物質に宿る記憶-甦るリヒャルト・ゼーモン [単行本]
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物質に宿る記憶-甦るリヒャルト・ゼーモン [単行本]

福元 圭太(著・文・その他)


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出版社:九州大学出版会
販売開始日: 2026/10/13
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物質に宿る記憶-甦るリヒャルト・ゼーモン [単行本] の 商品概要

  • 目次

    序 論

     一 はじめに
     二 記憶の分類
     三 ゼーモンに関する研究状況

       第一部 リヒャルト・ゼーモンと『ムネーメ』

    第一章 リヒャルト・ゼーモンの肖像

     一 ベルリンの幼年時代
     二 学生時代
     三 アフリカ・オーストラリアへの調査探検
     四 醜聞
     五 ムネーメ研究へ

    第二章 エングラムとエクフォリー

     一 ヘーリングからゼーモンへ
     二 エーヴァルト・ヘーリングの講演
     三 『ムネーメ』を読む
     四 エングラム(Engramm)
     五 エクフォリー(Ekphorie)

    第三章 「記憶の遺伝」というアポリア

     一 遺伝の概念
     二 ムネーメは「遺伝」するのか
      二-一 ケース一:シューベラーによる穀物を用いた実験
      二-二 ケース二:フィッシャーによるヒトリガを用いた実験
     三 「遺伝的な傾向性」がエングラムの総体としてのムネーメであることの「蓋然性」

    第四章 アウグスト・ヴァイスマンの『ムネーメ』批判

     一 「生殖質説」
     二 ヴァイスマンの反駁

    第五章 『ムネーメ』評価

     一 エルンスト・ヘッケル
     二 ヴィルヘルム・ベルシェ
     三 アウグスト・フォレル
     四 エルンスト・マッハ
     五 オイゲン・ブロイラー
     六 1970年代以降の記憶研究におけるゼーモン評価
     七 今日の記憶研究に照らし見たムネーメ理論の評価

    第六章 エピジェネティクスの「予言者」としてのゼーモン再評価

     一 エピジェネティクス
      一-一 エピジェネティクスの概要
       (1) DNAメチル化
       (2) ヒストン修飾
       (3) ゲノム刷り込み(インプリンティング)
       (4) 遺伝子サイレンシング
       (5) 細胞記憶
        (5)-1 「細胞状態の記憶」としての細胞記憶
        (5)-2 「神経科学的な」細胞記憶
        (5)-3 「免疫学的な」細胞記憶
        (5)-4 「発生・進化思想的な」細胞記憶
        (5)-5 「疑似科学的な」細胞記憶
      一-二 世代を超えるエピジェネティックな現象例
       (1) オランダの飢餓
       (2) アグーチマウスの毛色
       (3) 9.11のトラウマ
       (4) 幼児期の環境因子
       (5) 化学物質の摂取など
     二 動物意識とムネーメ
     三 付論:二人の「ラマルキスト」たち  カムメラーとルイセンコ  

       第二部 『ムネーメ』の水脈

    第一章 「中立的一元論」とムネーメ理論  バートランド・ラッセル『心の分析』とリヒャルト・ゼーモン  

     一 ラッセルの「中立的一元論」
     二 講義IIおよび講義IV
     三 講義VII・VIIIおよび講義IX
     四 講義XIおよび講義XV
     五 『心の分析』におけるゼーモンの位置

    第二章 ムネーメと教育  「モンテッソーリ・メソッド」とリヒャルト・ゼーモン  

     一 「モンテッソーリ・メソッド」の概要
     二 ムネーメとホルメ
      二-一 『新しい世界のための教育』
      二-二 『人間の可能性を伸ばすために』
     三 「モンテッソーリ・メソッド」におけるムネーメ

    第三章 存在の途方もない連鎖  エルヴィン・シュレーディンガーとリヒャルト・ゼーモン  

     一 シュレーディンガーの世界観
     二 精神と物質
     三 ヴェーダーンタ的世界像
     四 道徳律

    第四章 ムネーメ、ムネモシュネ、集合的無意識  リヒャルト・ゼーモンを読むヴァールブルクとユング  

     一 ヘーリング再び
     二 ヴァールブルクの「ムネモシュネ」
     三 ユングの「集合的無意識」
     四 「エピステーメー上の比喩の濫用」

    第五章 ムネーメと輪廻転生  ルードルフ・シュタイナーとリヒャルト・ゼーモン  

     一 神智学から人智学へ
     二 『神智学』
     三 霊的遺伝
     四 人智学とムネーメ

       第三部 記憶をめぐるディスクルス

    第一章 フロイトとゼーモン  精神分析と『ムネーメ』  

     一 フロイト派の『ムネーメ』批判
     二 「心理学草稿」と『ムネーメ』
     三 トラウマという「エングラム」
     四 「虚偽の」記憶
     五 PTSDの治療

    第二章 ベルクソンとゼーモン  「純粋記憶」とムネーメ  

     一 『物質と記憶』と『ムネーメ』
     二 「純粋記憶」説と「記憶痕跡」説
     三 時間の謎

    第三章 集合的記憶  アルヴァックスからアスマンへ  

     一 モーリス・アルヴァックスの「社会的記憶」
     二 アライダ・アスマン、ヤン・アスマンの「文化的記憶」
     三 ドイツの戦後と記憶
     四 記憶の過剰

