝鈔』に見る親鸞の生涯

    第一章 物語型の教義書――鎌倉時代後期から南北朝時代
     一 『親鸞聖人御因縁』――「親鸞と玉日の物語」のはじまり
      第一話「親鸞因縁」/「月輪法皇」の創造/理論書の物語化
     二 和歌の世界からの逸脱――中世文化における和歌の意味あい
      題詠の時代/「親鸞の和歌」の原拠/鎮護国家の仏教からの逸脱宣言
     三 聖なる人の誕生――女犯偈と成仏
      玉女の誘惑/破戒する聖人たち/弥陀の化現
     四 女犯偈に関わる二種の物語――中世における物語の作り方
      『御伝鈔』と『経釈文聞書』/恵信尼と存覚/女犯偈の物語的性格
     五 玉女と玉日――巫女的な女性
      仏光寺了源の妻/女性の霊力
     六 読者に要求される知識――「衆」の結集と親鸞伝
      カボチャの馬車/祖像を中心とした結集/拝読・聴聞されるテクスト
     七 真仏因縁――「まことの仏」誕生の物語
      善光寺縁起による枠組作り/中身は聖徳太子伝/生身仏信仰/神道との親近性
     八 「真仏因縁」と『伝絵』――二元的思考の導入
      平太郎は弥陀ではない/門流を超える親鸞伝
     九 「親鸞因縁」と『伝絵』――女犯偈の意味の変更
      事実の記録めいた物語/和歌の世界への回帰
     十 源海因縁――鎌倉悟真寺と荒木門徒
      講式と物語/活動路線の変更

    第二章 「正しい解釈」の追求――南北朝から室町前期
     一 親鸞像の父・存覚――儀式における物語の活用
      『御絵伝』と『御伝鈔』の創出/存覚の権威
     二 相互注釈関係――『御伝鈔』注釈史の起点
      『敬重絵』と『六要鈔』/異なる教義の併存
     三 『親鸞聖人御因縁秘伝鈔』――『御伝鈔』で『御因縁』を注釈する
      流布しない書物/存如による書写/如信の口伝
     四 根本聖典は『御伝鈔』――彼岸から此岸へ
      教義書と注釈書の違い/何を採り、何を捨てるか/冷泉家流『伊勢物語』注釈との関わり/法然門における正当性の主張

    第三章 物語不在の時代――室町中期
     一 本願寺蓮如――本尊は弥陀、祖師は親鸞
      全国的教団の構想/『御俗姓御文』/曖昧さの排除
     二 専修寺真慧――もうひとつの「全国的教団」

    第四章 真宗流メディアミックス――室町後期から江戸前期
     一 花開く親鸞伝――注釈書から古浄瑠璃まで
     二 「真宗門徒の常識」の成立――知の受け皿の形成
      『御伝鈔』の共通教養化/『高僧和讃』と「正信偈」 /本地物と真宗
     三 古浄瑠璃――門流的親鸞伝からの脱却
      平仮名書き親鸞伝/『御伝鈔』の物語的注釈/帽子の由来/「わかりやすさ」優先
     四 『御伝鈔』注釈書――隠された意味を求めて
      宗俊本『御伝鈔』の成立/『御伝鈔聞書』/『御伝鈔私記』
     五 『御伝照蒙記』――「正しい解釈」と「正しい史実」
      相伝から学寮へ/「正しい史実」の探究
     六 親鸞物浄瑠璃上演禁止――本願寺のダブルスタンダード
      奇瑞不思議への対応/出版禁止とその実質的解除/上演禁止の継続
     七 二十四輩伝承――ヒエラルキー構築と親鸞伝説
      遺跡復興という名の新寺造立/玉日伝説の誕生と成長
     八 康楽寺の絵解き本――文字と声を架橋するシステム
      東国からの親鸞伝発信/注釈に拠る「語り」/学僧の美文
     九 『良観和讃』――「似て非なる物語」群
      『御伝鈔』の和讃化/母は吉光女
     十 室町後期から江戸前期の「親鸞と玉日の結婚物語」
      「親鸞―覚信尼―覚如」の相承/浄瑠璃制作への学僧の関与/親鸞伝の海

