「奇蹟」の人びと-百年前の私小説(銀河叢書) [全集叢書]
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「奇蹟」の人びと-百年前の私小説(銀河叢書) [全集叢書]

尾﨑渡(編集)


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出版社:幻戯書房
販売開始日: 2026/03/02
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「奇蹟」の人びと-百年前の私小説(銀河叢書) [全集叢書] の 商品概要

  • 目次

    収録作

    光用穆「旅立ちの日」/「奇蹟」大正二年(一九一三)四月号/みつも ちきよし 一八八七―一九四三/新潟県生まれ。明治四十二年(一九〇九)、早稲田大学英文科を卒業。同郷の縁で相馬御風の家に寄寓する。明治四十五年、石川新聞社長秘書となり金沢へ移住。「奇蹟」同人として大正元年(一九一二)以降、「クリスマスの夜」「高台」「メリーゴーラウンド」「旅立ちの日」などを執筆した。大正三年から六年頃にかけて、「創造」「早稲田文学」「洪水以後」「黒瞳」に「夜の獣」「人魚」「百足」「猫」と発表したが、その後は創作から遠ざかった。著書に『現代美術界総覧』(一九一八)、訳書にウェルス『宇宙戦争』(一九一五)がある。

    谷崎精二「友だち」/「新公論」大正六年(一九一七)十月号/たにざき せいじ 一八九〇―一九七一/東京日本橋生まれ。兄は谷崎潤一郎。家運の傾きから発電所に勤務しつつ苦学、早稲田大学英文科へ進み、大正二年(一九一三)に卒業。卒業後は「早稲田文学」を中心に発表、『地に頰つけて』で注目される。大正十年、片上伸の推挙により早大文学部の講師となり、昭和六年(一九三一)に教授となる。第三次「早稲田文学」を二十年にわたり主宰。創作のほか特にポーの翻訳で知られ、『谷崎精二選集』『ポオ小説全集』などがある。

    宮地嘉六「甕」/「文章世界」大正八年(一九一九)二月号/みやち かろく 一八八四―一九五八/佐賀県生まれ。貧困のため小学校を中退し、仕立屋の丁稚を経て十二歳で佐世保海軍工廠の見習工となる。十六歳から三十一歳まで兵役を挟み旋盤工、旋盤師として約十年間を呉海軍工廠で、それ以外は神戸、長崎、東京の工場を転々とした。二度目の上京の折に舟木重雄と知り合い、親しく往来するようになる。大正三年(一九一四)の三度目の上京後は、堺利彦を知り、売文社、廿世紀、新公論などに勤めながら文筆に専念、職工時代を材に「煤煙の匂ひ」「或る職工の手記」「放浪者富蔵」などを発表して労働文学の形成期にも寄与した。昭和二十七年(一九五二)に晩年の代表作「老残」を発表。『宮地嘉六著作集』など。

    相馬泰三「B――軒事件」/「太陽」大正九年(一九二〇)一月号/そうま たいぞう 一八八五―一九五二/新潟県生まれ。本名は退蔵。明治四十四年(一九一一)、早稲田大学英文科中退。在学中、「奇蹟」の前身ともいえる同人の集い「稲風会」に光用穆、舟木重雄らとともに参加した。萬朝報社で「婦人評論」の記者となり、大正二年(一九一三)頃より植竹書院で翻訳の仕事に従事する。「田舎医師の子」(一九一四)で注目され、「早稲田文学」「新潮」「文藝春秋」などに作品を発表。代表作の長篇『荊棘の路』(新潮社 一九一八)では、仲間の作家を過度に脚色して描いたため反発を招いた。次第に創作に行き詰まり、文壇から距離を置くようになる。のち越後に戻って農民運動に関わり、晩年は紙芝居制作に従事した。『新選相馬泰三集』など。

    廣津和郎「針」/「解放」大正九年(一九二〇)一月号/ひろつ かずお 一八九一―一九六八/東京牛込矢来町生まれ。小説家・広津柳浪の次男。大正二年(一九一三)、早稲田大学英文科卒業。大正元年に舟木重雄、峯岸幸作らと同人誌「奇蹟」を創刊。大学卒業後も翻訳や執筆などで一家を支える傍ら創作にも励み、処女作「神経病時代」(一九一七)を「中央公論」に発表した。一九二〇年代からは結婚生活や家族問題、関東大震災、出版事業の失敗、さらに愛人問題など困難が続くも、文筆家として精力的な仕事をした。戦後は熱海に移住。「異邦人論争」(一九五一)で論壇の注目を集める。また、松川事件の再審無罪を訴える活動に尽力し、昭和三十六年(一九六一)の全員無罪判決に立ち会った。『広津和郎全集』など。