    第四章 『ドグラ・マグラ』と『胎児の世界』  夢野久作と三木成夫  

     一 『ドグラ・マグラ』における「胎児の夢」
     二 「人類の生命記憶」
     三 記憶の転移  生きている心臓  

    第五章 「ミーム」とムネーメ

     一 リチャード・ドーキンスの「ミーム」
     二 実体論と模倣

    第六章 AIと記憶のアップロード

     一 AIの歴史
     二 「オートポイエーシス」
     三 「ハードプロブレム」
     四 「マインド・アップローディング」

    結 論

     一 ムネーメ理論とは何であったのか  その評価  
      (A) 記憶は物理化学的実体である
      (B) 記憶は遺伝する
     二 心理と物理
      夢と記憶
      直感と記憶
      文学と記憶
      未来の記憶
      虚偽記憶
      忘却
      記憶の目的
     三 記憶の何が問題だったのか
      (1) 記憶の一元論と二元論
      (2) 「私はAIではない」
       (2)-1 身体の欠如
       (2)-2 経験-時間-再現という力学の欠如
      (3) 記憶の真正性
      (4) 記憶の喪失、あるいは忘却への不安
      (5) パロディーと記憶
      (6) 記憶とは何か
       (6)-1 同一性の担保
       (6)-2 生存有利性
       (6)-3 人間と記憶

     初出一覧ならびに謝辞
     あとがき
     文献一覧
     人名索引
  • 出版社からのコメント

    「忘れられた」先駆者リヒャルト・ゼーモンの記憶理論「ムネーメ」。その影響と重要性を解明し、「記憶」という迷宮に肉迫する。
  • 内容紹介

    記憶は物質に宿るのか。記憶は遺伝するのか。この二つの問いをめぐって展開されるリヒャルト・ゼーモンの「ムネーメ理論」は、そのラマルキズム的な結構のために、長らく科学史の闇に葬られ、無視され、忘却されてきた。

    本書第1部はまず、この記憶研究の「忘れられた」先駆者、リヒャルト・ゼーモンが生涯をかけて構築した「ムネーメ理論」を、本邦で初めて本格的に論じる。次に、アウグスト・ヴァイスマンからの苛烈なゼーモン批判を取り上げる同時に、ゼーモンのメンターであるエルンスト・ヘッケルを始め、ヴィルヘルム・ベルシェ、エルンスト・マッハやアウグスト・フォレル、オイゲン・ブロイラーによるゼーモン支持を通覧する。ゼーモンの「ムネーメ理論」はまた、近年とみに注目され始めたDNAを介さない「遺伝」の一種である「エピジェネティクス」の議論において、その先見性が再評価されつつある。ゼーモンは言わば「忘却の淵から甦りつつある」のである。本書第1部後半では、「エピジェネティクス」の仕組みを概説しながら、いかなる意味でゼーモンが「甦りつつある」のかを検証する。

    本書第2部では、ゼーモンの「ムネーメ理論」の、伏流水のように潜行する影響の水脈を、20世紀の多様な思想や著作の中にたどり、その射程と意義を明らかにする。議論の対象は、バートランド・ラッセルの「中立的一元論」、マリア・モンテッソーリの「モンテッソーリ・メソッド」、エルヴィン・シュレーディンガーの『精神と物質』、アビ・ヴァールブルクの「ムネモシュネ」、カール・グスタフ・ユングの「集合的無意識」、そしてルードルフ・シュターナーの『神智学』にわたる。

    本書第3部では、ゼーモンからの直接の影響はないものの、「ムネーメ理論」を参照しながら考察すべき、主として20世紀から現在に至る記憶論を俎上に乗せる。フロイトの『ヒステリー研究』をめぐるトラウマ論、ベルクソンの『物質と記憶』における「純粋記憶」、ベルクソンに対峙したアルヴァックスの「社会的記憶」、アルヴァックスを淵源とするアスマン夫妻の「文化的記憶」、さらには本邦の夢野久作と三木成夫の「胎児の夢」、手塚治虫の「記憶転移」、また「ムネーメ理論」の後継とも言えるリチャード・ドーキンスの「ミーム理論」のみならず、記憶の集積体としてのAIや、死後における「記憶のデジタル空間へのアップロード」といった最新の問題までが、第3部の考察の地平に組み込まれる。

    これらの考察を経て結論部では、「心理と生理」、「心と身体ないし脳」、「精神と物質」、究極的には「質と量」にまたがる現象としての記憶とは何か―人間にとって、「私」にとって、記憶とは何かを問う。

  • 著者について

    福元 圭太 (フクモト ケイタ)
    大阪外国語大学ドイツ語学大学院修士課程修了。ベルリン・フンボルト大学、ボン大学留学、
    ミュンヒェン大学日本センター客員講師。
    現在、九州大学名誉教授。九州大学博士(文学)。ドイツ文学・思想研究。

    主要著作
    『「青年の国」ドイツとトーマス・マン  20世紀初頭のドイツにおける男性同盟と同性愛』
      九州大学出版会、2005年、「第4回日本独文学会賞 日本語研究書部門」受賞
    『賦霊の自然哲学  フェヒナー、ヘッケル、ドリーシュ』
      九州大学出版会、2020年、「第19回日本独文学会・DAAD賞 日本語研究書部門」受賞
    『アポロン独和辞典〔第4版〕』
      共編著、同学社、2022年

物質に宿る記憶-甦るリヒャルト・ゼーモン [単行本] の商品スペック

商品仕様
出版社名:九州大学出版会
著者名:福元 圭太(著・文・その他)
発行年月日:2026/10/13
ISBN-13:9784798504117
判型:A5
発売社名:九州大学出版会
対象:専門
発行形態:単行本
内容:哲学
言語:日本語
ページ数:490ページ
縦:22cm
横:16cm
厚さ:3cm
重量:790g
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