    第五章 「東国の親鸞」の発見――江戸中期
     一 戦国末期の高田伝――三人の祖師たち
      都の貴人、親鸞/下野高田から伊勢一身田へ/『高田の上人代々の聞書』と『代々上人聞書』/複数祖師への尊崇
     二 仏光寺本『伝絵』の登場――聖典に異本があった
      源海の作った『伝絵』/後水尾院への献上/解釈しない注釈書
     三 出版の力――仏光寺本『伝絵』の波紋
      恵空の拒絶反応/東国に眠る「秘伝」
     四 『高田親鸞聖人正統伝』の刊行――「実伝」の誕生
      『親鸞聖人御因縁秘伝鈔』の刊行/恵空の著書の利用/首尾一貫した親鸞伝
     五 『正統伝』における親鸞と玉日――既刊本から「秘伝」を作る
      5W1Hによる記述/「顕智本伝」の実態
     六 『親鸞聖人正明伝』の刊行――『正統伝』典拠の提出
      『正統伝後集』の刊行/専空が語り、存覚が記す/『照蒙記』の影響/廟堂より直弟寺院
     七 「東国教団」の発見――真宗史における歴史認識問題の発生
      修験者のような親鸞像/小教団の文献主義

    第六章 読本から近代史学へ――江戸後期から明治
     一 赤山明神譚の在地定着――刊本から宝物が生まれる
      良空の証拠湮滅作戦/女人済度の物語へ
     二 結城称名寺の女身堂――伝説の成長
      三善為教の出身地/恵信尼像が玉日像となる
     三 『玉日宮御遺状記』――平仮名絵入りの注釈書
      玉日から女性たちへの手紙/注釈書の様式
     四 『親鸞聖人絵詞伝』――平仮名絵入り親鸞伝の成立
      高田派の新たなこころみ/一代記物読本
     五 『親鸞聖人御化導実記』――語りと文字の交錯
      白話小説による唱導/平仮名本親鸞伝の出版禁止解除/雑俳点者の親鸞伝/集団的学習から孤独な読書へ
     六 『親鸞聖人御一代記図絵』――江戸と明治の連続性
      一般教養の教科書/法事で饅頭代わりに配る本/法座の語りと言文一致
     七 近代史学の誕生――「人間親鸞」の物語
      社会の一員としての親鸞/人間は神仏と交流しない/『歎異抄』の再発見/幸福・愛・真理/教育者ゆえの陥穽