    葛西善蔵「遁走」・「湖畔手記」/「新小説」大正七年(一九一八)九月号・「改造」大正十三年(一九二四)十一月号/かさい ぜんぞう 一八八七―一九二八/青森県生まれ。貧しい幼少期を送り、各地を転々としながら独学で文学に親しむ。明治三十八年(一九〇五)初上京、哲学館大学(現東洋大学)に学ぶが中退。徳田秋声に師事し、相馬御風を紹介されたことで光用穆と知り合う。大正元年(一九一二)、舟木重雄、広津和郎、相馬泰三らと同人雑誌「奇蹟」を創刊し、処女作「哀しき父」を発表。のち「雪をんな」「子をつれて」などを発表し、自己の窮乏や家庭的破綻を赤裸々に描く私小説作家として注目される。以後も流浪と病苦、家庭不和と貧困の中で創作を続け、「椎の若葉」「湖畔手記」などの作品を残した。『葛西善藏全集』など。

    松本恭三「欺く」/「婦人公論」大正十三年(一九二四)十月号/まつもと きょうぞう 一八八五―一九二四/広島県生まれ。明治四十三年(一九一〇)、早稲田大学商科卒業。卒業後は鉄道院に勤務するが短期間で退職、帰郷後は尾道市役所にも勤めた。大正八年(一九一九)七月に再び上京。翌大正九年末から十年頃にかけて、「解放」「自由評論」「国本」などに「示談」「宿直の夜」「鼠」「良人」を発表した。

    峯岸幸作「月光と青年」/「奇蹟」大正二年(一九一三)三月号/みねぎし こうさく 一八八九―一九一九/群馬県生まれ。大正二年(一九一三)、早稲田大学英文科を卒業。明治四十五年(一九一二)、「早稲田文学」に「老犬」を、大正元年(同)から翌年にかけ同人誌「奇蹟」において「日没」「血」「たそがれ」「月光と青年」などを発表する。また大正二年には相馬泰三の後を継ぎ「婦人評論」の編集に携わった。のち名古屋日日新聞に入り、さらに金沢の石川毎日新聞に主筆として招かれるが、「デモクラシー」を巡る筆禍事件により投獄される。出獄後、持病の心臓弁膜症が悪化し、程なく逝去した。「婦人評論」に「ショウの結婚論」「職業的婦人」などを執筆、ほか峰岸孝作名義でモーパッサン「悔恨」訳がある。

    舟木重雄「山を仰ぐ」/『舟木重雄遺稿集』昭和二十九年(一九五四)六月二十八日/ふなき しげお 一八八四―一九五一/東京芝(現港区)生まれ。ドイツ文学者で小説家の舟木重信の兄。早稲田大学文学部英文科に入学し、のち哲学科に転じて大正二年(一九一三)に卒業。中学時代から友人と回覧雑誌、同人誌を作るなど早くから文筆に親しみ、投稿も盛んに行なった。大正元年には光用穆、相馬泰三、葛西善蔵、広津和郎らと同人誌「奇蹟」を創刊。その中心人物として同誌に「馬車」「乳母の死」「ある青年の死」を発表した。大正十五年、友人志賀直哉の誘いもあり奈良へ移住。中学時代からの友人九里四郎をはじめ、武者小路実篤、瀧井孝作らとも交わりを深める。没後、志賀直哉が発行人となり『舟木重雄遺稿集』が刊行された。
  • 内容紹介

    絶え間なく酒に酔い、自己反省に胸を圧されて苦しむ日々。
    質入れで当面を凌ぎ、一人ぽっちの不幸、寂びしさ、徒労、絶望を噛みしめる。
    皆な貧しく、みじめで、痛々しく、いじけていた。
    いったい俺の生活は、どこが間違って、こんな風になっちゃったのか……。
    友だちを出汁《だし》に書き、絶交を繰り返しながらも、しかし熱情は棄てなかった。
    100年以上前の、伝説の同人誌の、同人たちの関係性を現す10篇。
  • 著者について

    尾﨑渡 (オザキ ワタル)
    1982年、長崎県北松浦郡(現佐世保市)生まれ。著書に『自滅 尾﨑渡作品集』。

「奇蹟」の人びと-百年前の私小説(銀河叢書) [全集叢書] の商品スペック

商品仕様
出版社名:幻戯書房
著者名:尾﨑渡(編集)
発行年月日:2026/03/02
ISBN-13:9784864883436
判型:46判
発売社名:幻戯書房
対象:一般
発行形態:全集叢書
内容:日本文学小説
言語:日本語
ページ数:240ページ
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