創造と創発の心理学〈下〉―越境がもたらす癒やしと変容 [全集叢書]
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創造と創発の心理学〈下〉―越境がもたらす癒やしと変容 [全集叢書]



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出版社:学文社
販売開始日: 2025/11/01
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創造と創発の心理学〈下〉―越境がもたらす癒やしと変容 の 商品概要

  • 要旨(「BOOK」データベースより)

    イメージが生み出す内面世界との新たなつながりが、心を越境させ、新しいつながりを生み出す「扉」を開く。加速する時代に癒しと変容を育むために。
  • 目次

     まえがき


     序 章 創造と創発の地図――環状多層モデルとコンステレーション
      第1節 創造と創発の環状多層モデル
       1 環状多層モデルの五層 / 2 コンステレーション――断片を結び直す営み
      第2節 全体は部分を超える――関係がつくるかたち
       1 ゲシュタルト心理学のテーゼが示す全体性 / 2 複雑系の創発――ムクドリから学ぶ秩序
       / 3 心理学史における創発の系譜
      第3節 越境としてのブリッジング
       1 エビデンスとナラティブをつなぐ / 2 分断に橋をかける
      用語解説

    第4部 越境する心
     第1章 心理療法における越境の実践
      第1節 境界を超える心理療法
       1 心理療法における越境の三つの側面 / 2 越境の場としての心理療法
       / 3 治療の場の枠組み――ラポールとコンテイナー
      第2節 「第三のもの」を介した三項関係の心理療法
       1 三項関係の心理療法:自分で作ったものの意味 / 2 ユング心理学における「第三のもの」と象徴
       / 3 なぜ三項関係の場と「第三のもの」の自律性が治療を前に進めるのか
       / 4 意識と無意識を媒介する表現 / 5 自身の物語の創造
      第3節 偶然と変容
       1 偶然の一致と変容の契機 / 2 コンステレーション──変容を生む布置
      第4節 つながりを見出す力と宗教的体験
       1 つながりを見出す意味と出会いの力 / 2 隠れた秩序と創造性の探求
       / 3 コンステレーションと癒し
      第5節 自己超越と新たなつながり
       1 過程としての癒し / 2 自己実現から自己超越へ
      用語解説

     第2章 心理療法と心の歴史性
      第1節 歴史層を読むための視座――分析心理学と象徴過程
       1 分析心理学における創造性・象徴・集合的無意識
       / 2 心の歴史性が示す神話的イメージの臨床への活用 / 3 夢・創作に現れる神話的イメージ
       / 4 深層へのまなざしと自己変容

      第2節 芸術療法と心の歴史性――象徴・伝承・技法
       1 作品が語りだすとき――第三のものとしての外在化 / 2 「作る私」から「作られる私」へ
      第3節 遊戯療法と心の歴史性――遊びがつなぐ家族史と共同体規範
       1 象徴的遊びと子どもの変容 / 2 通過儀礼として現れた文化的イメージ
       / 3 対極を統合へ導く触媒 / 4 現実的行動の変化と象徴的儀式の橋渡し
       / 5 越境を支えるセラピストの役割 / 6 過去と現在をつなぐ橋
      第4節 心理療法におけるこころの古層
       1 心理療法の歴史的成立と「こころの古層」
       / 2 解離性障害と憑依――オープンシステムとクローズドシステム
       / 3 前近代の治療観と「無意識」の発見 / 4 内面化の文化差――西洋と日本
       / 5 箱庭療法における収束と開放の併置
      第5節 心の歴史性の現在地――デジタル環境における時間層の再配置
       1 情報化社会がもたらす心の歴史性の変化 / 2 内面葛藤の少ない人の増加と社会的要因
       / 3 情報化社会における内面性の喪失と「第三のもの」 / 4 つながりと分離が生む新たな創発
      用語解説

     第3章 無意識の創造と創発
      第1節 夢の心理学
       1 夢の解釈:フロイトとユングの違い / 2 夢の体験と変容――無意識との対話
       / 3 夢の象徴――集合的無意識の現れ
      第2節 無意識の発見と集合的無意識
       1 フロイトによる無意識の発見と精神分析の基礎 / 2 個人的無意識と集合的無意識
       / 3 集合的無意識の元型と象徴
      第3節 自己実現に向けた個性化の過程
       1 自己の探究 / 2 コンプレックス / 3 個性化の過程における元型的なイメージ
      第4節 十牛図に見る東洋の変容
       1 西洋における「分離」と東洋における「無我」 / 2 十牛図に現れる東洋の自己
      第5節 錬金術に見る西洋の変容
       1 アルケミスト / 2 錬金術における対立物の統合
      用語解説

