哲学の可能性~哲学で何が救えるか?(島燈社) [電子書籍]
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哲学の可能性~哲学で何が救えるか?(島燈社) [電子書籍]

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出版社:島燈社
公開日: 2016年05月20日
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哲学の可能性~哲学で何が救えるか?(島燈社) [電子書籍] の 商品概要

  •  3・11以降の日本は、いったいどこに行こうとしてきたのだろうか。遅々として進まない被災地の復興、収束しない福島第一原発の事故処理、出口が見えない核廃棄物の最終処理問題、暴走しはじめたかに見える政治状況……。閉塞状態が続くこの現状にわたしたちはどう対峙すればいいのか。本書に収載されている3編はいずれも15年以上前に発表されたものだが、指摘されている内容の本質は、現在のわたしたちを取り巻いている状況と奇妙なほどに一致する。
     第一部の『哲学の可能性』では、中学生の自殺の問題を端緒に「いじめ」が会社組織内はいうにおよばず、あらゆる集団、共同体のなかで陰湿な形で進行していることを指摘し、その大きな原因のひとつは数の力を背景にして弱者を排除しようとする「偽りの民主主義」にあるとしている。この「偽りの民主主義」が<個の責任><共同体の責任>を曖昧にして無化する状況を生み出し、その無責任化をそれぞれが自身の力で気づくことすらできない危険な世界を現出させているとしている。この危険な世界を克服するためには、「真の民主主義」をひとりひとりが獲得しなければならない成熟した哲学・思想によって取り戻す以外にないことに気づいていく。
     第二部の『世界神話の類似性と「記・紀」神話の政治性』では、古代期最大の内乱「壬申の乱」を目の当たりにし、殺戮の時代を巧みに生き抜いて政権を陰で動かした藤原不比等に焦点を当てている。不比等は官僚の草分け的存在。知識と策謀を駆使して政治の実権を握り、果ては娘を天皇家に嫁がせることで天皇をも自身の手でつくり出したばかりか、日本最古の文献「古事記」「日本書紀」の神話のなかに自身と藤原家の正当性を狡猾に盛り込もうとした人物。目的のために手段を選ばない不比等の姿は現代の官僚と共通するものの多いことがわかる。
     第三部の『縄文と弥生の文化攻防』では、「戦争の始まり」が追究されている。考古学史料、発掘された人骨資料などから縄文時代には「人間同士の殺し合い」はほとんどんなく、戦争が始まるのは弥生時代からだとする説に焦点を当て、それでは縄文から弥生への時代の転換期にいったい何が起こっていたのかの謎に迫っている。
     これらを読み通した後に、日本の政治、社会、経済、教育、生活……等々の現状を問いなおしてみると、3編のその先見性に驚かされることになるだろう。日本が不穏で危険な方向に流されつつあるように思える今こそ、熟読しておきたい一冊になっている。
  • 目次

    <目次>
    はじめに~混沌から危険へと向かう日本の現状を再認識するための三編
    第一部 哲学の可能性~哲学で何が救えるか?
     一章 死と自殺~生きるための哲学
      ■椎名誠氏が叫ぶ、「いじめなんかで死ぬな」と
      ■ハイデガーいわく、「死の問題と対決せよ」
      ■絶望を覗いたキルケゴールの哲学は、生ききる人間のための哲学
     二章 いじめの構図~根が深い「偽りの民主主義」の弊害
      ■現代社会にもはや存在しない、真のリーダー「ガキ大将」
      ■多数決の論理に敗れた最初の哲学者はソクラテス
      ■戦後民主主義の五十年は、道徳感希薄化の歴史
     三章 傲慢と価値観~人間は価値観で生きている?
      ■評判悪い、ヘーゲルの「価値ある人間の生き方」
      ■自己の意識は、共同体のなかで逆立ちする
      ■責任無化の時代を傲慢に生き続ける現代人
    第二部 世界神話の類似性と「記・紀」神話の政治性
     一章 「記・紀」の背後に潜む「殺戮の歴史」
      ■戦後の「記・紀」研究に大きな影響与えた津田左右吉
      ■「記・紀」神話の背後で動く政治的意図の主体は藤原家か
      ■殺さなければ殺される、皇位継承をめぐる陰謀
      ■大混迷への序曲だった、「鎌足と天智」盟友二人の死
     二章 「記・紀」編纂を陰で操った藤原不比等の謎
      ■七世紀最大の内乱「壬申の乱」を、抹殺されずに生き延びた不比等
      ■不比等登場までのワンポイント・リリーフだった中臣大嶋
      ■不比等が「殺戮の歴史」から学んだ「わが身」防御の公式
     三章 日本神話とギリシア神話の類似
      ■タブーのなかに見える世界神話の共通性
      ■ギリシア神話は騎馬民族が運んできた?
      ■農耕民族に共通するハイヌウェレ型神話
      ■アメノコヤネを中臣の祖先とした不比等の深慮
      ■神話の垂直軸が現実の水平軸に
    第三部 縄文と弥生の文化攻防
     一章 渡来人たちに「戦争の起源」を探る       
      ■安らぎを感じる縄文文化
      ■日本での戦争は弥生時代に始まった
      ■戦争の原因はなわばり争いか
      ■戦争熟知者が稲作技術をもたらした?
     二章 転換期に「日本人の祖先」を探る
      ■日本人種は実在しない?
      ■弥生時代に大量の渡来人がやってきた
      ■混血の度合は地域によって違う
      ■原日本人のルーツは東南アジアではない
      ■ミトコンドリアDNA分析は信頼できるか
      ■寒冷適応を受けない古モンゴロイド集団が東北アジアにいた?
      ■縄文系劣勢化の原因は戦争と結核か
      ■弥生時代の人口膨張の原因は農耕集団の自然増加にある?

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著者名 鰆木周見夫
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