愛欲のローマ史―変貌する社会の底流（講談社学術文庫） [電子書籍]

愛欲のローマ史―変貌する社会の底流（講談社学術文庫） の 商品概要

• 平和と繁栄を極めた古代ローマ。そこに溢れる過剰な欲望と、淫靡な乱行の裏には、どんな意識が潜んでいたのだろうか。そして、そうしたいとなみを「頽廃」や「堕落」と断罪する感性は、どのように生まれてきたのだろうか。「性愛」と「結婚」、そして「家族」をめぐる意識の変化は、人々の規範をどのように規定し、社会を変容させたのだろうか。社会の変貌の底にある「愛」と「性」のかたちを描き、歴史の深層をとらえる。（講談社学術文庫）
  

• 目次

  プロローグ
  　　フェリーニの「サテリコン」
  　　「カリグラ」の淫靡な狂乱
  　　ミュトスとしての映画
  　　堕落と頽廃のローマ
  I　この世は恥辱と悪徳に満ち満ちている
  　　アウグストゥスの娘
  　　ユリアの放蕩
  　　狂気の皇帝カリグラ
  　　放縦と残忍と
  　　淫らな怪女
  　　売春皇后
  　　母子相姦の噂
  　　ネロの弟殺し
  他
  II　相異なる顔をもつローマ人
  　　二つのローマ
  　　キケロの時代と社会──自由闊達・質実剛健の時代
  　　マルクス・アウレリウス帝の時代と社会──不安と内省の時代
  　　オウィディウスの時代と社会──天才詩人の描いた男と女
  　　小プリニウスの時代と社会──文人政治家と平民的保守主義
  　　百年間になにが起こったか
  他
  III　表象と心象──歴史の逆説
  　　諷刺詩の描くローマ世界
  　１　ホラティウスの冷笑
  　　間男の言い分
  　　愚かさを笑いにつつむ
  　２　マルティアリスの嘲笑
  　　熟女への批判の刃
  　　「男らしく」という規範
  　　苛烈な嘲りと笑い
  　３　ユウェナリスの義憤
  　　軟弱な男を罵倒する
  　　悪女絵巻
  　　女嫌いと男性至上主義
  　　仮面の憤り
  ほか
  

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