     第4章 現代社会におけるつながりの多様性とアイデンティティの揺らぎ
      第1節 多層的な自分が出会う場所
       1 アイデンティティの動揺と適応 / 2 家族・社会の構造の変化がアイデンティティに与える影響
       / 3 複数のアイデンティティを結びつける象徴とメタファー
      第2節 文化の違いが生むアイデンティティの多様性
       1 文化的背景がアイデンティティの形成に与える影響 / 2 異文化を生きる子どもたちの葛藤と希望
      第3節 SNS 時代のアイデンティティ
       1 アイデンティティにSNSが与える多面的な影響 / 2 SNSがもたらす葛藤と悪循環
      第4節 数値にならない承認の価値
       1 承認欲求の働きと両面性 / 2 承認欲求の調整と自己形成 / 3 数値化されない存在の承認の効能
      第5節 フローが導く創造的な自己の確立
       1 フローの特徴と心理的効果 / 2 フローにおけるスキルと挑戦の関係
       / 3 フローを促進する環境とは / 4 フローの際には脳で何が起きているのか
       / 5 フローが生む個人の創造性と創発の可能性
      用語解説

     第5章 現代社会における心理的健康と社会的課題の実装
      第1節 SNS と心理的健康
       1 SNSが心理的健康に与える影響 / 2 SNS規制をめぐる科学的見解と政策
      第2節 自己評価と帰属スタイルのバランス
       1 情報化社会における自己評価と内省の変容 / 2 原因帰属と帰属スタイル
       / 3 多様な視点で捉える自己
      第3節 過剰な情報と競争によるエネルギーの枯渇
       1 情報化社会を背景としたアパシーと燃え尽き症候群 / 2 無力感の影響
       / 3 アパシーに対する支援方法
      第4節 学校におけるハラスメントの背景
       1 現代の学校におけるハラスメントの現状 / 2 ハラスメントを助長する背景
       / 3 いじめとマルトリートメントが子どもに与える影響
       / 4 いじめとハラスメントを克服するためのアプローチ
       / 5 学校における包括的ないじめ・ハラスメント対策
      第5節 社会でのハラスメント構造
       1 マルトリートメントが存在する日本のエンターテインメント業界
       / 2 日本の職場におけるハラスメントの実態 / 3 ハラスメントの個人的要因と組織的要因
       / 4 サイコパス的特性と職場のハラスメント / 5 サイコパス的特性を持つ人への組織的対応
       / 6 組織におけるハラスメント防止のための包括的プログラム
      第6節 心理的健康を保つための予防・実装・制度
       1 ダンバー数が示すつながりの範囲と質 /2 伝統と現代化の間で――白川郷の事例
       / 3  遠隔心理支援が心理的健康に寄与する可能性
       / 4 コンステレーションの拡張可能性――組織変容・社会統合への示唆
      用語解説

     おわりに 鳥居と鈴から、オンラインの扉へ
      1 鳥居と鈴が映し出す内なる世界の象徴
      / 2 オンラインカウンセリング:情報社会における新たな臨床地平
      / 3 内なる世界から社会・テクノロジーへ開かれる議論 / 4 加速する時代に癒しと変容を育むために

     あとがき
     索 引
  • 内容紹介

    心の歴史性や社会とのつながりを探究し、現代人の「心」に今一度向き合う案内書。
    下巻では、心理療法の技法や場面を通して心について考察。
    さまざまな課題をかかえる 現代人の「心」について考え、心理学が照らす「癒し」「変容」の可能性を問い直す。

    「心の歴史性」をたどり、心理療法における物語や神話が果たす役割に迫り、
    心理療法の実践を起点に、「遊び・芸術・夢」などを通じて、無意識の領域に踏み込む。
    深層心理学の視点から、意識と無意識との対話による自己の創造を見つめる。

    「心の健康」を守るための社会実装をSNS構造と集団ダイナミクスを手掛かりに検討し、
    分断を変容の契機として捉える視点や、伝統や人とのつながりを守るために逆説的に先進技術を活用する動きを、
    地域実践や遠隔心理支援から見出す。

    図書館選書
    「心の歴史性」をたどり、心理療法における物語や神話が果たす役割に迫り、また、深層心理学の視点から、意識と無意識との対話による自己の創造を見つめる。
  • 著者紹介(「BOOK著者紹介情報」より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    吉野 大輔(ヨシノ ダイスケ)
    日本大学芸術学部教授。臨床心理士・公認心理師。中央大学文学部教育学科心理学コース卒業、日本大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程修了、博士(心理学)。心の成長、創造、そして無意識の表現に関心を寄せ、臨床と教育の現場を往還してきた。日本大学海外派遣研究員制度を活用し、ヨーロッパ、北米、オセアニアの地を巡りながら本書を執筆。つながりと創発を鍵に、人間の内なる世界と外の世界を結ぶ心理学のあり方を模索している
  • 著者について

    吉野 大輔 (ヨシノ ダイスケ)
    吉野 大輔(よしの だいすけ)日本大学芸術学部教授。臨床心理士・公認心理師。

創造と創発の心理学〈下〉―越境がもたらす癒やしと変容 の商品スペック

商品仕様
出版社名:学文社
著者名:吉野 大輔(著)
発行年月日:2025/10/30
ISBN-10:476203438X
ISBN-13:9784762034381
判型:A5
対象:専門
発行形態:全集叢書
内容:心理学
言語:日本語
ページ数:184ページ
縦:21cm
その他:越境がもたらす癒しと変容
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