句集 心柱 [単行本]

句集 心柱 [単行本] の 商品概要

• 目次

  骨壺のそこひ釉なし冬の山
  仰臥して敷布つめたし夕ざくら
  牛乳瓶蓋ポと開きぬ涼あらた
  螇蚸跳びつく草木塔の塔の字に
  葉桜やマスクに籠る息の熱
  霊長類変異種われら夕焼かな
  ぬぐふとき泪つめたし沈丁花
  露和辞典見返し露国全図冷ゆ
  船窓に糞り冬鴎はや遠し
  文字消せば紙けばだてる月夜かな
  凍雲の厚くも洩るる光かな
  瀝青のひびに菫や列なせる
  （本書より）

• 出版社からのコメント

  「澤」同人第２句集

• 内容紹介

  爽秋や釿目しるく心柱
  
  草木塔を前にして、しばし人間中心、人間本位の思想を脱し得た。五重塔の心柱を拝観し、常に何かに急き立てられるような時間観から解放された。おそらく、句を詠もう、素直な気持ちで対象に向き合おうとする姿勢が私にそれを可能にしたのだ――。
  （「あとがき」より）
  
  平成28年以降に詠んだ句より320句を収載。

• 著者について

  池田　瑠那 (イケダ　ルナ)
  昭和51年生まれ
  平成16年　俳句結社「澤」入会
  平成19年　第７回澤新人賞受賞
  平成30年　句集『金輪際』（ふらんす堂）上梓
  令和３年　「虫愛ずるひと、犀星」にて、第８回俳人協会新鋭評論賞正賞受賞
  令和５年　「閾を視る、端に居る―― 上野泰が詠む閾と縁側―― 」にて、第24回山本健吉評論賞受賞
  令和７年　評論集『境目に立つ、異界に坐す――犀星・楸邨・泰の世界――』（文學の森）上梓
  現在、「澤」同人、俳人協会幹事

句集 心柱 [単行本] の商品スペック