    中近世親鸞伝年表
    本書で使用した諸本一覧
    参考文献

    あとがき――働きながら学ぶということ
    文庫版あとがき
  • 出版社からのコメント

    浄土真宗の祖・親鸞の伝記物語は、いかにして誕生し変容してきたのか。鎌倉時代から近代文学との関わりまで時代を追って読み解く。
  • 内容紹介

    鎌倉時代から明治期にいたるまで、親鸞の「物語」はどのように語り継がれてきたのか。史実ではなく「物語」としての受容や形成の視点から「親鸞伝」を読み解く。
    【目 次】
    はじめに―「お話」としての親鸞伝
    第一章 物語型の教義書―鎌倉時代後期から南北朝時代
     1『親鸞聖人御因縁』―「親鸞と玉日の物語」のはじまり/2和歌の世界からの逸脱―中世文化における和歌の意味/3聖なる人の誕生―女犯偈と成仏/4女犯偈に関わる二種の物語―中世における物語の作り方/5玉女と玉日―巫女的な女性/6読者に要求される知識―「衆」の結集と親鸞伝/7真仏因縁―「まことの仏」誕生の物語/8「真仏因縁」と『伝絵』―二元的思考の導入/9「親鸞因縁」と『伝絵』―女犯偈の意味の変更/10源海因縁―鎌倉悟真寺と荒木門徒
    第二章 「正しい解釈」の追求―南北朝から室町前期
     1親鸞像の父・存覚―儀式における物語の活用/2相互注釈関係―『御伝鈔』注釈史の起点/3『親鸞聖人御因縁秘伝鈔』―『御伝鈔』で『御因縁』を注釈する/4根本聖典は『御伝鈔』―彼岸から此岸へ
    第三章 物語不在の時代―室町中期
     1本願寺蓮如―本尊は弥陀、祖師は親鸞/2専修寺真慧―もうひとつの「全国的教団」
    第四章 真宗流メディアミックス―室町後期から江戸前期
     1花開く親鸞伝―注釈書から古浄瑠璃まで/2「真宗門徒の常識」の成立―知の受け皿の形成/3古浄瑠璃―門流的親鸞伝からの脱却/4『御伝鈔』注釈書―隠された意味を求めて/5『御伝照蒙記』―「正しい解釈」と「正しい史実」/6親鸞物浄瑠璃上演禁止―本願寺のダブルスタンダード/7二十四輩伝承―ヒエラルキー構築と親鸞伝説/8康楽寺の絵解き本―文字と声を架橋するシステム/9『良観和讃』―「似て非なる物語」群/10室町後期から江戸前期の「親鸞と玉日の結婚物語」
    第五章 「東国の親鸞」の発見―江戸中期
     1戦国末期の高田伝―三人の祖師たち/2仏光寺本『伝絵』の登場―聖典に異本があった/3出版の力―仏光寺本『伝絵』の波紋/4『高田親鸞聖人正統伝』の刊行―「実伝」の誕生/5『正統伝』における親鸞と玉日―既刊本から「秘伝」を作る/6『親鸞聖人正明伝』の刊行―『正統伝』典拠の提出/7「東国教団」の発見―真宗史における歴史認識問題の発展
    第六章 読本から近代史学へ―江戸後期から明治
     1赤山明神譚の在地定着―刊本から宝物が生まれる/2結城称名寺の女身堂―伝説の成長/3『玉日宮御遺状記』―平仮名絵入りの注釈書/4『親鸞聖人絵詞伝』―平仮名絵入り親鸞伝の成/5『親鸞聖人御化導実記』―語りと文字の交錯/6『親鸞聖人御一代記図絵』―江戸と明治の連続性/7近代史学の誕生―「人間親鸞」の物語

    図書館選書
    浄土真宗の祖・親鸞の伝記物語は、いかにして誕生し、変容してきたのか。「親鸞と玉日の結婚物語」を軸に鎌倉時代から近世の出版メディア、近代文学との関わりまで時代を追って読み解き、親鸞に託された人びとの思いを探る。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    塩谷 菊美(エンヤ キクミ)
    1957年、神奈川県に生まれる。1979年、早稲田大学第一文学部日本文学科卒業、1997年、和光大学人文学部文学科専攻科修了。2003年、早稲田大学にて学位取得。博士(文学)。現在、同朋大学仏教文化研究所客員所員
  • 著者について

    塩谷 菊美 (エンヤ キクミ)
    1957年、神奈川県生まれ。1979年、早稲田大学第一文学部日本文学科卒業、1997年、和光大学人文学部文学科専攻科修了。2003年、早稲田大学にて学位取得 博士(文学)。現在、同朋大学仏教文化研究所客員所員。編著:単著に『真宗寺院由緒と親鸞伝』『語られた親鸞』『石山合戦を読み直す』、共編著に、『大系真宗史料 伝記編1 親鸞伝』『大系真宗史料 伝記編2 御伝鈔注釈』『大系真宗史料 伝記編3 近世親鸞伝』ほか。論文多数。

語られた親鸞(法蔵館文庫) [文庫] の商品スペック

商品仕様
出版社名:法藏館
著者名:塩谷 菊美(著)
発行年月日:2025/08/15
ISBN-10:4831827053
ISBN-13:9784831827050
旧版ISBN:9784831860620
判型:文庫
発売社名:法藏館
対象:教養
発行形態:文庫
内容:日本文学評論・随筆
言語:日本語
ページ数:327ページ
縦:15cm
厚さ:2cm
重量:191g
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